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駐屯地


「どういう事ですか?5歳になったら魔法と剣術どちらかを選ぶのではないのですか?」


「そのことなんだが、うちの家では基本的に剣術を教えていた、しかしながら最近の魔法の発展は目を見張る物がある。

 だが国軍大臣の家の嫡男が剣術しない理由にもいかない。

 だったら両方やらせたらいいじゃんってなった次第だ」


 馬鹿なのか!?


 最悪だ、なんで俺が剣術なんか…  

 絶対に痛いじゃん。


 確かに前世の軍学校時代も多少の痛みを伴う訓練はあったが、木の棒でぶっ叩かれる物なんて無かったぞ…


「いいなー私も両方やりたい!!

 アルだけどっちも出来るだなんて許せないわ!!」

 

 また人外がなんかいってるぞ…


 良いものか、両方やるという事はその分大変になるということだ。


「という訳でアルベルト、明日から俺と一緒に駐屯地へ行くぞ、お前の師範は決めてある」


 そしてせっかくの俺の5歳の誕生日会は苦い思い出として俺に刻まれた。


 ――次の日父さんに連れられて始めて国軍の駐屯地に来た、外見は前時代的な砦の様な高い壁が有る。

 だがその壁には一切の武装が付いていなく門も開け放たれており防衛能力は低いように思えた。


 砦の周りでは兵士のような人たちが重装で、列を作り行進をしていた、しかしどこかに向っている訳では無く、ただ無為に駐屯地の周りを回っているだけだった。


 寸分違わす行進する隊列から一人が遅れ始め、膝から崩れ落ちてしまった。


 すると教官らしき人が駆け寄っていった。


 あの人はここで脱落か救護室にでも連れて行くのか?


「おい、立ち上がれ!こんなんで堪えている、弱い奴はいらんぞ!

 さっさと荷物まとめて帰りやがれ!」


「嫌です!」


「帰れ!」


「嫌です!」


「続けるのか?」


「はい!」


「じゃあさっさと立て!」

 

 エゲツねぇ…


「父さん、何であの人達はずっと同じ所を回っているのですか?」


「ああ、あれはな今年入隊した新兵だな、入って来て間もないうちは、ああやって体力をつけるために歩かせるんだ。

 戦場では長い間歩けない兵士なんて使い物に成らないからな。

 だからこうして新兵の頃にこうやって訓練をするんだ」


「ちなみに、どのくらい歩かせるんですか?」


「ええっと、たしか歩きでは八時間、小走りで二時間だったはずだ」


 歩きでは八時間小走りで二時間…恐ろしい。


「お前もあれくらいの年に成ったらやるんだぞ?」


「え?」


「え?じぁあ無いだろう、同じ経験をしなくては分からない物だってあるし、他の兵士の体力の限界を知っておけば将来作戦を立てやすくなるだろうしな。

 お前だって椅子の上でふんぞり返っている上官の命令を聞きたいと思うか?俺は聞きたくないね!」


 いや、前世ではそうやって安全圏で命令を出している奴らの命令を聞いていたから、特に不満は持たんが。


 確かにこの時代では大将が先頭に立ち率いているだろうし、頭でっかちではいけないんだろう。


 けどあれかぁ…


 しかし、頭では分かっていてもやりたくないものは有る!!


 どうにかしてやらなくて済む方法はないのだろうか?


「ほら喋ってないで行くぞ、今日の目的は視察じゃ無いからな、と言うかお前はこの駐屯地で剣術の訓練するのだから嫌でも毎日見るようになるぞ!」


 最悪だ… 



 

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