パンツとシャーペン
一緒にゲームをしていても、楽しい時間が流れることはそうなんだけど、お互いほぼ動かずに画面に集中しているだけなので、マジで何も起こらない。
万実音はだらんと座っていて、太ももはクッションと協力してむちむちさをアピールしている。
しかし、その程度では僕の能力は発揮されないようだ。やはりおっぱいの破壊力を体感するか太ももをなでなでするかくらいしないとダメかな。
「休憩しておやつにしようよ~」
「そうだな」
気が付けば画面を見ている時間が長かった。僕たちはゲームを終わりにして、僕は伸びをし、万実音はポニテの髪を下ろしてリラックス。
「トイレお借りします~」
「はいはい」
万実音がトイレに行っている間、僕は考えてしまった。きっと万実音は水色のしましまパンツを下ろしているところだろう。
だめだ。変態すぎる。パンツのことをこんなに考えた日は初めてだ。だいたい、僕は太ももとおっぱいが好きなのであってべつにパンツはどうでもいい。
しかし、仮設の検証はしたい。
万実音がトイレから戻ってきた。僕もトイレに行きたかったのでトイレに行った。
トイレを済ませて手を洗って部屋に戻る途中、水色のヘアゴムが落ちていた。たぶん万実音のだった。
さっき髪を下ろしていたからな。
その時にヘアゴムをポケットにでも入れて、それで、トイレに行くときか帰るときかに落としたのだろう。
僕はヘアゴムを拾って、部屋に戻った。
「万実音、落としてたよ」
「あー、ほんとだありがと」
僕は万実音にヘアゴムを手渡した。
その時。万実音の手に、シャーペンがあるのに気づいた。
「え、万実音勉強してたのかよ。明日小テストあったっけ」
「なんのこと? 勉強なんてしてないよ」
「じゃあなんでシャーペン……」
僕はそこまでしか言えなかった。
シャーペンはなくなっていた。万実音の手のひら上に、水色のヘアゴムが乗っている。
なんだ今の消えたシャーペンは。
しかし、これは結び付く。消えたパンツと。
ぬいぐるみを渡した時、ぬいぐるみを置いた万実音の頭の上にパンツを見た。
ヘアゴムを渡した時、万実音の手の上にシャーペンがあると思った。
この二つの不思議なことは、きっと同じ仕組みで起こったんだ。
お読みいただきありがとうございます。
この話、主人公が能力をどういう風に使うかによって話の雰囲気が変わりますよね。どういう話になるんでしょう。