聖夜
「えーっと次はブラジルの……ブラジル!?今俺ロシアなんだけど!?」
赤い装束の青年が、夜中であるにもかかわらずなにか叫んでいた。
「まあまあ落ち着いて。ボクもどうかとは思うけど、届けないわけにもいかないでしょ?」
隣には、青年より小柄な、やはり赤い装束の少女。
「それにしてもブラジルっておかしいだろ!なんで北半球と南半球を一緒に預けてるんだ!」
「はいはい。とりあえず静かにしよう。いくら聞こえないとはいえ、やっぱり気を遣うからね。」
20xx年12月24日午後11時32分。2人のサンタクロースはトナカイの引くソリに乗り、たくさんのプレゼントを引っ提げて、空を飛びまわっていた。
「ブラジルの次はフランスってどういうことだよ!順番意味あんのかコレ!?」
「だからもう少し静かに騒いでくれないかなぁ。ボクにもわからないけど、きちんと指定されてるってことはなにか理由があるんでしょ、きっと。」
「はぁ…一年で一番楽な仕事のはずなのになんで一番時間がかかるんだ……」
「そんなの、一番重要な仕事だからに決まってるじゃん。」
「…まあ、確かにな。」
「子供たちを喜ばせたくてやってるのに、ボクたちが意気消沈してちゃ意味ないでしょ?疲れてるのはボクも他のみんなも同じなんだしさ。ほら、スマイルスマイル!」
「(ニヤリ」
「気持ち悪いよ!」
2人は楽しげに、夜の闇に消えていった。