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キャリアマスター   作者: career master
プロローグ
1/32

#1 始まり・・レオルとゼブラ

初めての投稿になります。頻繁には出せませんができる限り投稿します。

はるか昔、世界にはキャリアと呼ばれる不思議な能力があり、その能力を巧みに使いこなす数多くの者達がいたことだ。中でもレオルという青年を中心とした物語は、非常に波乱万丈なものであり、強者達が世界中に散らばっていて、幾度となく死闘が繰り広げられたことであろう。物語はレオルの故郷バルバ村から始まる。


西暦XX年。バルバ村という小さな村にレオルという男の子が誕生した。村人達はその小さな玉のような赤ん坊をたいそう可愛がり、温かく成長を見守っていった。レオルは父・母に時に厳しく、時に甘やかされ大切に育てられた。レオルが10歳になる頃には、父や村の若い男性達と同様に河川で魚の主を捕獲したり、大型動物などを狩猟したりもして、たくましく強く成長していった。

そんな自給自足の生活をしていたとある日のことであった。村に怪しい人影が侵入した。髪の色から服、靴まで全身黒づくめの身長の高い男が、バルバ村を偶然発見し足を踏み入れたのであった。その男の名はゼブラといった。ゼブラは村人達が自分とはかけ離れた暮らしぶりをしているのを見ると 


ゼブラ「ハハハハハ。何だこの低文明な村は。こんな村、この世界には目障りだな。どーれ。オレが消滅させてやろうか。」


と呟いた。村の小さな女の子が家に向かって走ってる途中に棒立ちしているゼブラの足元にぶつかって転倒した。


ゼブラ「んん。危ないねお嬢ちゃん。ちゃんと前を向いて歩かないとだめだろ?」


ゼブラはその女の子の首元を掴み片手で女の子の全身を持ち上げた。女の子は泣き出し悲鳴を上げてとても苦しがっている。そんな様子をゼブラは快楽にじっと見つめていた。その時、悲鳴を聞いた村人達が駆けつけ村中が騒ぎ始めた。その騒ぎのする方へ次から次へと村人が家から足を踏み出して集まっていった。その村人のうちの1人がゼブラに向かい投げ言う。


「何だお前は! その子から手を放せ。」


激怒したその村人は女の子の父であった。


ゼブラ「こいつは失礼・・・では、返すぜ!!!」


ゼブラは女の子の首元を掴んだまま、片手で不気味な笑みを浮かべながら女の子をすさまじい勢いでその村人に放り投げた。他の村人達には目にも止まらぬ速さであったので、衝撃音が聞こえるまでは何が起きたかは把握できなかった。勢いよく投げ出された女の子は、父にぶつかり2人とも約30メートル先にある家の壁に叩きつけられた。ものすごい衝撃音であった。その2人はその衝撃で息絶えてしまった。


ゼブラ「あーあ。呆気ないね~。ハハハハハ。」


「て、て、敵だ!!!」


1人の村人が足をすくませながらそう言うと、男達はゼブラに戦いを挑み、女達は家へと避難していった。

ちょうどその頃、河川で魚類を捕獲していたレオルと、その父デンは村から悲鳴が聞こえてきたので、捕獲を中断して大急ぎで村へと駆け戻っていった。レオルとデンが村へ到着した頃、そこは戦場の火の地と化していた。村中の家は黒こげになり、村人達は体全身から血を噴き出していて倒れていた。懸命に体を動かして生き延びようとする者や、もうすでに動けなくなり死んでる者もいた。


レオル「な・・なんだよ・・これ。嘘だろ??・・・」


レオルは一瞬目の前の光景が信じられなかった。いや、信じられるはずはなかった。いつもの村、いつもの人、いつもの平和は跡形もなく消滅していて、ただただ黒い炎が村中を覆っていたのだから。すると傷一つ負ってない黒ずくめのゼブラが一歩ずつレオル親子のもとに接近していった。まだ生き残りがいたのかというような表情をしながら・・・


ゼブラ「お前らで最後か? こんな低俗な村。存在する価値もない。オレは消し飛ばしてやったさ。」


レオルはショックにうろたえながらも恐る恐るゼブラの方面に首を傾けて凝視する。 一方デンは、猛獣を威嚇するような鋭い眼差しで、はらわたが煮えくり返るような激しい怒りと共にゼブラを捕らえていた。


デン「レオル・・お前は遠くへ逃げろ・・逃げろ!!」


レオル「え・・でも、村は、父ちゃんは」


デン「早く逃げろと言ってるんだ!!!!」


レオルが怖気づいている間もなくデンはただ逃げろと叫んだ。


ゼブラ「ハハハハハ。誰が逃がすかよ。」


ゼブラは怖気づいて腰を抜かしていたレオルに一目散に向かっていった。だがデンが命がけでゼブラに突進していき一時食い止めた。ゼブラは快楽の笑みから一転して驚きの表情をみせた。


デン「てめぇふざけるなよ。オレ達の村を滅茶苦茶にしやがって!! 」


デンは激しい怒りと共に全力で右拳をゼブラの顔面に喰らわせた。ゼブラは少し体がのけ反り体制を崩し、口から血がにじみ出ていた。


デン「レオル!!!! 早く行け!!! コイツは危険すぎる。行くんだ!!」


レオルはよろよろと立ち上がり、泣きながら背をむけて村の外へと走って行ったが、やはりデンが気になり立ち止まり振り返った。


ゼブラ「ほう。少しはできる奴もいるのか。こりゃ驚いたなあ。」


デンは体全身から炎を纏わせゼブラに突っ込んでいく。今度は炎を纏った右拳でゼブラの左顎を狙っていった。しかしゼブラは左手で冷静にそれを受け止めた。


デン「何!!」 


ゼブラ「キャリアが使えるのか。こんな低文明な村人にしちゃ上出来だぜ。だが所詮貴様のパンチもこの程度の威力だ。オレの前では無力だ。そうさ。全てが無力になるのさ!! ゼロフォース」


次の瞬間デンの体を纏っていた炎が徐々に弱くなりやがて通常の状態に戻った。


デン「バカな!!。こんなことが・・」


ゼブラ「じゃあな。村の立派な戦士さんよ。」


デン「グファァ」


ゼブラは手先を鋭くさせ、デンの体に手をのめり込ませ内臓を破壊した。


デン「レ・・オ・・・ル・ァァ」


デンは最後にレオルの名を呼び力尽きた。その一部始終をみていたレオルは言葉を失った。放心状態であった。時間でいうところのものの3分もしないうちにバルバ村の住民たちはレオルを除き全滅した。その事実を10歳のレオルに受け止められるはずもなく、跪き、両手を地面に叩きつけ頭が真っ白になりながら、レオルの目にはバルバ村の焼けている光景と父デンを含めた村人達の死が映し出されえた。


レオル「あ・・・あ・・・あ・・・・・・・・・ウアアアアアアアアァァァァァ!!!!!」


レオルは喉元が張り裂けるくらいの大声を出して泣き叫んだ。ただひたすら泣き叫ぶことしかレオルにはできなかった。その泣き声を聞いてくれる村人は誰一人としていなかった。家族、友人、住処、思い出、それら全てを一瞬のうちに無に返された。もう2度と返ってくることはなく、待っていたのは悲しみ、憎悪、絶望であった。そしてそんなレオルにゼブラがまた近寄り始めてこう言う。


ゼブラ「ハハハハハ。少し遠くに出れば今や町や城なんかがあるっていうのに、わざわざ何でこんな惨めな暮らし方をしてるんだ? 古いんだよ何もかも。そして汚い、醜い、伝統だの文化だのはクソ喰らえだ。オレはそういうのが大嫌いなんだよ・・ああ、ただお前の親父だけは少し立派だったがな。だがオレの前では手も足も出ずに死んだ。無力極まりない。だがお前はもっと無力だ。何もできやしないさ。世界も微温湯につかりつつある。こんな世界で生きていても心地よくなはい。オレはゼブラ。この生温くなってしまった世界を取り戻し、闇へと変えてやる。必ずな。そしてお前も目障りだ。ここで死ね。」


レオル「ウァァァ!!! てめぇぜってぇ許さねぇ!!!」


レオルは泣き叫びながらゼブラに向かって必死の抵抗をした。だが、か弱い10歳のレオルには何もできるはずがなく、ゼブラに顔面を殴られ遠くの太い木にぶつかって地面へと落ちた。


レオル「畜生、、、、ちきしょう、、ウァァァァァァァ!!!」


ゼブラ「けっ。クソガキが。だが最後は逃げなかったな。喜べ。気が変わったぞ。やっぱお前をここで殺すのは止めた。この儚い村の最後の生き残りってことにしといてやるよ。せいぜい強くなってオレへの復讐心に燃え、生にしがみつくんだな。レオルといったか。覚えておくとしよう。強くなったらこのオレが殺してやる。それまで生き延びることだな。」


ゼブラはそう言ってレオルの元から姿を消した。


レオル「ゼブラ!!!! 必ず息の根を止めてやる!!」


レオルはこの時自分自身に強く誓った。必ずバルバ村の仇を撃つと。そして強くなってやると。

バルバ村はもうない。誰もいない。誰も助けてくれない。1人孤独になってしまったレオルの長く果てしない旅が今、始まる。













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