15-8 どすこいどすこいのこったのこった&久しぶり祭り
連盟議事堂前では、インスタント・ゴーレムの群れとK&Mアゲインの魔術師達を相手に、騎士団と兵士団が激戦を繰り広げていた。
白騎士団がペガサスで上空から翻弄し、黒騎士団は遠距離攻撃を仕掛け、兵士団は大盾を構えて整列して、がっちりと守りを固めている。なるべく敵を近づけず、犠牲を出さず、防衛に徹する構えだ。
「こちらの犠牲も出ていないが、決め手も欠けている。しかし今はこの状態を維持するのが賢明だな」
戦況を見やり、ゴートが言う。ゴートの横にはマリアとワグナーがいて、すぐ目の前にはマーモとロドリゲスがいた。
それぞれの陣営の指揮官同士が間近で対峙するという奇妙な状況だが、互いにその指揮官に手出しをしようとはしない。
貴族側からすると、魔法使いマーモが何をしてくるからかわらないので迂闊に手出しが出来ない。
K&Mアゲインからしてみても、騎士団長二人と連盟議長をいきなり殺害するのは悪手だ。指揮系統を失ったからといって、敵が無力化するわけではない。むしろ彼等を生かしておかねば、降伏勧告も戦後処理も困難になってしまう。
「ゴーレムの数が多すぎる事と、ゴーレムが種類によっては耐久力や攻撃力が高いので、手こずっています」
「黒騎士団の弓矢や投擲槍もあまり効いてないな。足止めや攪乱程度になってはいるが」
マリアとゴートがそれぞれ言った。
そのゴートの傍らにいた魔術師が、ゴートに耳打ちした。
「ミヤ殿から念話が入った。白騎士団を下がらせろとのことだ」
「了解しました」
ゴートが告げると、マリアは即応じて、旗を振って部下達に指示を出した。
マリアの命令に従い、ペガサス達が一斉に連盟議事堂側へと後退する。
白騎士団が退いたタイミングを見計らったのであろう。ゴーレムが不可視の力によって次々と潰されていった。
議事堂前の芝生が、道路が、何ヵ所も巨大な肉球マーク状にへこんでいる。肉球マークの中には、ぺちゃんこにされたゴーレム達がいる。
念動力猫パンチが連打され、破壊されまくっていくゴーレム達を見て、マーモと魔術師達は慄き、ロドリゲスは渋い顔になり、騎士と兵士達は呆気に取られた。
「ふー……よりによってミヤがここで御登場か」
ロドリゲスが渋面のまま、横にいるマーモを一瞥する。
「まさか私に戦えと? 私ではとてもじゃないが、大魔法使いミヤには及ばない」
マーモは思いっきり怖気づいていた。
「一人で戦えとは言っていない。私も行くよ」
「アザミが来てくれればな……」
ロドリゲスが言い、マーモがぼやき、揃って空中を見上げた。ミヤとシモンがゆっくりと降りてくる姿が見えた。
「お出ましか」
「はっ、何がお出ましか、だ。この裏切り者めが」
ロドリゲスが言うと、地面に降りたミヤが不機嫌そうに吐き捨てた。
「おお、シモン殿下。御足労かたじけない」
ゴートが敬礼する。マリアとワグナーもその横で敬礼している。
「何の何の。おお、ロドリゲス、マーモ、お主等もK&Mアゲインについたのか」
シモンが地面に降り立ち、ロドリゲスとマーモを見てにやりと笑う。
「殿下ではないぞ。この御方は、これより陛下である」
ロドリゲスが朗々たる口調で告げ、シモンの方へとゆっくりと進む。
ミヤもシモンも、ロドリゲスの挙動をじっと見送る。
「何を言っておる?」
「まさか……」
ゴートが訝り、マリアはロドリゲスの言動に、不吉な予感を覚えた。
「我々の目的は王政と王権の復活もある。魔術師達は元々王族に仕える身であったし、王族の後ろ盾があってこその存在だった。我々の革命の大義のために、我々の革命に賛同してくれる王族が必要だ。予め要請し、了承も取ってあった。新たな王としてア・ハイに君臨するという盟約を結ぶにあたり、これほどの適材はあるまいよ。新たな王、シモン・ア・ハイ陛下」
ロドリゲスが勝ち誇ったように告げ、ゴートとワグナーは驚愕した。不吉な予感が当たってしまったマリアは、拳をきつく握りしめる。
「シモン様……貴方は! そちらにつくのであるか!」
「K&Mアゲインに与するつもりで、ここまで来られたのですか……」
ゴートが激昂して叫び、ワグナーが狼狽を露わにする。
「カッカッカッ。いい顔してるのう、ゴート、ワグナー」
それを見てシモンが笑う。
「おやおや、ワグナーが取り乱す顔は中々レアだね。マリアは相変わらず冷静沈着だけど」
ミヤもワグナーとマリアを見て、笑い声で言った。
マリアははっとした。ミヤは全くこの状況で取り乱していない。そこから導かれる結論は二つ。ミヤも敵側に寝返っているか、あるいは――
「ロドリゲスよ」
「はっ」
シモンに声をかけられ、ロドリゲスは恭しく胸に手を当てる。
「その盟約、破棄させてもらうぞ」
「え……」
シモンに告げられ、ロドリゲスは胸に手を当てたままぽかんと口を開いた。
「カッカッカッ。いい顔してるのう、ロドリゲス」
「こいつのこの間抜け面は過去何度か見てるよ」
ロドリゲスの呆け顔を見て、シモンとミヤが笑う。
想像していたもう一つの展開であったことを確認して、マリアは胸を撫で下ろした。
「ど、どういうことだ?」
ゴートが狼狽えて、同様に狼狽しているロドリゲスと、笑うシモンを見やる。
「つまりK&Mアゲインは、王族であるシモン様を神輿として担ぎあげる要請をし、シモン様もそれを口上では引き受けたものの、実際にはK&Mアゲインの言いなりになるつもりは、さらさら無かったのではないのですか? あるいは途中で気が変わったか」
「おう、拙僧は嘘をついたぞ。これで死んだら閻魔様に舌を抜かれてしまうのう。カッカッカッ」
マリアが言い当てると、シモンはおかしそうに笑いながら肯定した。
「要請された場ですげなく断るよりは、一旦引き受けた振りをした方が、K&Mアゲインの内情や目的も探れると思ってのー。しかし大した情報は得られんかったわ。そして次の王として立てる者が決まったと思った所で、拙僧がドタキャンしてやれば、それはそれで打撃になると計算してな。あの場で断れば、他の者に話がいってしまいかねん」
「確かにシモンは人選としては最適だよ。魔法使いであり、王族の血もひいている。しかしこいつの性格を考慮してなかったのは、愚かとしか言いようがないわ。シモンにはポイントプラス6、K&Mアゲインはマイナス7だよ」
「師匠、そこはもう少しばかし、ポイントに色をつけてくれてもよさそうなものですがのー。拙僧、それなりに機転を利かせたでありましょう」
楽しげに笑いながら話すシモンとミヤを見て、マーモは愕然として、ロドリゲスは小刻みに震えながら憤然としていた。
「おや、あっちも大将がお出ましのようだよ」
ミヤがゴーレム達の残骸の向こう――慄き戸惑い戦闘放棄しているK&Mアゲインの魔術師達がいる、さらに後方を見て言った。
一組の少年と少女が並んで歩いてくる。黒髪がほぼ丸見えのぼろぼろの赤い帽子と、同じくぼろぼろの赤マントを纏った小柄な少女。真っ白なとんがり帽子とマントと、それ以外の服も白で統一した、眼鏡をかけた小柄な少年。
「わぁい、ミヤ、久しぶりぶりーん」
「よう、ミヤ。それにシモン。元気してたかァ?」
シクラメとアザミが無造作な足取りで接近し、ミヤに声をかける。
「シモンが我々を謀っていた。こちらにつくと見せかけて――」
「ふん、説明するまでもない。此奴等は魔法でこっそり聞いておったよ。お前達は気付かなかったのか?」
報告しようとしたロドリゲスだが、ミヤが嘲笑気味に遮った。
ロドリゲスとマーモの横まで進んで、アザミとシクラメが立ち止まる。
「アザミ、不安にならないで。まあシモンが駄目でも、代役候補はいるから大丈夫だよう。シモンが適役だったんだけどねえ」
「別に不安になんかなってねーよ。ふざけたことぬかすな、糞兄貴」
「あはは、アザミは強がりさんだなあ。お兄ちゃんにはお見通しだよう」
「刺すぞ」
(変わらんのー、この二人は)
兄妹のやり取りを見て、ミヤは懐かしそうに目を細めた。
***
ケープとの戦いでダメージを負ったスィーニーは、ケープから離れて、ユーリとノアのいる方へと下がる。
ユーリはすぐにスィーニーの傷を癒しにかかる。
「ああ、こないだ会った偽善者の医者だ。久しぶり。しかもK&Mアゲインだったんだ。笑わせてくれるね」
ノアがケープを見て、悪意に満ちた笑みを浮かべる。
「俺に説教したあれは何だったの? こんな馬鹿騒ぎ起こす自分の方が悪だとは思わないの?」
ノアが揶揄するが、ケープは無言だった。
「久しぶりだな、怒りん坊の少年。大魔法使いミヤの弟子で、名はユーリ・トビタだったかな? 私が贈った絵は気に入って頂けたかな?」
ジャン・アンリがユーリに声をかけるも、ユーリは無言でただジャン・アンリを見据える。
「知り合い?」
「まあ一応……」
ノアがユーリを見て問い、ユーリは小さく頷いた。
「ケープ先生、ゴート団長から聞きました。父上に薬を盛ったのは――いえ、父上だけではなく――選民派の貴族達に薬を盛って操ったのは、ケープ先生ですね?」
アベルが悲しげな顔で、ケープを問いただす。
これはアベルの中で芽生えた、非常に悪い想像だった。しかし状況からして、そうとしか考えられなかった。それでもケープには否定してほしかった。
「そうよ。薬に加え、魔術でも暗示をかけてね」
しかしケープはあっさりと肯定した。
「それが真相ですか……。ケープ先生、父の心が良くなる薬と称して、ますますおかしくなる薬を投与し続け、私の父を壊していたのですか。父の状態が悪くなることを憂う私に、先生はいつも励ましの言葉をくれる一方で、他ならぬ先生が父を壊していたのですか」
父親が壊れた真相がケープだと知り、アベルは泣きそうな顔で膝をついた。
「アベルさんの父さんがあんな風になった原因が、ケープ先生だったなんて……」
ユーリが愕然としてケープを見る。
「そんな人だったんだ……。そんな腐れ外道だったんだね。ケープ先生……」
「笑っちゃうよね。うふふ」
スィーニーが怒りを露わにし、ノアは心底おかしそうににやにや笑っている。
「父が少しずつ壊れて行くのを見て……私がどんな気持ちだったか……。それが全部……先生の仕業でしたか。そんな先生を私は頼っていた。自分の馬鹿さ加減が腹立たしいです。悔しいです……」
「アベルさん……」
泣き崩れるアベルの肩に、ユーリが手を置く。
「酷いよ……。ううう……あんまりだ……うっうっ……」
ついさっきまでにやにや笑っていたノアが、突然嗚咽を漏らした。アベルの話を聞き、彼が泣き崩れる様を見たら、急にひどく悲しくなって、涙が溢れ出した。
「え? 何でこの子泣いてるの?」
スィーニーが驚いてノアを見る。
「もらい泣きみたいだけど、もしかしてノアって涙もろい?」
「泣いてないっ。目にゴミ入っただけっ」
ユーリが指摘すると、ノアは涙をぽろぽろ流しながら否定する。
「ゴミ入っただけでそこまで泣かないよう」
「鼻水も大量噴射してるじゃんよ」
チャバックとスィーニーが指摘する。
「悪いことをしている自覚はあったわ。でも大義のためにやむなく……」
「大勢の人間を傷つけておいて何が大儀だ! 大儀だと言い訳すれば何やってもいいのか!」
ケープの言い分を、ユーリの怒号が遮った。
「ケープ、気に病む必要は無い。堂々としているんだ。所詮相手はゴキブリと同じ貴族だ。そう割り切れ」
ジャン・アンリが力強い口調で告げる。
「前にもそれ言ってたね」
貴族の子供まで虫の中に混ぜられていた光景を思い出し、ユーリはさらに強い怒りを覚え、ジャン・アンリを睨む。
「あらあら、貴族相手なら何してもいいっていうの~ん?」
ブラッシーが笑顔でジャン・アンリに問う。
「いいぞ。害虫に情けは不要。ゴキブリを甘やかしてほったらかしにして、家をゴキブリだらけにしてどうする? 現在のア・ハイが正にそのような状態だと言っておこう。理解してもらえたか?」
「理解できるわけないでしょっ!」
「自分の正義を微塵も信じてない輩か? 厄介だねえ」
イリスが叫び、ランドがアイパッチを掻きながら苦笑していた。
「ええ、大丈夫です。ジャン・アンリ。私の心は揺らぎません」
ケープが毅然たる面持ちで言い切る。
「私は自分の正義に一片の迷いも疑念も抱きません。これは間違いなく正しいことです」
「ふざけるな!」
激昂したユーリが怒号と共に魔力を解き放った。ケープの体に魔力の奔流が直撃し、ケープは空中を何回転もしながら吹き飛ぶ。
ケープも魔法で防御しようとしたが、ユーリの力の方が上回っていた。
スィーニーとの戦いでやや消耗していたこともあるが、魔道具の力で魔法使いになれたてのケープと、長年魔法使いとしての修行を積んできたユーリとでは、大分差があった。
「ケープもそろそろ限界のようだな」
「おおっと、浮気は駄目よーん」
ジャン・アンリがケープを助けようとするが、ブラッシーに邪魔される。ジャン・アンリの足元から、水色の炎柱が出現して、ジャン・アンリの体を包んだ。
吹き飛んだケープに、憤怒の表情のユーリが連続で魔力を叩きこむ。
ケープは空中でボロ雑巾のようになりながら、攻撃を受け続けていた。反撃や防御する力が残っていないわけではないが、魔法使い相手の戦いはこれが初めてだ。魔法と魔法の戦いには慣れていない。最初の一撃で思考が吹っ飛んで隙を作ってしまい、そこから連続攻撃を許してしまっている。
地面に落下したケープ。自動的に体の再生が始まるが、意識は失っている。
怒り任せにユーリは、ケープにとどめを刺そうとする。
「ユーリ! やめて! それ以上ケープ先生を叩かないで!」
チャバックが大肥で叫び、ユーリを止めた。
「チャバック、そいつはとんでもない悪人なんだよ。しかも自分がしていることを悪だと認めず、善いことだと信じているから、悪にブレーキが効かない極悪人なんだ。人が傷つくことも簡単に無視できる、凄い悪人なんだよ」
ユーリは怒った顔のままチャバックの方を向き、まくしたてる。
「ケープ先生が悪人なのはわかったけど……それでも、オイラの面倒を見てくれた人なんだ……。お願い……ユーリ。ケープ先生を殺さないで……」
泣きながら懇願するチャバックだが、ユーリの怒りは収まらない。
(ユーリ、落ち着いて)
ユーリの頭の中に宝石百足の姿が浮かび上がり、柔らかな女性の声がかかる。
(落ち着け? 落ち着けって何!?)
ユーリはそれでもなお怒りが覚めない。
「駄目だよ。チャバックの頼みでも聞けない」
きっぱりと言い切り、ユーリはとどめを刺そうとする。
スィーニーはそれを無言で見ていた。チャバックには悪いと思うが、スィーニーもユーリと同じ心境だ。にケープに激しい怒りを覚えていた。
「どすこーい」
突然ノアが、ユーリに横から張り手を見舞う。
「どすこいどすこいどすこーい。のこったのこったのこったー」
「ちょっ、痛っ、何するのさ、ノア」
張り手をし続けるノアに、ユーリが戸惑いの声をあげる。
「これは東洋のスモウという競技の技で、張り手って言うんだ。この場面、怒りで暴走する先輩に、ビンタして目を覚まさせる展開かなって思ったけど、先輩の顔を引っぱたくのは抵抗あったから、どすこいどすこいのこったのこったにした」
「どすこいでも痛いよ……」
怒りがかなり覚めて、ユーリは抗議する。
「先輩が暴走してどうするのさ。この偽善者糞女に怒っていいのは、そこにいるチャバックと、父親をヤク漬けにされたアベルって人と、以前ムカつくこと言われた俺だよ。先輩が俺達の怒りに感化されるのは仕方ないにしても、怒り任せに何でもしていいのは先輩じゃない。俺達だ」
ノアにこんこんと諭され、ユーリは完全に落ち着く。
「ノアがケープ先生に何言われたか知らないけど……そこにノアを並べていいの?」
「それが一番大事」
ユーリが微苦笑を零し、ノアもつられるように微笑んだ。
「何はともあれ、先輩が暴走したら止めるのは俺の役目。婆にそう言われて指切りげんまん……あ、やばい。これは言っちゃ駄目なんだった」
「師匠が……そっか……」
ノアの言葉を聞いて、ユーリは自分が恥ずかしくなった。申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
(私じゃ止められなかったけど、ノアが上手いこと止めてくれたわね)
宝石百足――セントが頭の中で溜息混じりに言う。
(ごめん、セント……。僕、おかしいのかな? 一度頭に血が上るとどうしょうもなくなる……)
罪悪感にも似た気持ちを抱き、ユーリは祈りを捧げる。
(神様、僕のすぐ感情的になる癖、出来ればどうにかしてください。自分でも持て余しています。ブレーキがかかるようになってください)
(神様にお願いではなくて、自分で制御できるよう努めましょうね)
祈るユーリに、セントは釘を刺した。
「ブラッシー、不利じゃない?」
ノアがブラッシーとジャン・アンリの戦いを見て言った。
「確かにブラッシーさん……押されてる。加勢しよう」
「らじゃー」
ユーリが両者の戦闘を見て移動し、ノアもユーリについていく。
「二人共気を付けて、この人、使役する虫達に魔術を使わせるのよ。同時に幾つもの魔術を発動させるし、そのうえ魔法まで使えるわ」
自分の側にやってきて、加勢する構えのユーリとノアを見て、ブラッシーが注意を促す。
「何それ凄い」
ブラッシーの注意を聞いたノアが、ジャン・アンリを見て目を輝かせる。
「しかも秘めたる魔力の量も底知れずよ。控えめに言って怪物だわん」
「人喰い絵本で、魂の横軸の同じ自分と融合して、それで強くなっているっぽいです」
ブラッシーの話を聞いたユーリが報告した。
「それって強くなれるんだ」
ユーリの話にも興味を抱くノア。
(俺も人喰い絵本の中にいる、魂の横軸の俺と融合すれば強くなれる? 魔王に近づける?)
状況そっちのけで、捕らぬ狸の皮算用に思いを馳せるノアだった。




