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ドンッ!!!
坂井幸造はトラックに轢かれた……はずだった。
トラックは暴走もしておらずゆっくりと走っていた。そのトラックの目の前に突然幸造が現れた、だがぶつかる前にしっかりと停車している。幸造はぶつかりそうになった所で自分で後ろに飛びのき、派手に転げ回った挙句パタリと動かなくなった。
「おい! お前大丈夫か?」
慌てて出てきた運転手が幸造に声を掛けるが返事が無い、目立った外傷も無く運転席から見ていた感じ頭部をぶつけている様子は無かった、どうやら気絶しているようだ。頬を軽く叩いたり、身体を揺さぶってみるが一向に目を覚ます気配が無い。
「まいったなぁ」
運転手は頭を掻きながら困った様子で呟く。まだ仕事が残っているようだ。
「しかたない……」
そう言うとトラックの助手席に気絶している幸造を座らせ、ゆっくりとトラックを走らせた。
「うぅ~ん……アイラたん、ぶちゅうぅ~」
嫁(抱き枕)にキスをする要領で無意識に抱きしめてキスをしようとする幸造。
「きゃあ!」
バキッ!
幸造は顔を殴られた、グーで。
「ぐはっ!」
「急に何するんですかっ!」
慌てて怒った女の子の声が幸造を攻め立てる。
「ちょっとあなた失礼ですよ! 破廉恥ですよっ! 初めて会った女の子に、こ、こんな事をするなんて……ダ、ダメなんです~~!」
ボカッ!
もう一発殴られた。
「痛っ! ちょっ痛いって、叩くなよ」
「叩かれる様な事をするのがいけないんです~><」
ポカポカポカと叩く女の子。
字面は可愛く表現しているが一発一発が非常に重く、ドスンと身体に響く。
「す、すいませんでした……勘弁して下さい……」
幸造はボコボコにされていた。
「もうこんな事したらダメなんですからねぇ~!」
女の子は顔を赤らめながらポカポカポーズでぷんすこしている。
防御するのに必死でよく見えてなかったがかなり可愛い子だ、それどころか幸造の嫁である『おさ転』のアイラにそっくりなのだ。
セミロングでゆるふわカールのかかったふわっふわの少し明るい茶色い髪、左のこめかみのミニ三つ網、澄んだ緑の瞳、背の高さは160cm程で細身だが出る所はしっかり出ている。
黒の七分丈のレギンスに黒のパンプス、小さな花柄の刺繍が入った白い木綿のワンピースを着ている。
『おさ転』の設定では14歳だがこの子は20歳前後、成長したらきっとこんな感じであろう。
「!? アイラたん……?」
恐る恐る聞いてみた。
「ひっ! なんで私の名前を知っているんですか? 『たん』って何ですか~?」
一歩引かれた。
「あの、同じ名前でキミにそっくりな子を知ってたんで、間違っちゃったみたいです。いや~まさか名前まで同じなんてね、ビックリです、あはははは……」
引かれた事で幸造はしどろもどろになっていた。
「そっくりだからってアイラたんな訳がないですよね、アイラたんはそんな怪力で人を殴らないし、第一こんなに年取ってないも……がはっっっ!」
一歩引いてあった為に腰の入った強烈な拳が幸造にクリーンヒットした。
幸造は吹き飛び、さっきまで寝ていた大きめのソファに打ちつけられた。
幸造はまた気絶した。
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あまり細かい部分は気にせずにテンポ良く勢いで誤魔化す作風。未熟とも言う。そんな作者です。