ルシードの配下達
ルシードに手を引かれながら俺は、魔王城の中を案内してもらってる。 まず第一に思い浮かんだ言葉は、
広い。 かれこれ数分歩いているが、まるで終わりが見えない。 これは気を抜いたら迷子になりそうだ。
そして、どの部屋も家具もとても豪華である。 一体いくらするのだろうか・・・
そんなことを思っていると目の前に掃除をしている一人の女性がいる。 こちらに気付いたのだろうか、こっちに向かってくる。
「おうシルフィーではないか 調子はどうじゃ?」
「問題ありませんルシード様。 ところでそちらの方は?」
「うむ 新しく妾の配下になったノクトじゃ」
「男性・・・・・」
「え?」
「いえ 失礼しました 私はルシード様のメイドをしておりますシルフィーと申します。」
そう言いメイド服のスカートの裾を軽く持ち上げ、お礼をする。 シルフィーというメイド服を着た女性は銀髪の三つ編みのポニーテールに、蒼い瞳をしていてとても美人だ。 メイド服に白のニーソがとても似合っており、清楚という言葉がよく似合う。
「俺はノクトだ。 これからよろしく頼む」
「・・・・はい よろしくお願いします」
自己紹介をして手を差し出す。 だがなぜか少し間が空いてシルフィーも手を差し出し握手をする。
なぜだろうか、 どこかぎこちない。 少し馴れ馴れしくし過ぎたのかもしれない。 そんなことを思っていると、ルシードが声をかけてきた。
「ノクト 早く行くのじゃ」
「あぁ分かった」
ルシードに急かされ、城の案内を続ける。 まだ終わりそうになく風呂場や、食堂、書斎など様々な部屋を案内されている。 そして赤いカーペットの廊下を歩いていると、一人の女性がいた。
「あらルシードじゃない 随分と久しぶりね」
「イザベラ! お主いままでどこをほつき歩いておったのじゃ!」
ルシードと話しているイザベラと呼ばれる女性は、黒髪のロングヘアーに褐色の肌。 そして耳が尖っている。 小説などでよく出てくるダークエルフと言われるものなのだろうか? そして身に着けている服がかなり露出が多く、ルシードよりも大きい巨乳に目が行ってしまって、目のやり場にとても困る。
「まあそんなことどうだっていいじゃない ところでそっちの子は誰だい?」
「はぐらかしおって・・・・ まあよい、今日から妾の配下になるノクトじゃ」
「へぇー意外とかわいい顔してるじゃない」
そう言いながらイザベラが、俺の頬に手を当ててくる。 つい視線がイザベラの胸の谷間に向いてしまう。
金色に輝く瞳に見つめられ、思わず見とれてしまう。 身長が高いせいか、とても色っぽく大人の女性という感じだ。 そんなことを思いつつイザベラに見つめられていると、イザベラが微笑んだ。 容姿、そして今の楽しんでいる様子をから察するにイザベラはSなのだろう。 そう思っているとルシードが間に入ってきて強引に、イザベラを俺から引き離す。
「イザベラ! ノクトの事をたぶらかすでない」
「あら別にいいじゃない」
「ダメなものはダメなのじゃ!」
「まあいいわ。 また後でねノクト」
そう言ってイザベラは手を振りながら、俺たちの歩いていた廊下の方へ足を進めていった。 男の扱いによく慣れていそうだ。 まあ、あの容姿なら納得がいく。 そう思っていたが、ある疑問が浮かんだ。
さっきのイザベラはルシードと随分フレンドリーに話していたが、イザベラも魔王の配下なのだろうか?
「なあルシード イザベラもお前の配下なのか?」
「そうじゃが、それがどうかしたのか?」
「いや随分親しげに話してると思ってな」
「まあ、イザベラとの付き合いも長いからの」
そう言い俺たちも、廊下を歩いていく。 しばらくすると、後ろから声を掛けられる。 透き通るような、綺麗な声に呼ばれ俺とルシードは後ろに振り返る。 そこには金髪のストレートのロングに白い肌、そしてエメラルドグリーンの綺麗な瞳をした女性がいた。 こちらの女性もイザベラと同様に耳が尖っているためこれが異世界でお馴染みのエルフなのだろう。 緑をメインとした服装、そしてその上からでもわかる胸の大きさがとても魅力的だ。
「ルシード様、お久しぶりです」
「おぉユリス 久しいな、もう里帰りは終わったのか?」
「はい、先ほど帰宅しましてルシード様の姿がお見えになったので声を掛けました」
「うむ それはよかった! ではユリスにも紹介しよう。新しく妾の配下になったノクトじゃ」
「ノクトさんですね。 私はルシード様の配下のユリスと言います。 見ての通りエルフです。 これからよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしく頼むよ」
そうやって俺たちは握手を交わしてユリスと別れる。 それからは何もなくルシードは夕食までに時間があるから好きにしろと言われた。 だがこんな広い城で好きにしろと言われてもなにをすればいいかよくわからない。 考えた結果、書斎で本でも読んで時間を潰すことにした。