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キャリアマスター   作者: career master
キャリア試験編
27/32

#27 強敵

ゼウス「・・くっ・・・・」


シャープ「いやー、収穫だなぁ。」


ピエトロ「どうしたんだい?・・・彼は・・・」


シャープ「ああ。コイツは・・・」


シャープはピエトロにこっそりと耳打ちをした。それを聞いたピエトロは少々目を丸くした後に再び微笑み出す。


ピエトロ「・・フフフフフ、アハハハハハ・・それは面白いねぇ・・ますます殺りたくなってきちゃったよ・・・ペロッ・・」


ブレイド「・・おい、なんだよあの2人・・ゼウスの知り合いなのか?」


レオル「分かんねぇ・・・アイツは知らねぇって言ってたぞ・・」


レオルとブレイドは手に汗握りながら2人をさらに凝視する。そしてゼウスの顔を確認すると、ただならぬ表情をして、若干身震いしながら剣を抜こうとしているのが分かった。今までに見たことないゼウスの姿であったために余計に混乱するレオルとブレイド。


ゼウス「・・・・」


シャープ「どうする?・・仕留めておくか?・・・・ついでに残りの2人も。」


レオル&ブレイド&ゼウス「!!!」


突然のシャープの発言に一層警戒をする3人。ポーカーフェイスで凍りつくような目で見られたために、背中から痛いと錯覚してしまうかのような心地悪い風に襲われる感じがして神経が急激に縮こまる。だが、ピエトロはそんなシャープに3人の予想だにしない発言をする。


ピエトロ「・・はぁ? 何言ってんの君。」


シャープ「ハハハ、冗談だよ。でも・・・・・オレ個人としては・・・めちゃめちゃ殺りたいんだけど・・・!!!」


ゼウス「!!??」


一瞬空気が安直したが、それを覆すようにシャープは眼光を青色に光らせて、目を合わせていたゼウス1人のみの動きを封じこむ。シャープはゼウスに徐々に接近していく。


ゼウス「・・か、からだが動かん!・・・あの技ではないのに・・・」


シャープ「やっぱりお前は今ここで・・・」


レオル&ブレイド「!!!」


ゼウスの動きが封じられていることが分かった瞬間に、頭で考える暇もなく体が勝手に動き、標的にされているゼウスを守るためにシャープに突進して蹴り飛ばそうとする。が・・・左手1本でその足を受け止められてしまうのであった。レオルは信じ難い表情をする。と同時にゼウスの身体の束縛が無くなる。


ゼウス「・・レオル!?・・・ん、動けるぞ・・」


ブレイド「レオル!・・勝手に飛びだして・・」


レオル「クッ!!・・・・の野郎!・・・」


シャープ「何だお前、邪魔だ。」


レオル「ドワァ!!・・・」


シャープは右足でレオルを遠くへ蹴飛ばす。レオルは腹部を蹴られて後方に大きく吹っ飛ばされ1、2回後転をする。ブレイドは倒れ込むレオルの元に駆けこんだ。


ブレイド「レオル!! おい!大丈夫か!」


レオル「イテテテ、ああ。なんとか・・あの野郎とんでもねぇ強さだ・・」


ブレイド「・・・ゼウスは・・」


ゼウスは束縛から解除されたために忽ち懐の剣を抜き、シャープに斬り込もうとする。だがシャープはゼウスの剣を素手でがっしりと掴みとり攻撃を止める。シャープの手からは微量に血が滲み出る。力ずくで剣を動かそうと試みるゼウスであるが全く動かない。シャープは冷酷な眼差しでゼウスを見つめる。


ゼウス「・・コイツ・・・抜けん・・・」


シャープ「所詮今のお前などこの程度の力しかない。しかしやがては脅威になるであろう。ここで・・・・消して・・ゴッ!?・・・・」


レオル&ブレイド&ゼウス「!!?!」


突然シャープの後頭部にナイフが突き刺さり額まで貫通する。真っ赤な血が飛び散りシャープは後方にそのまま倒れ込んだ。ナイフを投げ突き刺したのは、シャープから約20m背後にいたピエトロであった。タワー最上階でワイザーと戦闘した時に偶々その1本を携帯していたのだ。


ピエトロ「・・もう、そう早まるなよシャープ・・・それ以上やったら次は本気で行くよ?」


シャープ「ああ、悪かったよ。ちょっと遊んだだけなのに・・・ぷん。仕方ないなぁ、今日は我慢するよ。」


レオル&ブレイド&ゼウス「!!!??」


ピエトロ「彼らは原石みたいだからねぇ・・・輝かしい・・・美しいよ・・」


シャープ「・・(ハァ、ホント悪い癖だな・・どうせやるなら今やっちゃえばいいのに・・・)」


ブレイド「ど、ど、どうなってんだ!?・・・後ろからナイフぶしゃーってなって、そんで・・・」


ゼウス「・・コイツら・・何なんだ一体・・」


レオル「確かにアイツが奴を・・・・・!!さっきの技・・・・か、、幻・・」


シャープ「うん、オレのイリュージョンさ。いい演出だった?・・ヒハハハ。これ以上やるとピエトロが何しでかすか分かんないからさぁ、今日は勘弁しといてやるよ。ご覧の通りお前達は非力すぎる。これからは戦乱の世だとか何とかほざく奴もいるからさ、そんなんじゃすぐにあの世行きだ。せいぜい真面目に鍛えておくんだな。」


ゼウス「・・貴様!・・・ケッ、舐めやがって・・」


シャープ「まあ強くなったところでどうせオレには敵わないだろうがな。」


ブレイド「なんだと!! 見下しやがってよ! そんなの分かんねぇだろ!」


レオル「(ブレイド・・)・・そうだ!!てめぇらなんかオレがまとめてぶっ倒してやるよ! そんでゼブラも倒すんだ!!」


ピエトロ&シャープ「!!」


シャープ「ゼブラだって?・・・・・クククク。それは傑作だね。」


レオル「何だとコラ!! オレが絶対勝てねぇとでも言うのか!!」


シャープ「・・いや、そうではないよ。むしろ倒して欲しいくらいだ。ただ・・・・いろんな意味で面白い。」


レオル「ァに!!」


ゼウス「・・・」


ブレイド「・・?」


シャープ「ゼブラならオレもよく知ってるぞ。結構仲良かったんだ。奴は今、「帝」のボスをやってる。ゼロのゼブラという通り名がついてるな。まあ知れ渡ってることか。」


ピエトロ「ボクは直接会ったことはないけどね、帝の一部の人間なら知り合いだけど。ゼブラはキャリアファカルティーを無効化するキャリア使いなのさ。だからそんな異名が付いている。(まあ・・いつか彼の能力も・・・フフフフフフ) 真っ向勝負じゃ勝てないよ。いくら君が強くなってもね。」


レオル「何!! キャリアを・・・無効化・・・」


ブレイド「そ、そんなの・・」


ゼウス「・・・」


シャープ「ああ。奴は相当な腕だ。オレが言うんだから間違いない。だが、この世界にはもっと強力な使い手がいる。基本的にキャリアは普段表沙太にはしないから、かなり危険な能力もさぞかしあることだろう。現時点でオレが知ってる要注意人物は・・・・、まずは例のゼロのゼブラ。次に総官長キングダム。コイツはキャリア試験の各官長の長で最高権力者だ。相当な爺さんだが手強い。それから時の支配者ルーラーシーメンス。噂にしか聞いたことはないが、4次元使いで時間を操れるキャリア使いらしい。だとしたら脅威の力だ。そしてこのピエトロ。見た通り変人だ。お前達も十分気をつけることだな。」


ピエトロ「やだなぁ・・その雑な説明。」


ゼウス「時間使いだと・・・」


ブレイド「・・・うーん、よく分かんないや。」


レオル「・・そんなの関係ねぇよ・・・オレはまだゼブラにも・・・お前らにも敵わねぇ・・・・だけどな、オレは必ず倒すぜ! オレの敵は必ずな! 何年かかってもいい。絶対にだ!!」


ピエトロ「フフフフフフ、」


シャープ「・・へぇ、威勢だけはご立派さんだな。」


ピエトロ「まあ体術を鍛錬すればどんなキャリア使いとでもそこそこ闘えるはずさ。」


シャープ「その通りだ。非キャリア使いでも達人は多いからな。」


ムース「うっ・・・・うっ・・・」


ピエトロ&シャープ「!!!」


突然気絶していたムースが意識を取り戻して周囲を見渡す。ムースの視界には5人と1体の死体・・・・アールドが映し出された。状況の理解に苦しむムース。


ムース「・・アールド・・・さん・・・それに・・・あんた達。」


ブレイド「あれは・・・」


レオル「試験官の・・・」


ピエトロ「おや、なんだ殺してなかったのか。」


シャープ「ああ、そう言えば思い出した。オレ、コイツに入ってんだった。」


ムース「あの男は!!・・・・記憶がない・・・私は確か・・・・あの男に・・・・えい!! アンタ達少なくても敵だね!!」


ムースはシャープに人格を乗っ取られるまでの記憶は残っていたが、それ以後はなかった。だがシャープとピエトロの顔はしっかりと覚えていたためすぐさま状況が何となく呑み込めた。すぐさま長い髪を変形させてシャープとピエトロに攻撃を仕掛けようとした。


ピエトロ「あれは別にどうでもいや。」


シャープ「む、じゃオレが仕留めてくるよ・・・・」


シャープはそう言って急速にムースと間合いを詰めて一気に片をつけようとした。ムースはシャープの速さに付いて来れず動揺せざるを得ない。ムースは闇雲に髪を鞭の如変形させ、分裂させ近づかなせないように攻撃をし始めた。だが、シャープはその隙間を上手いこと潜り抜け、ムースを仕留められる位置まで接近する。そしてシャープがムースの心臓を目掛けて攻撃しようとしたその時であった。突然シャープの目は煙のようなものに包まれて見えなくなった。そしてシャ―プは後方に押し戻されるのであった。


シャープ「何!!・・・ドァ・・・」


レオル&ブレイド&ゼウス&ピエトロ&ムース「!??」


シャープ「・・何が起きた?・・・・」


「随分と派手にやってくれたみたいじゃないかアンタ達。」


会場の方からやってきたその人は緑髪で小柄な女性であった。レオルはその

女性を見ると、ふとどこかで見かけた顔だと気づく。


レオル「・・・あ!! 受付のお姉さん!!!」


なんとそれは、キャリア試験の入り口で受け付け係をしていたあの女性・・・・・レオルが駄々をこねて親切にも編入を承認してもらったあの人ことマリーフという女性であった。


マリーフ「もう安心して。」







































































































































































































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