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朝
朝が来た。
みのりはパジャマからジーンズとTシャツに着替えると、朝食を作った。
と言ってもオムレツとパンとコーヒーという簡単なものだった。
「さてと、チョコレートの仕込みをするか」
そう言うとコックコートを身にまといキッチンに立ち直した。
しばらくするとドアがコンコンとノックされた。
「レミです。こんにちは」
「どうぞお入りください、レミ」
そう言うとみのりは、チョコレートの用意をやめて玄関へ向かった。
「こんにちは」
「レミ、今日は何か予定ある?」
「いいえ、どうして?」
「実は町を案内して貰いたいと思って」
「お安い御用よ」
レミはそう言うと笑った。