表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女は世界を救わない  作者: 大木戸 いずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/24

11

 とりあえず、ハリス登場のおかげで私たちはこれ以上争うことなく、ポジー村へと向かった。

 ハリスの登場には周囲の騎士たちも「ナイスですッ! 副団長!」という視線をハリスに送っていた。そして私も「グッジョブ」と心の中で親指を立てて感謝していた。

 苦手な人とくだらないことで言い合いしている時間って人生の無駄だもんね。さっさと切り上げるのが吉!

 歩いている間は基本的に私語を慎んでいなければならないし、あくびをしていても、眠っていても怒られる。「周囲の警戒を怠ることなく、目的地へ前進せよ」って厳しく言われているけれど、皆警戒することもなくボーッと歩いている人たちが大半だ。そして、私もその一員。

 ボーッとしているぐらいが丁度長続きする秘訣だと思う。

 …………ただ、こういう時間ってすごく暇だなのよね。頭の中で何かを考えるわけでもなく、手遊びできるわけでもなく、ただ足を動かすだけ。


「……ねぇ、貴女」


 なんか、隣を歩いている女性に話しかけられている。どうしよう。対応すべき?

 ちなみにシャーロットから離れたところにいる騎士たちは普通に会話している。私のいる位置は割とシャーロットに近めの位置だから、声を潜めなければならない。


「ケイト・シルヴィよね?」


 あちゃ、もう名前まで特定されちゃってるよ。私は相手のこと知らないのに……。

 私は仕方なく「何?」とコソッと声を出し、話しかけてきた女性の方を見る。透明感のあるグレーの色のベリーショートヘアに、この青い目。どっかで見たことがある気が……。どこだっけ。

 女性でここまで短い髪は珍しいな~~って思った記憶が……。いつだっけ。


「あの戦い以来ね」


 どの戦い……?

 あまりにも女性の親しげな様子に私は知り合いのふりをしておくことにした。一旦、ニコッと笑っておく。


「それにしても、スカッとしたわ」

「……何が?」

「さっきジェイ……あの騎士を殴ってくれた時。ぶっ飛ばされて、鼻血出して、ざまぁみろって感じ」


 女性は爽やかな雰囲気を醸し出しながら、なかなか辛辣な言葉を口にする。

 やっぱり嫌われているのか、ジェイ。

 今知ったばかりの名前を心の中で呼びながら、私は先ほど起こった出来事を思い出す。ジェイが突如私に「殺戮の聖女様~~」って煽り始めたのが始まりだった。周囲は「おい、やめとけよ」と軽く注意してくれていたが、全く効果なし。 

 というか、普段からそんな感じなのか、もう皆、注意することを諦めていたように見えた。最初こそ私は無視していたけれど、あまりにもしつこいし、鬱陶しいし、目障りだったから、彼に向かって「次言ったら殴るよ」と宣言した。

 ちゃんと事前に教えてあげたんだから、私は偉い方だと思う。

 そして、私が殴るよ宣言したにも関わらず、ジェイは私に向かってしっかりと「うるせえ、この人殺し」と言ってきたため、パンチを一発食らわせたということだ。

 確かに手を出したのは私だけど、そこまで私をイラつかせるようなことをしたジェイにも圧倒的に非がある! …………でも世の中、手出したもの負けだもんね。悔しいよ。


「私に害があったから殴っただけだよ」


 少しして、私はそう返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ