まるで灰色のパレットのような、染衣雪野に関して
夏目水季〈なつめみずき〉は、心に広がる虚無に諦観した。
物心ついた頃から何にも感動せず、何にも心を動かされなかった少年は、高校生になるのを境に、その孤独を享受した。
人付き合いを避け、平均点を目指し、暗がりに身を隠すことで、彼は徹底的に目立つことなく学校生活の中に溶け込んでいた。
『完全無欠の美少女』と言われた染衣雪野〈そめぎぬゆきの〉もまた、本質的には彼と同じだった。
彼女はその心に抱えていた無にも等しい人間性を、それでもなおひた隠しにし、必死に人並みを演じ続けた。
積極的に人付き合いをし、満点を目指し、陽光の下に身を晒すことで、彼女は他人の多様な感情をその身に受け止めていた。
心を諦めた少年と、心を諦めきれなかった少女が出会う。終着点のない孤独に身を寄せ合うまま、未来の一点をぼんやりと見据えて。
物心ついた頃から何にも感動せず、何にも心を動かされなかった少年は、高校生になるのを境に、その孤独を享受した。
人付き合いを避け、平均点を目指し、暗がりに身を隠すことで、彼は徹底的に目立つことなく学校生活の中に溶け込んでいた。
『完全無欠の美少女』と言われた染衣雪野〈そめぎぬゆきの〉もまた、本質的には彼と同じだった。
彼女はその心に抱えていた無にも等しい人間性を、それでもなおひた隠しにし、必死に人並みを演じ続けた。
積極的に人付き合いをし、満点を目指し、陽光の下に身を晒すことで、彼女は他人の多様な感情をその身に受け止めていた。
心を諦めた少年と、心を諦めきれなかった少女が出会う。終着点のない孤独に身を寄せ合うまま、未来の一点をぼんやりと見据えて。
ただ溺れるまま、もう少しだけ
2024/03/15 19:00
0章1節 僕が見るもの
2024/03/15 20:00
0章2節 わたしが見たもの
2024/03/16 20:00
0章3節 とても空虚で底が浅いものごとの一つ
2024/03/17 20:00
0章4節 密やかな旅路、ささやかな巡礼
2024/03/18 20:00
0章5節 まぼろしよりもはっきりとした
2024/03/19 20:00
0章6節 灰色の空、二十二度の沈黙
2024/03/20 20:00
0章7節 君が君たり得るもの
2024/03/21 20:00
0章8節 正しい順序
2024/03/22 20:00
0章9節 青白い月、二十一度の言葉
2024/03/23 20:00
0章10節 紅白の花束を
2024/03/24 20:00
0章11節 君たちに向けて
2024/03/25 20:00
0章12節 まるでガラスの木が風に逆らうように
2024/03/26 20:00
0章13節 苛むものたち
2024/03/27 20:00
0章14節 祈り、もしくはもっと現実的な方策
2024/03/28 20:00
0章15節 今更立ち止まることなんてできないのだから
2024/03/29 20:00
0章16節 ふたり、ひとり
2024/03/30 20:00
0章17節 もう一度、初めから
2024/03/31 20:00
0章18節 魂の一部を交換する
2024/04/01 20:00
0章19節 舞台袖でワルツを
2024/04/02 20:00
0章20節 それなりの日
2024/04/03 20:00
0章21節 足並みを揃えて、道を外れないように
2024/04/04 20:00
0章22節 どうしようもなく
2024/04/05 20:00
もう溺れずとも、あと少しで
2024/04/06 19:00
0章23節 目を開けてみて
2024/04/06 20:00
0章24節 僕と君、星々、灰色の光
2024/04/07 20:00
1章1節 また明日も
2024/04/08 20:00