幕間II:血の王冠の影
黒曜石の玉座の間 — エタノス、召喚の数年前
広間には静寂が支配していた。燃え盛る松明の音と、アルカードの刃の端から血がゆっくりと滴り落ちる音だけが響く。
彼は玉座にゆったりと座り、片足を肘掛けに投げ出し、半開きの深紅の目で虐殺の跡を見渡していた。
十二人の上級悪魔が彼の前にひざまずき、切り落とされた彼らの手が玉座の壇の足元に供物のように積み上げられていた。
空気は鉄と恐怖の匂いを漂わせていた。
「またか?」アルカードはため息をつき、指の間で短剣をくるくる回した。
「学習するということはないものか。」
彼の密偵長ヴェイスが影から這い出し、その蛇のような尾を柱に巻き付けた。
「東の領主たちが大胆になっています、陛下。人間との血の誓いの後、陛下は弱くなったと囁いています。」
アルカードのニヤリとした笑みは剃刀のように薄かった。
「弱くなった、と?」
手首をひと振りすると、短剣は最も近い反逆者の眼窩に突き刺さった。男は音もなく崩れ落ちた。
「ヴェイス」とアルカードはつぶやいた。「私がお前に『弱く』見えるか?」
密偵長は頭を下げ、分かれた舌を突き出した。「決して。」
その後、王の私室にて
アルカードは窓辺に立ち、二つの月が下界の戦火に荒れた平野に銀色の光を投げかけるのを眺めていた。
人間王国の国境は、煙と消えゆく残り火の傷跡だった。
ノックの音。弟のカエルが、許可を待たずに中へ入ってきた。
「時間を無駄にしている」とカエルは腕を組みながら言った。
「貴族たちは陰謀を企て、人間たちは再編し、あなたは詩人のようにふさぎ込んでいる。」
「ふさぎ込んでいる、だと?」アルカードはくすりと笑った。
「私は『味わって』いるのだ。常に勝つ戦争は退屈だ。」
カエルの顎が引き締まった。
「詩について話し合うために私をここに呼んだわけではないでしょう。」
「ああ、そうだな。」アルカードは振り返り、その表情は読み取れなかった。
「私は去る。」
沈黙。
「去る、ですと?」カエルは繰り返した。
「玉座は――」
「お前のものだ。」アルカードは血の王冠をベッドに投げ捨てた。
「お前の思うがままに統治しろ。私が戻るまで死ぬなよ。」
カエルは王冠を、そして兄をじっと見つめた。「なぜです?」
アルカードの笑みは獰猛だった。「今日、何か『動く』のを感じたからだ。何か古きものが。そして私はそれを狩り出すつもりだ。」
彼は夜の中に姿を消し、カエルを王国という重荷と、アルカードが一度も玉座を望んでいなかったという言葉にされない真実と共に残した。




