表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女は世界を救わない  作者: 大木戸 いずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/74

51

「面倒事に巻き込まれるのも悪くないかも」


 スネークマンを真っすぐ見つめながら満面の笑みを浮かべた。

 ……気の強そうな綺麗な顔立ちをした緑色の巻き髪。女だが、かなり背は高い。涙目の彼女と目が合う。どこか力が抜けたように彼女はその場に崩れ落ちて、「助けて」とか細い声で私に向かって口を開いた。

 彼女の首輪の鎖を持っていた顎鬚を生やした男が「おい、誰が座っていいなんて言ったんだよ!!」と乱暴な口調で怒鳴る。

 最強のスネークマンがこんな野蛮な男たちに捕まるなんて……。


「勝手に入ってきておいて、俺らのことは無視かいお嬢ちゃんよぉ~~」


 大巨漢の男が私に向かって、見下ろすように睨みつけてニヤッと汚い歯を見せてくる。彼は斧のような大きな武器を手にしていた。

 ……きっと、こいつがボス。

 首には分厚いゴールドのネックレス、手にはゴールドの指輪を沢山つけていて、きわめて下品。


「お嬢ちゃんみたいな美少女は高値で売れるぞ~~」


 うわっ、気持ち悪い~~~! 犯罪の匂いがプンプンだよ~~!

 大巨漢が再び汚い口を開き、残りの二人も私の方を薄気味悪い目で見てくる。虫唾が走るような嫌な視線だ。

 それに私のことをお嬢ちゃんっていうけど、もう二十二歳なんだよこっちは!!


「ねぇ、貴女、名前は?」


 私は男たちから視線を外して、スネークマンの方に再び視線を戻した。彼女は希望を失ったような目で私を見つめながら、「ミミ」と小さな声を発した。


「おい、誰が喋っていいって言った!? 勝手に喋んじゃねえよ!!」

 

 今度は髭のない男の方が怒鳴り、ミミの前にしゃがみ込む。そして、低い舌打ちをしたのと同時にミミの頬に拳で殴った。ゴンッと鈍い音が部屋に鳴り響き、ミミはその場に倒れ込む。


「おいおい、汚れたじゃねえか~~!! どうしてくれるんだよ~~!!」


 殴った衝撃で、ミミの鼻から鼻血が出たのだろう。髭のない男の手が赤く染まっている。ミミは「ううぅ」と小さな呻き声を上げていた。

 レイが「お前ら」と凄まじい殺気を放ち、今にも男たちを殺そうとしていた。

 

 な~~んだ、思ってたのと全然違う。

 スネークマンが殴られるのを止めることができた。けれど、伝説的な存在のスネークマンの力を見たかったから、私はあえて手を出さなかった。

 それで、この有様。

 もっと強くて、無敵な存在だと思っていたのに、なんだか残念。

 

 この一瞬で気分の落差が激しい。

 私の表情を読み取ったのか、レイは訝し気な視線を私に向けた。


「……なんか期待外れかも」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ