第4章:旅
アルカードの前に道が果てしなく伸びていた。その埃っぽい路面は、この地の苦しみを映し出しているようだった。
彼は人間界を後にしたが、その場所の残骸、煙、焼け焦げた村の跡、戦争の音は、濃い霧のように彼の心にまとわりついていた。
空気は、どんな戦いの叫びよりも雄弁な沈黙で満ちていた。
アルカードはこの道を以前にも歩いたことがあった。
指導者としての重責、悪魔を統べる責任――それはすべて遠い記憶のように思えた。
しかし、この戦火に荒廃した地を歩くにつれて、それらの記憶は埋もれていた亡霊のように蘇った。
彼がそれを察知するのに時間はかからなかった。
一つの存在。
奇妙なほど見覚えがあるのに、異質な感じがした。
何か古の存在。
地平線から姿が現れ、風景の霞の中をゆっくりと動いていた。
古の悪魔。
それはアルカードがこれまでに出会った他の悪魔とは異なっていた。
これはもっと大きく、その体は不自然な角度にねじれ、その姿は人間と何か別のもの――もっと古く、より原始的なもの――の不穏な組み合わせだった。
そのローブはぼろぼろで、何世紀もの汚れで染みつき、肌は古びた石のようにひび割れていた。
疑いの余地はない。これは遠い昔の時代の生き物であり、もはや存在しない世界の残骸だった。
それは警戒と好奇心が入り混じった眼差しで彼に向かって動いた。
「お前は他の者たちとは違う」と、その生き物はかすれた声で言った。その低い囁き声は、周囲の空気を震わせるようだった。
アルカードの深紅の眼差しは、その悪魔を注意深く見つめた。
「ああ」と彼は、冷静で、ためらいや恐れのない声で言った。
「違うな。」
悪魔の目は彼を吟味するように細められた。
「王の血を感じる」と、畏敬と畏怖が奇妙に混じった響きのある声でつぶやいた。
「消えた者。魔王だ。」
アルカードの唇に微かな笑みが浮かんだ。彼の過去の人生の記憶が心の中でちらついた。
魔王、彼らはそう呼んだ。
彼を定義し、縛り付けた称号。
しかし、それは別の人生、別の世界でのことだった。
彼はその皮を脱ぎ捨てたが、血の痕跡は残っていた。それは否定できない力だった。
「かつてそう呼ばれていた」と彼は、ダークユーモアを交えた声で答えた。
「しかし、それはずっと昔に捨てた。今はただの…私だ。」
古の悪魔は長い間沈黙し、彼の言葉を吟味しているようだった。
そして、ゆっくりと、慎重な動きで頭を下げた。
「戦争は」と、その声は低く、古の悲しみに満ちていた、「我々にとって決して楽なものではなかった。悪魔たちは落ち着きを失っている。彼らの飢え、彼らの怒り――それは増している。何か空気に…何かが変わっている。」
アルカードはそれらの言葉の重みが胸に沈んでいくのを感じた。戦争はすべてを引き裂いた――土地、人々、そして悪魔自身までも。
しかし、この変化とは何なのだろうか?何が変化したのだろうか?
「魔女王の領域へ向かう」とアルカードは静かに言った。彼の視線は遠くを見つめていた。「もしかしたら、何が本当に起こっているのか知る時が来たのかもしれない。」
悪魔はためらい、再び話し始めた。その声には慎重な響きがあった。
「気をつけろ。魔女王の力は、これまで我々が見てきたものとは異なる。彼女は昔の統治者ではない――彼女の台頭は…型破りだ。」
アルカードの目がわずかに細められた。好奇心が刺激されたのだ。
「型破りだと?」
悪魔は厳しく頷いた。
「彼女は悪魔の世界に何か新しいもの、何か…危険なものをもたらした。そして、それがすべてを変えつつある。」
アルカードの心臓は奇妙な興奮で脈打った。
つまり、戦争だけの問題ではないということか。
彼の心は、もっと暗い何かが働いている可能性、そのヒントで沸き立った。
この女王…彼女は私を魅了する。
「ならば、この目で確かめなければならないな」とアルカードはニヤリと笑って言った。
「警告ありがとう。だが、私は進むべき時だと思う。」
悪魔は道を譲り、アルカードが旅を続けるのを許したが、最後に一言付け加えた。
「気をつけろ。世界はかつてのものではない。」
アルカードが道を歩き続ける中、彼はその言葉の重みを感じずにはいられなかった。世界はかつてのものではない。
そして、彼もまた。