表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女は世界を救わない  作者: 大木戸 いずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/74

57

♢視点がミミに変わります

 今、私は目の前にいる小さな女性…………。彼女に助けられた。 

 素晴らしい動きだった。今まで見てきた中で最も洗練されていた。非の打ち所がない動きで敵を倒した。あの連中たちは強いわけではなかったが、決して弱いわけでもない。成人女性が一瞬で倒せるような相手ではない。

 なのに、力の数パーセントも出さずして彼女は三人を一気に躊躇することなく殺した。

 私がずっと求めてきた人材だ。今までいなかった……。

 評判の悪い聖女だろうが関係ない。私の主は誰が何と言おうと彼女よ……!!


 生まれた時からずっと隠れて生きていかなければならない人生だった。

 スネークマンは存在してはいけない存在。国の命令により滅亡したとされている。しかし、生き残りがいた。人間にバレずにこっそりと生活しなければならない。

 王都から随分と離れた僻地へと移り、その森の奥地に住処を築いた。自給自足をし、平和に過ごしている。だが、そんな中で主を見つけ出すなど、不可能。多くのスネークマンは覚醒することなく平凡な人生を送って死ぬ。

 ……私はそれが嫌だった。

 幼い頃、祖父からスネークマンの本来の生き方について教えてもらった。その時から、私は主を見つけ、強くなる生き方に強く惹かれた。

 スネークマンは生涯仕えたいと思う己の主を見つけた時に完成するものだと思った。それが美しい我々の生き方なのだと……。

 だが、現在森で過ごすスネークマンの中では、その生き方は古いと考えられていた。誰にも命を脅かされることなく、森でひっそりと過ごすのがいいのだと。

 今はスネークマンが見つかったからと言って、簡単に殺される時代ではないらしい。闇市では私たちの存在はとても貴重で高く売れるとか……。

 極稀にスネークマンの住処から出る者がいる。

 のんびり森でスローライフを送るのは嫌だという者たちだ。そして、私もその一人だった。数年に数名、主を探しに森を去る者たちがいるようだ。その後の彼らがどうなったのか誰も知らない。もう、住処に戻って来ることはないからだ。

 私も、同じ志を持ったスネークマン五人で森を出た。

 ………………だが、すぐに捕まってしまった。

 男三人は逃げ切ることができたが、私たち女二人は捕らわれた。

 私と共に捕まったスネークマンのレナは幼馴染だった。幼い頃から同じ夢を掲げて、仲良くなった。地下牢に一緒に入れられても、私たちは絶望しなかった。お互いに「絶対に抜け出して、主を見つけよう」と励まし合いながら希望を捨てなかった。

 だけど、世界はそれほど甘くない。

 私たちが想像していた何倍も惨く、危険だった。夢を追って外の世界に出てきた私たちに現実が突き付けられたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ