第12章：深淵の裂け目
朝の最初の光線がノクティス・レグナムに広がり、黒曜石の屋根や輝くガラスの塔に黄金の光を浴びせた。
影は夜明けの暖かい指に追われ、しぶしぶ幽霊のように路地から引き下がった。
アルカードは魔女王の宮廷から与えられた客間邸のバルコニーに微動だにせず立っていた。
下では、街が目覚め始めていた――悪魔の商人たちはかすかに光る品物を並べた露店を開き、幽霊のような使い魔が空中を飛び回り、黒い鋼鉄の鎧を着た衛兵たちは機械的な正確さで巡回していた。
しかし、彼の視線は下の賑わいにはなかった。
代わりに、それは地平線に固定されていた。大地がぼやけて見え、空が本来よりも暗い、悪魔領のギザギザした境界線――そこでは世界間のベールが薄くなり始めていた。
その記憶が彼の中で燃え上がった：解剖学に反するねじれた手足、思考や共感を欠いた虚無のような目、現実をねじ曲げる圧倒的なオーラ。
それはここに属していなかった。
だが、それでもやって来たのだ。
そして彼は知っていた――それは間違いではなかった。
彼の調査は、個人の書庫に隠された記録を辿り、皮膚の下に「高まる潮」や「影に縫い付けられた声」についてつぶやく預言者や魔術師に尋ねることで進んだ。
彼が断片からつなぎ合わせたものは厄介なものだった。
その生物が最初に目撃されたのは約1年前――エリシアが権力を握る直前だった。
その偶然はあまりにも正確だった。
しかし、さらに恐ろしい事実はこれだった。エリシアはこの宇宙的な力の支配者ではなかったのだ。
せいぜい、彼女は器に過ぎなかった。
最悪の場合…駒だ。
それなのに、彼女の力はその到来とともに急増した。
時間が経つにつれて、アルカードはノクティス・レグナムの内区の石畳の道をさまよい、街の不自然なリズムに身を任せた。
通りは微妙にありえない角度に曲がっていた。以前にはなかったドアが時折現れ、まばたきすると消え去った。頭上のマナの潮流は、神経質な心臓の鼓動のように不規則な脈動で変化した。
街は生きていた――しかし、あるべき形ではなかった。
一つの存在が近づいてきた。
静かに。
慎重に。
通り過ぎる商人やローブを着た新参者たちの群衆から、影が離れていった――頭巾をかぶり、鋭い目つきで、ほとんど音を立てずに彼の隣に立った。
「幽霊を探しているのか？」と、その人物は尋ねた。
彼の声は低く、落ち着いていたが、疲労の色が濃かった。
アルカードの手は腰に隠された刃に向かった。本能は研ぎ澄まされていた。
その人物が平和のしるしとして両手を上げると、彼はわずかにリラックスした。
「私はルシアンだ」と彼は言った。
「女王の宮廷の諜報員だ。だが、私は目立たないようにしている。」
アルカードは隠された疑念の目で彼を見つめた。
「なぜ私が誰だとわかる？」
ルシアンの唇は細い線に引き締まった。
「禁断の書庫には『帰還した王』――古の道を新たに歩むために彼方から呼ばれた存在について記されている。彼らは魔法の流れを乱し、その魂が忘れられたレイラインと共鳴すると言う。あなたはあまりにも多くの兆候に合致する。」
彼は一瞬止まり、まるで街そのものが聞いているかのように周囲を見回した。
「それ以上に」と彼は静かに続けた、「あなたの存在は、この世界に微妙ではあるが測定可能な形で干渉している。あなたの近くではマナが異なる曲がり方をする。特定の結界が崩壊する。古の結界――古代のものが――あなたを認識する。」
アルカードはそれを否定しなかった。できなかった。
「なぜ私を助ける？」と彼は代わりに尋ねた。
ルシアンの表情は暗くなった。
「私は女王に仕えている。だが、真実にも仕えている。そして最近…女王は彼女自身が気づいているよりも深い影の中を歩んでいる。何か古のものが彼女の足元で動いている。そしてもしあなたが世界がかつてどうであったかを覚えているなら、あなたはこれから起こることを理解できる唯一の人物かもしれない。」
彼はさらに身を乗り出した。
「黒曜石の尖塔の下に封印された部屋がある。宮殿そのものよりも古い。彼女はそこを一人で訪れる。従者もなく、記録もなく。彼女が入ると古い血の結界が動揺する。噂では、そこで彼女が変わった…そしてそこで例の生物が初めて目撃されたと言われている。」
アルカードの目が細められた。
「君はそれを見たのか？」
「断片だけだ。反射。鏡の中の波紋。我々が知るいかなる次元にも属さないとわかるには十分だった。」ルシアンはためらった。「だが、私はそこへ入る方法を見つけた。」
その夜、呪術ガラスと輝く結界の光を通してろ過された月明かりの下、ルシアンはアルカードを宮殿の南翼の裏にある忘れられた回廊へと導いた。
彼らは古い作戦室、彫刻されたレリーフの裏に隠された扉、そして不安感を増しながら螺旋状に下へと続く階段を通り過ぎた。
空気は神秘的な緊張で濃密になった。壁のグリフ――悪魔種族よりも古いもの――はアルカードが通り過ぎると反応し、彼を認識したかのようにかすかに光った。
石は生きた金属へと変わっていった。
壁はかすかに脈打ち、まるで血管が血を送り出しているかのようだった。オゾンと腐敗の匂いが混じり合った。
最下層で、彼らは一つの門にたどり着いた。
それは扉ではなかった。
それは構造物だった――翻訳を拒むルーンが刻まれた滑らかなオニキスの石板。
それが異質だからではなく…記憶のすぐ外にある言葉のように、理解されることを拒むからだ。
ルシアンの声は囁き声に変わった。
「彼女の結界はここで弱まる。あなたはそれを開けることができる。確信している。」
アルカードは一歩前へ出た。
彼の掌が石に触れると、それは音もなく溶け、見えない糸に引かれる油のように開いた。
その先にあったのは部屋ではなかった。
それは裂け目だった。
星のない空間の虚無で、輝く光の鎖と封印の呪文で振動する水晶が浮遊していた。
重力は逆転し、時間は不規則に脈動するなど、物理法則そのものがここで曲がっていた。
そしてその中心には、魔法によって磔にされたかのように、一冊の本が浮いていた。
それは悪意を放っていた。
その周囲の空気は焦げた絹のようにパチパチと音を立てた。
アルカードが一歩踏み出すと、本のページが弾け、激しくめくられた後、古の言葉のギザギザした筆致で書かれた言葉で止まった。
彼はそれを本能的に読むことができた。
「彼方は場所ではない。それは意志である。それは来ない――それは目覚める。」
別のページが自らめくられた。
「彼女はただの器に過ぎない。真の意志は彼女を通して、見えないまま動いている。」
その言葉は刃のように彼を襲った。
エリシアは深淵の怪獣を召喚していなかった。
彼女は召喚しようとさえしていなかったのだ。
彼女は導管だった――彼女の目覚め、彼女の台頭が、単に道を開いただけなのだ。
一つの亀裂を。
彼がベールで戦ったものとは？
先触れだ。
斥候。
症状だ。
真の力――意志――はまだ集結中だった。覚醒し、その形を選んでいた。
アルカードはよろめきながら後退した。息は整っていたが、その目は暗い透明さで燃え上がっていた。
今や彼の魂を掻きむしる疑問に答えられる人物はただ一人しかいなかった。
そして彼女は真夜中の炎の王冠をかぶっていた。
魔女王自身が。
