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1-4

「ダメだ出ない」

 リチャードは携帯電話でアイラに掛けたが出ない。

 幸造はリチャードの目の前に突然出てきた細長いモニターが携帯電話だという事に驚いていた。

「何いまの? ケータイなの? 俺にも出来る?」

 なんだかスゴイ技術に興味津々だ。

「どうだろう、出来るんじゃないか?」

「良し、やってみる」

 幸造は呼吸を整え大声で言った。

「ステータスオープン!」

 何も出ない。

「なんだいそれは?」

「いやスマン、やってみたかっただけだ」


 さっきリチャードが使っていたケータイを思い浮かべながら前に出した手をスッと横にスライドさせてみた。するとそこにケータイが現れた。「うおー、スゲー!」と興奮している。手に持とうとすると、実際は持てていないのだが、持っている様な手の形に合わせて位置が自在に移動しているのである。

「何これ? カッケー!」

「丁度良かった、登録しておこう」

「するする!」

 興奮しすぎだと思うが、男はいくつになってもこういったメカが好きなのである。




 2人は大きな公園の前に来ていた。興奮した暴走娘が頭を冷やすには丁度良い場所だろう。

「ここかもな、ふた手に分かれて探してみよう。俺は左回り、コウゾウは右から探してくれ」

「ああ、任せてくれ」

「何かあったらケータイで連絡してくれな」

「分かった」

「コウゾウが先にアイラちゃんを見つけても怒らせないように頼むぞ」

「……頑張るが、約束は出来ないよ」

「大丈夫、出来るさ。じゃあ後で」


 ここハッブル記念公園は約400メートル四方でコロニー最大の広さだ。400メートル四方というと一見狭そうだが、土地に限りのあるコロニーにおいてこの広さはかなり贅沢な公園といえる。園内は池や林、人工的な起伏もつけらており芝生や苔に覆われた綺麗な公園である。散歩やジョギングはもちろん、ベンチで読書している人や芝生で体操、昼寝など様々な人が集まっており、市民の憩いの場となっている。


 アイラ捜索を開始する幸造。これだけ人がいれば誰かアイラを見かけているかも知れない、そう考えた幸造は辺りをキョロキョロしながらアイラを見ていそうな人を探す。丁度正面から犬を散歩させている女性が歩いて来た。

「あの、すいませ……うわぁ」

 声を掛けようとしたところ、女性が散歩させていたゴールデンレトリバーに押し倒されてしまう。

「ハフハフハフ」ベロベロベロ

「ぶわぁ!」

 幸造は顔をベロベロ舐められ、足で踏みつけられ、尻尾でバフバフ叩かれた。

「あらあら、ごめんなさい」

 女性が犬を落ち着かせてくれた。

「いえ大丈夫です。人懐っこい子ですね」

「人間大好きなのよ~」

 そう言って犬を撫でた。

 仕返しだとばかりに幸造もモフモフを撫で回してやった。

 ベロベロ攻撃に返り討ちにされた。


「人を探してまして。白いワンピースを着た若い女性なんですが、見ませんでしたか?」

「んー? あっ! あの子かしら? この先の林の中に小さな噴水があるんだけど、そこに女の子がいたわね。背もたれのあるベンチに座っていたから白いワンピースかは見えなかったけど、あの子じゃないかしら?」

 その方向を指しながら教えてくれた。

「そうですか、行ってみます」

「あ、お兄さん。これあげるわ。服を汚しちゃったお詫び」

 女性は小袋に入った飴を2つ手渡してくれた。

「ちゃんと仲直りするのよ」

 喧嘩した恋人を探していると思っているのだろう。否定すると話しが長くなりそうだ。

「あ、はい、ありがとうございます」

 幸造は貰った飴をズボンのポケットにしまい、お礼を言って教えてもらった方へ歩き出した。

読んで頂きありがとうございます。

頑張って更新していきますので宜しくお願いいたします。

感想等々ご自由にどうぞ。


モフモフ回

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