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プロローグ
とある薄暗い地下に、一人の人物がやってきた。高級そうなドレスを着た幼い少女だ。頭にはティアラをかぶっている。かなり高い身分であるらしい。
その少女は、祭壇らしき場所の前に立った。そこにある台座らしきモニュメントに少女の手が触れる。すると、台座の中から赤い宝石が現れた。
そして、少女は手を合わせて祈った。
「運命の石、リア・フェールよ、もしこの私の祈りが届いたのなら、このユッテ半島を救い給え」
そう祈ると、なんと宝石が発光し、光が天井を貫くような勢いで飛び去った。
「……頼んだぞ、救国の勇者達よ……」
どうも、四葦二鳥です。
この話は、自分がどうしても太平洋戦争に関する物を書きたいと思って作られた物です。
しかし、ただ純粋に戦争物を書いても若い人には重苦しすぎるだろうと思っていました。そんな時、『リーンの翼』という作品の事を知りました。
そして、「ファンタジー世界に転移して、そこで話を進めよう」という発想に至り、それを突破口にしてこの作品が出来上がりました。
ぜひ、お楽しみください。