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聖女は世界を救わない  作者: 大木戸 いずみ


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 朝の光が修道院の中に差し込み、私は目を覚ました。


「あ~~、いい朝ぃ~~」


 体を伸ばしながら、私はその場に立ち上がる。朝日のぬくもりを全身で感じながら、私はフフッと柔らかな表情を浮かべた。


「おはよう世界~。新しい一日に感謝して生きるよ~~」

 

 ………………違うだろ! 私!!

 現実逃避しようと、ちゃっかり世界に挨拶するような悟りを開いた女になりかけていた。 

 朝起きてから、自分で自分のことを「優しい怪物」なんて言ったことを恥じていた。眠かったから仕方ない。痛い女確定じゃん。

 その後、すぐに眠りに落ちてしまったからクリフの反応を見ていない。……どうか、なかったことにしてほしい。


「なぁ、昨日の夜、最後にお前が言ってたことだけど……」


 無理そう☆

 すぐ後ろでクリフの声が聞こえた。

 どうやら私より先にクリフが起きていたみたい。視界に入っていたレイとミミがまだ寝ていたから油断していた。……てか、あの二人寝すぎでしょ。私より先に寝たんだから、起きてろよ!

 昨夜の発言に対しての羞恥に私は委縮しながら、私はクリフの方を振り向いた。

 ああ、穴があったら入りたいとはこのこと。今から全力で穴を掘りたい。しかし、ここは石造り。たとえ、今スコップを手にしていても、この床相手だと少しも掘れやしない。

 ケッ! 神よ、私にもっと優しくてもいいんじゃない?


「なんでしょう?」


 平静を保つあまり、クリフに対して敬語になっちゃった。

 心の中ではめちゃくちゃ早口なのに、実際は全然言葉が出てこない。

(昨日の言葉は寝ぼけていただけなの。間に受けないで。私は自分のことを一切優しいなんて思っていない。自分の力がそれなりなことは自覚しているけれど、自惚れているわけじゃないの。自信過剰とかでもないの! ただ、昨日は疲労で頭が回ってなかったの。ほどんど泥酔状態と一緒。誰も酔っ払いの話なんて、まともに聞かないでしょ? だから、昨日の夜に発した私の言葉は全部忘れてくれて大丈夫)

 これが私が本当は口に出したい言葉。残念なことに、私の頭の中でしか再生されていない。脳の司令部が上手く働いていないみたい。仕事しろよ、私の脳!


「お前は魔物かなんかになりたいのか?」


 ……へ? 魔物? なんで!?

 私はあまりに想定外すぎるクリフの言葉に固まってしまった。

 どこをどう解釈したら、私が魔物になりたいなんて思うの? 人間として生きづらそうと思われたのかな? だとしても、魔物はなくない? 

 全く可愛くないし……。せめて魔族じゃない? 

 クリフから見た私は一体どう映っているの……。

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