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ナルシスト?

俺は鏡の前に立ち自分の顔を見る。 別にナルシストとか自分に見惚れているわけではない。 明らかに、

顔が変わっている。 それだけじゃない。筋肉も付いている。 日本にいたころは太っていた訳ではないが筋肉など全くなかった。 顔もこれといった特徴もなく平凡だった。 だがいま鏡の前に映っている俺は、腕や足に筋肉が付いており腹筋も割れている。 顔立ちも明らかに変わっている。 風呂上がりの自分がかっこよく見えるという話はよく聞くがそんなレベルではない。そしてこの体の変化に見覚えがある。

(ここに召喚されたときに飲まされた赤い液体か?)

そう、ここに来た時にルシードに飲まされたあの液体が怪しい。いやそれしかないだろう。だが改めて自分の顔を見るとイケメンだ。 鏡の前でポーズをとり自分に見惚れていると・・・



コン、コン



「ノクト様 着替えをお持ちいたし・・・・」

「あ・・・・・」

「・・・・・・」




シルフィーが入ってきた・・・ まるで虫を見るような目でこちらを見てくる。 シルフィーからは、腰にタオルを一枚巻いた男が鏡に映る自分に見惚れていたナルシスト。 そう見えたのだろう。 まあ見惚れていたのは否定しないが・・・・



「・・・・・」

「・・・・・」



お互いに沈黙が続く。 俺はこの場で適切な言葉を考える。 ここで間違えればシルフィーにさらに誤解をさせてしまう。 だがなんと言えば・・・



「なあシルフィー 俺は別に・・・」

「私は何も見ていません」

「え?」

「私は何も見ていません」

「いや見たよね?明らかに見たよね?」

「私は何も見ていません。 それでは失礼します」



そう言いシルフィーは更衣室から出ようとする。 まずいこのままでは誤解されたままだ。 今日からシルフィーにナルシストなどと思われたら俺は立ち直れない。 そう思い俺はシルフィーの肩を掴み必死に弁解をする。



「待ってくれシルフィーこれは誤解なんだ。 だがまずは認めよう、俺は自分に見惚れていた。 だがそれは決してナルシストなどではなく、本当にカッコよかったんだ、いや言い方を変えようカッコよくなっていたんだ」

「いやー・・・そのー・・・ノクト様とりあえず服を・・・」



パサッ



「あっ」

「あっ」



シルフィーが注意をした瞬間、俺の腰に巻いたタオルが落ちて、俺はシルフィーの肩を掴んだ状態で全裸になった。



「シルフィー・・・これはその・・・」

「ギャァァァァアアアアア」



普段の冷静で物静かな振る舞いをしているシルフィーからは想像もできない声で叫びすごい勢いで更衣室から出ていった。 





(やってしまった) 俺は自室に戻りベッドに顔を埋めながらそう後悔する。 必死に弁解するあまりタオル一枚だという状態をすっかり忘れていた。 さすがに今から謝りにいくのはまずい。 明日になったらちゃんと謝ろう。 そう決め俺は眠りにつく。



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