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第1章 少女と闇の力 プロローグ

「おい! どうしてそんな簡単に目を開ける のを諦めてしまうんだ! もっと熱く起きろよ!!」

  ベッドから少し離れたテーブルの上にあるスマホからアラーム音が鳴り響く。


あぁ……もう朝か


 笹上 千(ささがみ せん)、23歳、フリーター。 アラーム音で目が覚めるも、眠気でまた意識が遠のいていく。


「おい! どうしてそんな簡単に目を開ける のを諦めてしまうんだ! もっと熱く起きろよ!!」


うざっ。


 自分で選んだアラーム音だが、リピートし続けるとうざったい。仕方なくベッドから上半身を乗り出し、テーブルの方に手を伸ばす。しかし届かずにベッドから落ちてしまう。


いてて……あれ? 俺の部屋畳なんだけど床が硬ぇな。


「おい! どうしてそんな所で寝てるんだ!大丈夫か!」


 アラーム音とベッドから落ちた衝撃によってセンのイライラがピークに達し、


「うっっっっさい!!!」

 スマホの方に怒鳴り付けると1人の男が心配そうな顔をして立っていた。


誰っ!? そう驚いている間に男は

「そんな……なんかごめんなさい……」

と言って悲しそうに去っていった。


「あっ! 待っ、ごめんなさ」

 戸惑いながらも罪悪感を感じて謝罪をしようするが、周囲の光景が目に入り絶句する。


  レンガの街道に人や、犬っぽい顔をした全身毛だらけの二足歩行生物が行き交い、馬や見たことない生物が馬車を引いている。


「なっ、これって異世界!?」

ってことは俺は転生した……えっ待って俺ベッドから落ちて死んだのか!? いや流石にそんな感覚じゃなかったし、寝巻きのまんまだ


それなら異世界召喚? まさかさっきのおっさ

んが召喚して!?……いや流石にそれはないか


ま、何はともあれ異世界!! バイト生活から抜け出して冒険! とりあえず冒険者ギルドみたいなとこ行って、装備整えて、モンスターのバトル、これから俺の物語が!!


異世界に来たという高揚感にかられ、センは街の探索をしながらその場を後にした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「詰んだ」

 ボロボロな姿でギルド集会所内の隅に座り込み、ぽつりと呟く。

 

  俺はあの後すぐに、冒険者ギルドという集会所を見つけ、冒険者として登録した。早速、モンスターの討伐依頼を受ける。内容は街の外に増えたスライムを減らしてくれとのこと。

  意気揚々と出発しようとすると、ギルドの係員から、例え弱いモンスター退治といっても武器や防具を揃えたほうがいいと忠告される。しかし、装備を整えようにも財布はないし、そもそも通貨が違った。


ま、なんとかなるだろ


  異世界に来たからといって、身体に目立った変化はなく、これといった特別な能力も感じない。それでもなんとなくモンスターには通じると思い、街の外へと向かった。

 

  街の門から出ると、辺り一面の草原が広がり、奥の方に森が見えた。


あぁ、いいね大自然。これぞ異世界!


 景色を堪能しながら草原地帯を歩いていると、1匹のスライムを発見。大きさはサッカーボール程度につぶらな瞳が2つ。とりあえず蹴っ飛ばしてみると、5m程吹っ飛び、ぽよんぽよんと音を立て留まり、ケロッとしてる。


全く効いてる気がしねぇ……


 その後も暴行を加えるが、一向に倒せず。そうしてる間に、ゴブリンの群れに鉢合わせてボコボコにされ、命からがら逃げ切って来た後だった。


「少しくらい夢見させてくれって、ハァ」

この世界でどう生きてく? というかこの世界の通貨がないと今日の飯も宿も取れないし…ここでも何かバイトとしないといかんのかぁ


「あのすいません、もしかして駆け出しの冒険者さんですか?」

考え込んでいると誰かから声かけられた。


 顔を上げるとそこには綺麗な白髪ショートに、清楚な白い服で、メガネをかけた美少女。膝に手をついて屈むようようにこちらの顔を覗いてる。

 

「あっはい、今しがたモンスターにボコられたところです。ハハ」

枯れた笑いしながら返答をすると、少女も苦笑いをする。


「それは災難でしたね。でもよくある話ですよ、初めての冒険だけどモンスターを倒せない。 倒せないから強くなれず、お金も増えず、装備も買えない。この悪循環で毎日生きていくのがやっと! っていう人も」


あぁ正にその通りだ


「でもそんな初心者冒険さんに耳寄りな情報があるんです。」

「へぇ……そりゃ聞きたいですね……今はもう藁にもすがる思いですから。」


心身共にボロボロで、興味本位で適当に答えると、少女は顔をずいっと近づけ熱弁する。


「それなら朗報です! 誰でも簡単に強くなって、モンスターを倒せて、お金も増やせる方法があるんです!!」

「えっ!? あっ、そ、そんな方法が」

言葉よりも少女の変貌ぶりに驚く。

少女はニッと笑うと得意げに語った。


「えぇ、それは……闇 の 力 です」







 

 

 

 

 

拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございます!

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