僕は女の子のはいているパンツがわかるかもしれない
僕にしか見えてないとしたら、いきなりパンツの話を始めた変な人だと思われてしまう。
そうすると人権がなくなったりして困るかもしれないので、僕は抱きつかれ終わった後、何もパンツの話はせず、自分の席に戻った。
授業が始まる直前。万実音を見てみると、パンツは頭に乗ってなかった。
いつ消えたんだろうか。
抱きつかれて色々興奮して幻覚が見えちゃったのだろうか。
わからないけど、今特に万実音の頭に何も乗ってない以上、考えを進めることはできないなと思った。
いつも通り授業を受けて、放課後もゆるくテニスをして帰ってきた僕は、万実音からのメッセージをスマホで受け取った。
「今から遊び言ってもおっけっけのけ?」
「いいよ」
僕はそう返した。幼馴染とはいえ、万実音は女の子だ。だから結構気軽に遊びに行ったり遊びに来たりする関係とはいえ、二人で部屋にいると、まあ……考えてしまうことがある。
そしてそれは、幼馴染の上にパンツを見た僕が望んでいたことだった。
僕は仮説を立てていた。
僕には能力が開花したのだと思う。
その能力の正体は、女の子の履いているパンツがわかるという能力だ。
そしてそれは、僕がエロいことを考えている時にのみ現れる。
つまり。
万実音がいつものノリで遊びに来て、そして馴れ馴れしくくっついてきたりしたら。
その瞬間に、僕は万実音の上にパンツを見る。
そういうことだと思う。
ぴんぽん!
インターホンがなった。うちのインターホンは心なしか張り切っているような音がする。
「あそびきたー!」
万実音を家にあげて、僕の部屋に二人で行った。
「ゲームでもする?」
幼馴染になんかよくないことを期待している気がしてしまって、僕はいつものようにゲームに誘ってしまった。
「しよー!」
万実音がジンベエザメのぬいぐるみのついた鞄を置きながら答えて、僕たちはいつも通りゲームをはじめた。
しかしこれだといつも通りすぎて、僕の仮説を実証する機会がない。
ラッキースケベ的なことが起きることを願うしかない。何か起こってほしい。