幕間III:女王の策略
黒い空の出来事 — ノクティス・レグナム、アルカード召喚の一年前
空が引き裂かれた。
一瞬前まで、魔都は薄暮に包まれていた。次の瞬間、空は腐った布のように裂け、星があるべき場所に虚空が現れた。
空気そのものが悲鳴を上げた。
当時、銀髪と鋭すぎる目を持つ下級貴族だったエリシアは、世界がほころびていく中、宮殿の尖塔の頂上に立っていた。
彼女の周りでは、魔術師たちがその光景に心が砕かれ、倒れていった。
上級評議会は逃げた。
人々は泣き叫んだ。
しかしエリシアは見ていた。
そして虚空もまた彼女を見ていた。
滑らかで古びた声が彼女の心に忍び込んだ:
「お前は我々を見る。お前は選ばれし者だ。」
彼女はひるまなかった。
「あなたは何者?」
「ベールだ。嘘の間の真実。世界は物語なのだ、小悪魔よ。そしてインクは枯れかけている。」
エリシアは手を差し出した。
「では、私がそれを書き直しましょう。」
虚空が脈動した。
液体の影の糸が彼女の手首に巻きつき、どの言語も名付けられない刻印でその肌を焼き付けた。
力が彼女の血管に流れ込んだ――悪魔の力でも、定命の者の力でもない、何か古きものだった。
黒い空が閉じると、首都は廃墟と化していた。
上級評議会の者たちは死に、その遺体は骨と影のグロテスクな彫刻にねじ曲げられていた。
そしてエリシアは瓦礫の上に立ち、星明かりと静寂を冠していた。
ミッドナイト・スパイア — 現在
エリシアは決して消えない手首の傷跡をなぞっていた。
アルカードの到着以来、ベールの囁きは大きくなり、その飢えはますます執拗になっていた。
「彼は他の者たちとは違う」とベールはつぶやいた。
「彼は知るべきではないことを覚えている。」
黒曜石の鏡に映るエリシアの姿が砕け散り、無数の未来の可能性を示した:アルカードが彼女の足元にひざまずく姿、アルカードの刃が彼女の喉元に突きつけられる姿、世界が燃え尽きる中、アルカードと彼女が並んで立つ姿。
「彼は何者?」彼女は尋ねた。
鏡は砕け散った。
答えはいつもと同じだった:
「終わり。あるいは始まり。」
エリシアは微笑んだ。
良いわ。




