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4/10

パンツと違ってまじめな結果

 僕はまたポニーテールに戻している万実音を見ながら、部屋の隅の缶に手を入れた。


 とったのは万実音の好きなマスカット味のあめだ。


「あげる」


「もらうー」


 僕はマスカット味のあめを万実音に投げて、それから色々なお菓子を出して丸い低い机の上に置いた。


 その時ちらりと万実音を見てみる。

  

 何も起こらない。何も見えない。見えるのはあめを舐めていて舌を少し見せている幼馴染だ。


 僕は万実音に何かを渡した時に別の何かが見えるのだと思った。


 だけどそういうわけでもないようだ。


 どういうことだろう。


 ジンベエザメのぬいぐるみとヘアゴム。


 それとあめの違いはなんだろ。


 ……もしかしたら、万実音のものか、そうでないかの違いかもしれない。


「なあ、万実音」


「ん? ばりばり」


 もうあめを噛み始めた万実音に僕は続けた。


「今から心理テストするからさ、万実音のものなんか貸して。なんでもいいから」


「なに? なんかネットでそういうの見たの?」


「えー、あ、まあ見たんだよ。そう。占いみたいな感じ」


「わかった」


 万実音はあめを砕き終わってからチョコを口に入れ、鞄をごそごそし始めた。


「えーとじゃあこれでいい?」


 万実音が取り出したのは……なにそれ。


「これは……クリーム?」


「日焼け止めクリーム。体育があるときは塗ってるの。焼かないようにするの大変だよ。わかったら尊敬を全身で表現するポーズでうけとってね」


 僕はそれを少していねいに水をすくう感じで受け取ってから眺めて、


「はい」


 万実音に返した。


 すると見えた。


 これはなんだ? イヤホンだ。


 割とよく万実音が使っているのをみるイヤホン。そんなに高いやつじゃなかったきがする。


「なんかわかったの?」


「……一つ聞いていい?」


「うんどーぞ」


「日焼け止めクリームと、イヤホンってなんか関係性ある?」


「イヤホン? イヤホンがどうしたの? それが心理テスト?」


「え、あ、そうそう。それでわかることがあって」


「へー、そうなんかいですか。うーん。なんかどっか行ったら割と困る? まあ最悪なくても学校生活送れる的な」


「あー。なるほど」


 じゃあその二つには、学校生活でまあまあ重要なアイテムという共通点があるのか一応。


 僕はもう少し試してみようと思った。


 だからもうちょい心理テストしたいって言って万実音に付き合ってもらった。


 するとこんな感じ。


 定期券だと財布が見える。


 消しゴムだと付箋。


 校章バッジだと上ばき。


 結果をまとめると、今朝のパンツは一体なんだったんだろうってくらいの真面目っぷりだった。

お読みいただきありがとうございます。そろそろ主人公も能力がなんであるかわかりそうですね。


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