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この阿命(いのち)  作者: 箸食ポテチ


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1/1

1.人は命に煙たがれる。

人は命に煙たがれる。忌み嫌われる。

人と命は切っても切れない関係であり、言葉にすれば表裏一体の存在。


「ハッピーバースデー。」

そんな無機質な、本来は喜ばしいはずの声が自分しか居ない洞窟に響く。

「、、、」

人類が滅亡してから早267年。ここにいる男は300年ほど前に人類でただ一人、不老不死の実験体となり、成功した者。

男は洞窟から1歩足を踏み出して進む。


そこには、荒廃して見る影もなくなった元アメリカ合衆国首都ワシントンDCが広がっている。

ビルは崩れ、肉食獣や鳥の楽園となっている。


男は1歩1歩、哀しみを感じるような、あるいは後悔を感じるような、そんな背中を見せて行く宛てもなく、何も考えずに歩みを進める。



本来、命とは大半の生き物が始まりと終わりがあるものであり、始まりと終わりがない生物も、神がそう創ったから。

だが、人間は神の領域に足を踏み間違えた。不老不死などという神に反した行為を行い、そして滅んだ。


そんなことをもうホモ・サピエンスは何十回も繰り返している。たった数万年単位でだ。

本当は頭脳が発達しすぎる生物など創らないほうがいい。だが神もいい加減だ。

自分で創っておきながら、身勝手に怒り、身勝手に滅ぼす。


本当に馬鹿しかいない。この世界は。


だけど、私は神は嫌いだが、人間は嫌いじゃない。頭脳が発達しすぎても、それが正義、、いや、善悪は付けられなくても滅ぶような道すじを辿らない方向で頭脳を使えばいいのだ。


例えば命を無下にする行為。戦争だ。

戦争は無意味で、力で自分が上に立とうとするから起きることだ。こんな無意味なもので尊い生物の命が失われることは決して、断じて認められない。絶対にだ。


命は1匹にひとつしか持っていない。それを亡くしてしまうと命は失われる。


だけど、人間はそれを事前に阻止する力がある。頭脳だ。相手と正面から向き合って力ではなく、頭脳で話せばきっと分かち合えるはず。


力でやった結果が、あの男の世界だ。


今君たちの世界はまだ大丈夫。1回立ち止まって阿命を大切に扱えば、滅びの道へは進まない。まだ止められる。


人は命に煙たがられ、忌み嫌われます。

だけど、人を通してそんな阿命とあなたとで、向き合って欲しいと、


私はそう願っています。

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