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パフェ
「で、どうすれば俺は帰れるんだ」
「帰れないわよ。あなたは私のチョコラティエだもの」
嬉しそうにパクパクとパフェを頬張るお嬢様に、俺は懇願した。
「店が潰れちゃうよ、家に帰してくれよ」
「嫌よ。こんなに美味しいものが食べられるのに返すわけないじゃない」
お嬢様は早くもパフェを食べ終えると、「ごちそうさま」と満面の笑みを浮かべた。
あまりの可愛らさに少し胸がときめいた。
バンガロー風のこの一軒家も居心地は悪くない。
俺はしばらくここで過ごすことになりそうだとため息をついた。