大事なことを話すよ
放課後、僕は久々に万実音の家に行くことになった。
柴崎も来るらしい。
この流れは久々にぬいぐるみ作り大会の流れかなって思って万実音の家をピンポンすると、万実音が出て来た。
「はいおじゃまします……」
「どーぞ。いつも通りの万実音んちです」
僕は万実音の部屋に万実音と入った。
「今日はちょっとお伝えしたことがあって信頼の置ける真斗とえりかを呼びました」
「おお、そうかよ」
「えりかあとちょいで来るから待っててねー」
「はい」
万実音は一瞬だけ改まっていたのをすぐに崩していた。
しかし、何か相談事があるのではないかと思う。
まあそれが何かはよくわからないので、柴崎を待つことにしよう。
「それにしてもあれだな。海の生き物系ぬいぐるみ多いな」
「まあね、どれも超可愛いしそれぞれに出会った時からの思い出があるよー」
「柴崎もぬいぐるみめっちゃ大切に部屋に置いてるんだよね?」
「えりかはねー、昔学校に行けてなかった時に元気づけてくれてたうみがめのぬいぐるみを大切にしててね、それだけじゃなくて他にも色々幅広く大切にしてるよ……あ、えりかかな?」
窓の外に柴崎が見えたのか万実音がインターホンはまだ鳴ってないけど立ち上がった。
「それでは、ちょっと今から私話すね」
「はい」
「うん。聞くね」
僕と柴崎と万実音は三人で丸というか三角になって座っていたが、万実音が立ち上がって部屋の隅の箱を持ってきた。
「あのね、今日えりかと真斗に訊かれたからもうわかってると思うんだけどね」
「……」
今日訊いたことって……たぶんパンツのことか。
柴崎も訊いたのか。僕が万実音がパンツ好きかどうかを訊いたから、何があったのか気になって万実音に直接その話を出したのかもしれない。
とにかく、今からほぼほぼ、パンツの話が始まる。
てことはまった。目を閉じないと。
あの箱の中には男子高校生は見たことが基本ないけどチラリと見えてしまうかもしれないパンツが……。
しかし万実音はもう蓋を開けてしまっていて、あ、たくさんの種類のパンツがあるな……。
「私、結構パンツが好きになっちゃって、ぬいぐるみと同じくらい魅力を感じてるの」
万実音は恥ずかしそうにパンツたちを見つめながら言った。