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キャリアマスター   作者: career master
ビクトリアシティ編
30/32

#30 開催! ビクトリア格闘試合

周囲を見渡していたレオルは、一瞬見覚えのある山吹色髪の男が目に入るとすぐさま視点を合わせる。暫くしてそれが誰なのかを識別できたレオルは、人混みをくぐり抜けて呼び止める。


レオル「おーい!! お前ブレイドだろ!!?」


カクテルパーティ効果で自分の名前が呼ばれるのを聞き取ったブレイドは、その方向に体が無意識に反応する。ブレイドは一瞬混乱したが、自分の方へ接近するレオルの姿を確認してレオルを識別した。


ブレイド「レ、レオルか!?」


突然の再会に思わず不意を突かれるように驚嘆するブレイド。両目を大きく見開いて口を開けながら、レオルを指さす。


レオル「おぉ!! やっぱブレイドじゃねぇか! 何でこんなとこいるんだ!?」


ブレイド「それはこっちのセリフだよ! オレはただの暇つぶしだけどさ~」


レオル「そっか!! まあいいや、いやーーそれにしても久しぶりだな!」


ブレイド「ああ、キャリア試験以来だな。ん?、そのカードを持ってるってことはレオルもさんかするんだ~」


レオル「これか? なんか面白そうだったからな、ていうかお前も出るのか!」


ブレイド「ああそうだぜ。ま、戦ったら間違いなくオレが勝つだろうけどさ。」


レオル「ほぉ、言うねブレイド。オレが6年でどれだけ腕を上げたか見たらビビるぜきっと。」


ブレイド「それはオレも同じさ。」


「よーし!!これで8人集まったから早速始めるぞ!! 勝負場所は中央のリングだ! どちらかがノックアウト、場外に落ちたら負けだ。相手を殺したら失格だ! ルールは以上だ!!


大量の群衆も大会の方に視線を向けるようになっていき、8人の格闘試合を心待ちにするようになっていく。レオルとブレイドはビクトリアシティ中央にあるリングに移動をした。参加者の中には10才くらいの子供や、いかにも武道の達人であるオーラを醸し出す老人、気弱そうな無表情の女の子、そして黒い鉄仮面の「神風」の一員であるベベラも混じっていた。


「まずは1番と2番の対決だ!! 両者はリングに上がってくれ!!」


2番のカードを所持してるレオルは早速かとばかりに胸を躍らせながら、軽やかな足取りでリングに昇る。対するレオルの相手はダルマッチョという男で、全身は赤い体表で覆われて、目が3つあり、腕が6本もある超人であった。だが言葉はいたって標準語を話す。


ダルマッチョ「相手が誰であろうと関係ない。オレが勝つことに変わりはないのだから・・」


レオル「随分変わった体してんだな、面白そうだ。」


大勢の市民がレオルとダルマッチョの試合観戦に集まっていく。他の選手達も一斉に注目し始めた。


ブレイド「さあレオル・・・どれだけ腕を上げたのか見せて貰おうじゃないか。」


「それでは、第①試合レディィィィィファァイィィィ!!!」


試合開始の合図と同時にレオルは軽く身構える。ダルマッチョは腕を4本リングに突き刺し、そこから腕を伸長させレオルの真下と背後から拘束させようとした。見たこともない予想外の動きにレオルは一瞬戸惑うも、上空へ飛び攻撃を回避する。だが、ダルマッチョの残りの2本の腕が上空にいるレオル目掛けて襲うのであった。レオルは咄嗟に両手でガードするが、またも腕がニョロニョロと伸びてレオルの両手を何度も巻き付ける。ダルマッチョはそのままレオルをリングに落下させた。


レオル「何!!・・・」


ガキュン!! レオルは勢いよくリング上に叩きつけられた。観客達も奇想天外のダルマッチョの動きに終始驚きを隠せない。そしてダルマッチョは上空へ思い切り跳躍した。それも50m近くまで・・・。常識外れのジャンプから、そのまま急直下して真下のレオルの背中目掛けて6本の腕で総攻撃を仕掛けた。その打撃はレオルに直撃し、レオルはそのまま動かなくなった。

ダルマッチョのキャリアは ”ゴムバネ"。 生まれながらの6本の腕はともかくとし、全身をゴムのように伸縮させることができる。輪ゴムのように相手を固定することもできる。さらに全身はバネにもなり超人的な跳躍力と反発力を武器にするのだ。


「おい何だあの赤い奴・・・」

「腕が伸びたりすっげぇ飛んだり何て奴だ!」


ベベラ「・・・」

ブレイド「・・・・」


「えーとレオル選手・・・10カウントして起き上がらない場合はダルマッチョ選手の勝利とします!! 1!!!、 2!!!、3」


しかし審判がカウントし始めてすぐのこと・・・・


レオル「その必要は無いぜ!!!」


ダルマッチョ「何だと!!?」


レオルは大打撃を受けた後とは思えないほど平然として、全身についた汚れを払いながら立ち上がった。会場の雰囲気は一変し皆驚きっぱなしである。中でもダルマッチョが一番焦りを見せていて、自分の渾身の攻撃が効いてないことに相槌もまともに討てないほどショックを受けていた。


ダルマッチョ「バ、バカな!! オレのあの攻撃を受けて平気なはずが・・・・」


レオル「ああ・・・結構効いたぜ。大分痛かったよ。やっぱあんたもキャリア使いか、ゴムとバネって感じかな?・・でもオレには効かなかったな。」


屈伸運動をしながら笑みを浮かべて元気に喋り出すレオル。十分に体をほぐして今度はこちらから行くぞとばかりに身構える。冷静な判断力を欠如し翻弄しているダルマッチョの頭は徐々に真っ白になっていき、表情にはっきりと表れていた。


レオル「じゃあ今度はオレの方からいかせてもらうぜ!!」


そういってもの凄い速さでダルマッチョの真ん前まで間合いを詰め、ダルマッチョの下顎目掛けて拳を繰り出そうとするレオル。


ダルマッチョ「ちょちょちょ待っ、ま、ま!・・・・」


レオル「どりゃぁ!!!」


ダルマッチョ「ブアァァァァ!!・・・」


レオルの拳でダルマッチョは一撃ダウン。そのまま気絶してしまい、第①試合はレオルの快勝に終わった。


レオル「へん、楽勝。」


「おおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

「すっげぇぞ兄ちゃん!!!!!!」


会場にいる人達はレオルに一気に注目し叫び声を上げながら騒ぎ始めるのであった。レオルはブレイドのところに笑顔でピースをしながら戻っていった。


ブレイド「お疲れさん。最後のはわざと喰らいにいったのか? あの攻撃。」


レオル「半分な。変な動きする奴だったけどまあまあ面白かったぜ。」


ブレイド「そうかい・・(どうやら相当腕を上げてるみたいだな・・・・キャリアの1つも使ってないし・・・でもそうでなくちゃ面白くないさ)」


ベベラ「・・・・」


8人の選手の中の容貌10才くらいのグルーノは奇妙な笑みを浮かべていた。


グルーノ(へぇ、少しは骨のありそうなのもいるんだね・・・・)




一方、国王セビルと姫のメアリーは大繁盛している城下町を見物していた。


セビル「今回も賑やかであるな、」


メアリー「ええ、中でも大人気なのはやっぱり格闘試合よね。私達も観戦しに行きましょう。」


セビル「そうだったな、何ならこの私が出てもよかったんだがなハハハ、」


メアリー「あら、最近はあまり動いてなかったじゃない」


ゼビル「何を言うか、基礎鍛錬と稽古くらいは怠ってない。格闘試合というとまたあのボグル爺さんが優勝するのかな。」


メアリー「そうね、あの人は武の達人よ。彼に叶う人なんて早々いないですわよ。」


セビル「私が試合したらどうなるかの。」


メアリー「さあどうかしらね・・・あら、隊長さん達が来てくれたみたい。」


ゼビルとメアリーの前に、普段は国外の警備や防衛軍の方に配属している2人の王宮戦士が現れ、会釈をする。


セビル「よく来てくれたな、兵隊長ザイボル、護衛長プロテクトよ。」


ザイボル「お久しぶりです国王様。この度は5年に一度の祝祭日ということで・・我々参上致しました。」


プロテクト「悪党共が仮にいてもご安心ください。国の秩序を乱す者は即刻排除致します。」


セビル「ご苦労。怪しい輩を見かけたらすぐにでも行動してくれ。他国ではこういうビッグイベントの時に潜入者がよく紛れ込んでるらしいからな、でもお前達2人が来ればもう安心であるな、よろしく頼むぞい。」


ザイボル&プロテクト「はぁ!・」


最強の護衛陣到着。格闘試合は第②試合へと続く・・・

































































































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