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キャリアマスター   作者: career master
キャリア試験編
24/32

#24 脅威! シャープとピエトロ

24話目になります。謎な動きをしてきたシャープとピエトロがついに動き出します。その恐るべき目的とは・・・・

ムースの体から驚くことにシャープが出現した。


シャープ「・・おはよう、この通り訳あってこの女の身体に乗り移っていたわけだが・・・まあその必要性も無くなったわけさ。(別にしなくてもよかったかも・・)」


アールド「・・何者だお前は!! 何故ここにいる!!」


アールドが怒声交じりの声を上げるが、シャープは至って平然と、表情を崩さず語り始める。


シャープ「オレはシャープ。一応今回のキャリア受験者ってことにはなってるかな。まあ試験なんかはどうでもいいんだが・・・オレはここの官長のハングって奴に用があるんだけど・・・どこにいるんだ?・・・この上か。」


アールド「何!! 何の為にだ!!」


アールドはいきり立った声をあげてシャープを射抜くように見つめる。


シャープ「ハー、そんなに怖い顔しないでくれよ。ただの趣味さ。趣・・味。これから面白い事が起こる。だから・・・お前達は邪魔だ。少し眠っててもらう。」


4人はさらに警戒態勢に入りシャープと間を取る。


レオル「お前何なんだ! いきなり現れてよ!!」


ゼウス「気をつけろ! 何らかのキャリア使いだ・・・」


ブレイド「どうやら味方ではないみたいだな・・・うん・・」


アールド「お前達は逃げるんだ!! コイツは私が相手をする! 今すぐ立ち去るんだ!」


アールドは大声で3人に向かって言う。3人はビクリとして空気が緊迫状態に包まれる。


シャープ「別に逃げてもいいよ。逃げられたら・・・だけど。」


アールド「まだ子供だ・・触れさせはしない!!」


アールドは拳を握り締め筋肉をさらに浮きだたせた。そしてシャープに向かって突撃をする。シャープはそれを見切り回避するのだが、次の瞬間空気が振動して、それが刃となりシャープ方面に襲いかかった。


シャープ「・・!!!」


シャープは予想外の攻撃に動揺し、応対が少し遅れ気味になり体を無理矢理屈ませる。シャープは頬に擦過傷を受け髪が切断された。その空気の刃は、後ろの木々に衝突して激しい音を立てる。レオル達は目を丸くして驚いている。一方シャープは平然と能力を分析し始めた。


シャープ「・・(何だ・・空気が刃物になったな・・・なるほど、見えない拳か・・・真空の使い手だな。面白い・・・だがオレにはどんなキャリアファカルティーであっても通用しないが・・)・・面白い能力だ。少し油断していたとはいえオレにダメージを与えるとは。」


アールド「私の拳は真空と一体だ! プロの使い手であろうとも次の攻撃は防ぎきれまい!! 真空・破斬斧エア・バルトアックス


アールドは両腕を高速回転させ、宙で後方一回転してから、シャープに向けて技を放つ。そして空気が無限に震動し始め、その乱れ具合が眼でも分かるほどになる。アールドの体から放たれた十字架模様の空気の刃は、徐々に回転速度を上げ周囲の空気をも巻き込み巨大化していく。攻撃範囲は広く左右は約10m、高さは約3mの所まで全て致命傷を免れないゾーンと化した。そしてシャープが回避する前に、その巨大な刃は旋風と共にシャープの肉体を切り裂いた。それだけではなく後方の木々もその刃が及び、一変になぎ倒された。アールドは大技を繰り広げたためかなり息を荒げている。シャープは全身から大量の血を噴き出して、2、3歩よろよろと歩いたものの横にどっさりと倒れ込むのであった。アールドのキャリアは ‘エアバスター” 通常の拳に目に見えない真空攻撃を加えることができる。相手にヒットさせると自身の拳が刃と化して斬撃効果が生じる。遠距離になればなるほど真空の威力は増幅するので、遠方攻撃が最大の利点となるであろう。レオル達3人はアールドの体術に驚嘆するばかりであった。


レオル「おお!! おっさんすげぇ!!」


ブレイド「超強いじゃん! すっげー~~かっこいい・・」


ゼウス「・・チッ、オレはまだまだ修行不足のようだ。」


アールド「・・ハー、ハー、ケガはないか!」


レオル「あ、ああ!! 何ともないぜ!!」


アールド「・・そうか、ならよかった・・!! ムース!!」


アールドは倒れているムースのことを気にかけて、すぐに駆け寄ろうとした。しかし・・・・・・


シャープ「・・ねぇ、それだけかい? お前は何を斬ったっていうんだ?」


アールド「!!!! なっ!!!」


レオル&ブレイド&ゼウス「!!!?」


突然倒れ込んだはずのシャープがアールドの背後から現れ、再び能面で機械のような顔つきで話しかけてきたのだ。4人は何が起きたのか全く理解できず困惑する。しかも倒れたシャープの姿は突如姿を消していたために・・・・


シャープ「ハハハ、お前が今倒したのはオレの幻影だ。つまり・・・・全くナンセンスな攻撃だったということだ。それに・・・お前、つまんない奴だ。せっかくのキャリアファカルティーを十分生かしきれてないな。試験官っていっても肩書きだけでこの程度か・・・・まあそれでも上位ランクに位置づけされるのかもしれないが、残念でした。オレには通用しない・・・なぜならこうだ・・・フリーズ!!」


アールド「うっ!!!!?」


突然アールドの身体が言うことを聞かなくなり、身動きを縛られる。シャープは左手を大きく前に出し、アールドを束縛しているようだ。ムースの時と同じく両手両足が麻痺していて全く動けない。アールドは冷や汗を掻きながら戸惑い、必死に動こうとするが虚しく抵抗できず、手足から血の気が引いていくような心地になっていく。徐々に不安に駆り立てられていくアールド。シャープの不気味な眼光が余計にそれを増幅させていく。


アールド「・・な、何を・・した!?」


シャープ「見ればわかるだろ? 動きを封じているのさ。その女もこうしてオレに呆気なくやられていったな。まあそれはいいっか。お前は邪魔すぎる・・・・ここで確実に息の根を止めてやるさ、己の非力さ・・・というより今日ここでオレと出会ってしまったこと。オレと殺りあったことが運のツキだったようだな。どんなキャリアだろうと動けなくなった奴など・・・・ゴミ以外の何者でもない。だから・・・・・・さようなら。」


アールド「・・!!グハッ・・・!!・・・バァ・・ゴァ・・・ァ・・」


次の瞬間シャープは右手でアールドの肉体を貫通させた。心臓を貫かれてものの数秒もしないうちにアールドは力を失い、地面にバタンと倒れ込み息絶えた。シャープの右手は返り血で真っ赤に染まり、それを舌で舐めまわすのであった。


シャープ「・・お休み・・・・ぺ!・・・不味いな。」


シャープは舐めた返り血を不機嫌そうにアールドの顔面に吐いた。そしてシャープはその場に居るレオル、ブレイド、ゼウスの3人に目を向ける。


レオル「・・て、てめぇ!!」


ブレイド「・・お、おい・・・嘘だろ?・・・・・」


ゼウス「チッ・・・・コイツはやべぇ奴だ・・・まともに闘って勝てる相手ではない・・・・オレが合図したら・・・・・散るんだ!!」


シャープ「ほぉ、このオレから逃げられるとでも・・・一瞬でもそう思ってしまったか・・・・バカなガキ共だな。 フリーズ!!」


レオル&ブレイド&ゼウス「!!!」


シャープはそう言い左手を広げて3人の動きをピタリと止める。3人は必死に

足掻くが1mmたりとも身体を動かすことができない。徐々に接近してくるシャープに身の毛のよだつ思いを味わう少年達・・・


レオル「・・か、からだが・・言う事を聞かねぇ・・・」


ゼウス「・・何なんだコイツのパワーは!・・あんな手1つでオレ達3人を・・」


ブレイド「・・ふんにゃ・・うっ・・クソッ!・・どうすることもできないってのか・・・」


シャープ「残念だな・・・・せっかく苦労してこのタワーを攻略したのにな。オレ達の計画の邪魔をする奴は・・・たとえ誰であろうとも・・・・」




一方タワーの最上階では・・・・

ハングはアールドの通信回線が途絶えたことに気づいていた。下で何が起きたのかは推測できなかったが、彼の身に何かが起こったという事は察知できた。


ハング「・・どうしたのじゃ、アールドと連絡がとれん、ムースもじゃ。」


ワイザー「何ですと! まさか、、いいえ、彼らほどのお使い手ならばご安心かと・・」


ハング「ふーむ、だといいんじゃが・・・」


タール「あの坊や達に何か起きたのかしら・・・」


ワイザー「わたくしめ、少々偵察に行って参ります。」


ハング「ああ、頼むぞ・・・」


執事のワイザーがタワーの外のアールドとムースの安否を確認しようとワープゾーンに向かうのだが、その前に聞き覚えのない声が耳に飛び込んでくる。


「その必要はないよ。」


ハングとタールとワイザーは突然の人声にすぐさま警戒する。その声の主は、部屋の奥隅の天井から姿を現して3人の前に降り立った。銀髪で、耳に水色のイヤリングを3つずつ垂らしている、あの薄気味悪い目をしたピエトロであった。


ピエトロ「やあ、はじめまして。ボクはピエトロ。」


ハング「なんじゃお主!! いつからいたのだ!」


ピエトロ「フフフ、いつからって・・さっきの子供らがここに来る前からだよ。訳あって今日はわざわざこんなとこまで来たんだ。官長ハング・・・アンタのキャリアファカルティーを奪いにね・・・フフフフフ・・ペロッ・・・」


































































































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