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プロローグ
―――大いなる力は、大いなる責任と共に自身を孤独にする。
強い力はそのものを惹きつけ、それを信仰し、崇める。
いつしか数が増え、知らず知らず信仰は歪み、小さき火種となって各地に降り注ぐ。
あるものは恨み、あるものは妬み、あるものは怒り――それぞれはやがて一つになって、憎悪というモノに変貌を遂げる。
そしていつか、大いなる力を、欲するようになる。
それは新たな火種となり、争いが生まれる。
勝者は弱者を虐げ、弱者は怯えることしかできない。
始まりは、皆一つだったというのに……
私は――――この世界をもう少し見てみようと思う。
それが新しい世界でも、破滅の道だとしても、この記録を次に生まれ出る命の為に。