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第3話 神聖なる隣人

「ぬぁ〜〜、にしてもほんっと、ミスった〜〜!!」

 ギルド集会所の食事処でうなだれる。

「いやもう、引きずり過ぎですよ!」

エマは呆れ気味に言う。


「いやだってさ、今日結構ヤバかったじゃん?午前中は自分の魔法で自爆して、午後は暴走しかけるって……」

「午前中のはちょっと……アレですけど、でも暴走するのしょうがないです。今日初めて力を使ったんですし、そうならないために私がついているんですから。……それに私だって本気を出すと、気性が荒くなりますし」


今、午前中はアレって言ったな、内心結構馬鹿にされてたなこれ。にしても、優しいエマの気性が荒くなるか……どうなんだろう、すげー気になる。


「えっ何それ超見たい!ちょっと本気出してくんない?」

「もう!怒りますよ!」

「計 画 通 り」

「と・に・か・く!今日の反省を踏まえて明日はスパルタで行きますよ!!」

「調子に乗ってすいませんでした」

 腹ごしらえを済ませ、俺達は解散する。ちょっと残念に思いつつ、悪ふざけが過ぎた。でも、気になるなぁ。


 〜〜〜〜〜

「あっ」

 宿屋の入り口で、エマを付け狙っていた、光の騎士団の女性と出会う。


「む?何か用か」

ヤベッ、思わず声に出てしまった。慌てて言葉を取り繕う。

「あ、いや〜、今日ギルド集会所にいたな〜と思って」

「あの時いたのか。確か君は……ササガミという人物で合っているか?」

「え!?」


 俺はこの人に名を名乗っていない、どころかまともに喋ったことがない…ま、まさか、エマのことを嗅ぎ付け、俺の存在まで知られている!? もしかして、隣の部屋にいたのも偶然じゃなくて、いつでも捕まえられるように……


「え、えっと、何で俺の名を……ご存知何ですか?」

勇気を振り絞り、恐る恐る聞いてみる。


「冒険者として登録したその日に、タイラントウルフキングを倒した者達がいると。その名がササガミ・センとエセ・マルエツ、そうギルドでは話題になっていた。その冒険者との特徴が似ているから、君だと判断したんだ。驚かせてしまったなら、すまない」

申し訳なそうに答える。


どうやら気づかれてるわけじゃなさそうだ。エマは偽名でも使ってるのか?にしてもエセ・マルエツて……


「あはは、倒したのは俺じゃなくて、連れのもう1人何ですけどね。」

「何?タイラントウルフキングを1人で?是非立ち会ってみたいものだ。そのエセっていう人を紹介してはくれまいか?」


「あ、いや!そ、その人は極度の人見知りなんで、なかなかそいうのは許してくれなくて…」

「そうか……それは残念だ」


あ、危ねぇ。結局バラす原因になるとこだった。


「えっとあなたの名は?」

「私はセイバ・エンリヒトと申す。そなたの隣人でもあるな、よろしく頼む」


隣人……神聖そうな騎士団の人があの格安宿にってのが気になる。それに闇の力を取り締まれてるとなると、緊張する。


「…あなたは光の騎士団の方でしょ?そんな人がどうしてこんな格安宿に?」

「私達の旅は、国の税金、行く先々の住民の援助で成り立っている。余計な贅沢は無用だ」

「うわ〜、素晴らしい心がけですね〜」

うわ〜クッソ真面目やんこの人。バレたらまずそうかも……


「む?君も剣を使うのか?」

「あ、えぇ。といっても今日買って、初めて使ったので腕前はとてもとても……」

「それなら私と稽古をしないか?丁度体を動かそうと宿から出たのだ。剣なら多少、手ほどきができる」


まさかのお誘い。でも、武器の扱いについてはまだ何も知らないし、ゴブリン戦は知恵を使って上手くいっただけだしな。こういう技術面を磨ける良い機会かもしれない。上達してエマを驚かせてやろう。


「本当ですか! 是非お願いします!」


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