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キャリアマスター   作者: career master
ビクトリアシティ編
31/32

#31 鉄仮面動く

久しぶりの投稿となりました。#31です。

ビクトリア格闘試合開幕。第①試合はレオルの快勝となり、第②試合が始まろうとしていた。


「えー次は3番と4番の対決だ!リングに上がってくれ!!!」


「おー!!ボグルだ!今回もまた出るのか!」


「前回、前々回のチャンピオンだからな、相手の方は気の毒だなこりゃ、」


短髪で真っ白なひげを生やしている推定年齢80歳の3番の選手はボグルという名で、圧倒的な強さで2連続チャンピオンを勝ち取った武術の達人である。対する4番の選手は、黒鉄仮面を常に被り素顔を見せない「神風」の隊長ベベラであった。観客達はボグル支持者が大半で、3冠達成を期待していた。


ベベラ(何なんだこの爺さんの人気っぷりは・・・まあ暇つぶし程度にはなりそうだな)


ボグル「ホッホッホ、お主もなかなかの使い手のようじゃの、じゃがわしとて若造に軽く倒されるほど伊達に長く生きてない。」


ベベラ(ブルーファイターが言っていたな・・・敵になる可能性のある奴が現れるとしたらこの中からだと・・・この爺さんがか?・・・まさか)どうぞ、お手柔らかに。」


「それではーーー第②試合!!!レディーィィィィファァイィィィィィ!!!!」


審判のコールとほぼ同時にボグルの目つきが一変し、まだ戦闘態勢の整っていないベベラの死角に回り込みベベラの急所に渾身の一撃を浴びせるボグル。ボグルのその拳は完全にベベラの腹溝を捉えた。


「出た!ボグルのいつもの拳!!!」


「あれで立ち上がれた奴はいないぜ!!」


大会常連客はボグルのこの技を何度も見ているため、ベベラがK・Oするものだと確信していたのだが、レオルとブレイドは冷静に状況を観察し、ただならぬ事態が起きていることを察していた。


ブレイド「・・・・!?」

レオル「・・・いや」


拳をヒットさせたボグルでったが、すぐに異様な現象が起きていることに気づく。ベベラが仮面を被っているせいで表情が読み取ることができないでいるボグル・・・


ボグル(なんじゃこの感じは!!!)


ベベラ「痛ってぇな爺さん・・・いきなりすぎるだろ。オレでなきゃどうなっていたことか・・」


ベベラは左手でボグルの腕を掴み取り右手で何やら技を発動させる。


ベベラ「重力圧縮グラヴィティプレス!!」


ボグル「ノオォォォ!!!!??」


次の瞬間ボグルはリング床に叩きつけられるかのように跪き4つんばいになりながら倒れ込む。ボグルは懸命に身体を動かそうとするも真上からのしかかる強大な重力のせいで、微かに指先が動く程度であった。盛り上がっていた観客達は言葉を失いベベラに視線を向け始める。レオル達も突然の事態に驚きを隠せない。


レオル「何だあのキャリアは!!」


ブレイド「どうら・・相当手強そうなのがいるみたいだね。」


ボグル「このわしが・・・こんな無名の若造なんかに・・・・負けてたまるものか!!!」


そう言ってありったけの力を振り絞りボグルは右脚を、そして左脚を直立させて体勢を立て直す。ベベラは口笛を吹きながらボグルの気迫たるものに感激していた。


ベベラ「ほう、2大会連続チャンピオンだけあっての意地とプライドなのか、それとも・・・慢心からの油断か、まあオレの技を受けて立ち上がったところまでは賞賛に値する。だが、そうやって2本脚で立っているのがやっとみたいだな。そんな状態の奴なんぞオレの敵ではない・・・小指1本で十分だ。」


次の瞬間ベベラは、小指一本でボグルの首を後ろから下に突き落とした。再びボグルはリング床にたたきつけられた。すさまじい衝撃音と共にリングに亀裂が走る。そのままボグルは気絶してK・O負けとなった。


ベベラ「お疲れさま。」


「・・・・おい嘘だろ・・・あのチャンピオンのボグルがあんなにあっさりとやられちまうなんて・・・」


「なんて奴なんだ!あいつは・・」


ベベラ(世間一般ではあの爺さんは相当強い扱いだったのか・・・世間一般の範疇ではな。やはり我々の敵になるレベルではない。さっきのレオルという奴の方が数段勝っている)


レオル「あのベベラって奴やるなぁ・・オレの次の対戦相手か、さっきのダルマッチョって奴とは

全然次元が違うぜ。」


ブレイド「随分の厄介なのが出できたみたいだな・・」


ボグルとベベラの試合の一部始終を見ていた少年グルーノは、驚く様子もなく密かに頬を吊り上げて奇妙に微笑んでいた。


グルーノ(へぇ、ボクと似たようなキャリアみたいだね、あの鉄仮面・・少しはできそう、それにあのレオルって奴も・・・ヘヘヘヘ)


「なんと2連続チャンピオンボグル。まさかの1回戦敗退!!とんでもない番狂わせが起きた!!何が起こるか分からないのがこの試合!!、さあ続いて5番と6番の対決だ!!両者はリングに上がってくれ!」


ブレイド「よーし、次はオレの番だな。」


6番のブレイドはゆっくりとリングに上がり、やっと出番が来たかと思うと甚だ愉快そうにしていた。対する5番の選手は、濃い紫色の髪をしていてやわやわしいジト目のリグという女性であった。ただその表情はどこか少し冷たく覇気のないものであった。


リグはブレイドと目線が合うと忽ち姿勢を正して言葉を発する。


リグ「よろしくお願いします。」


ブレイド「よ、よろしく~」


ブレイドは予想外の対戦相手の容姿端麗さと礼儀正しさにどう対応していいか若干困り気味になっていた。


「おい戦えるのかあの女の子」


「腕が立たなきゃエントリーしないだろ。」


ブレイド「なあ、先に言っておくけど、オレは手加減とかそういうのしないよ。」


リグ「はい、全力で来てください。私は負けませんから。」


ブレイド「へへ、そうかい。じゃあそうするぜ。」


「第③試合!!リグvsブレイド!!レディーーィィィィィィファァイィィィィ!!!!」


合図がかかるとリグはブレイドの方に無表情でゆっくりと近づいていく。ブレイドをジト目で見続けながら・・・・、すると次の瞬間、ブレイドを含め試合を観戦している全ての者の前からリグの姿が消失した。観客のほとんどはその不可思議な現象に言葉を失う。


「消えた!!・・」

「どこにいったんだ・・」


ブレイド「!?・・・どこだ・・・」


ブレイドは四方八方見渡すがリグの姿はどこにも見当たらない。防御態勢をしながら床を小走りで移動するブレイド。すると突然リグが姿を現してブレイドの脇腹を横蹴りして転ばせるのであった。


リグ「後ろよ。」


ブレイド「ドアァァ!!?」


ブレイドは攻撃を受けたがすぐさま立ち上がり、リグの方へ身体を向ける。しかし、またしてもそこにリグの姿はなかった。


ブレイド「またか!!」


リグ「下。」


ブレイド「何!!?」


今度はブレイドの足下付近から身を屈めながら出現し、腹に蹴りを入れ込む。ブレイドは大きく後退してそれを受けきった。リグは闇人形のようにブレイドをただ1点に見つめながら接近していく。ブレイドはリグのその表情に少しばかり寒気を覚えた。


ブレイド「なるほどな・・ステルスか。不可視状態になれるってわけね。」


リグ「正解。だけどそれを分かったところで私を捉えることは不可能です。」


リグは再び姿を消失させた。

視界に捉えることにできないリグ。ブレイドはどう闘うのか・・・

























































































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