第25話 魔王の魔羅
「わーわーわー！ 初めて見た異性の裸が魔王だなんて……穢れちゃいます。自分が穢れちゃいます」
〝アミーリアたん、顔を手で覆ってるくせに指の隙間からしっかり見てるぞ〟
〝ちょっと嬉しそうな顔しやがって〟
〝このチンコ魔女！〟
「なんてこと……私がやってもモザイクがかからないわ。もの凄いモザイク耐性！ 絶対に露出するという気迫を感じる……これが魔王なのね……」
〝シルヴァナさんが冷汗を!?〟
〝モザイク耐性という新たな概念〟
〝チンコって魔羅とも言うよな……〟
〝魔王の魔ってそういうアレか！〟
「モザイク魔法が効かないなら、本体から切り離しちゃいましょ！」
「ぎゃああああああああああああああ！」
〝真空波的なのでチンコ切り落としたｗ〟
〝モザイク魔法に耐性があっても攻撃魔法は効くのか〟
〝魔王のチンコは頑丈なんだろうけど、シルヴァナさんの魔法の威力が異常ｗ〟
〝本体から切り離したらモザイク魔法が発動したぞｗ〟
〝モザイクが宙を舞ってる〟
〝笑いすぎて腹筋壊れそうｗｗｗ〟
「拓斗、今よ！」
「応っ！」
〝拓斗さんが光の剣を出したぞ〟
〝ジェダイか〟
〝光が伸びる！〟
〝そして振り下ろした！〟
〝魔王が脳天から真っ二つ!?〟
〝え、もう決着？〟
〝チンコを先に切り落とした意味は？〟
〝ないｗ〟
「ぐあああっ！ 馬鹿な……いくら完全復活していないとはいえ、我が人間ごときに……だが、これで勝ったと思うなよ。この物理的な肉体は我の本体ではない。魂を封印しなければ、我はすぐに復活する。しかし我の魂を封印するにはドラゴンの角が必要だ。そしてドラゴンはすでに絶滅している！ 数日後に我は帰ってくるぞ！ ふはははは！」
〝魔王、消えちゃった〟
〝それにしてもドラゴンも絶滅してるのか……〟
〝どっかで生き延びてるフラグだろ〟
〝生き残りがいたとしても探すのが大変だな〟
「うーん……魔王の言葉は負け惜しみじゃなさそうね。魂は無傷で残ってるわ。復活する前に干渉して防ぎたいけど、難しそうね」
〝シルヴァナさんでも無理か〟
〝じゃあドラゴンを探すしかない〟
「仕方ない。龍飛崎に行くか」
〝！〟
〝その方法があったか〟
〝なんかチートを通り越して、別のゲームからアイテム持ってくるみたいだなｗ〟
「あ！」
「ばあちゃん、どうした？ 急に大声を出して……」
「アマゾンから荷物が届くの忘れてたわ。時間指定してたの！」
〝アマゾンって青森県にも配達してるのか！〟
〝さすがアマゾン〟
〝青森県に辿り着けるとか政府より優秀じゃん〟
「私、先に帰ってるわね。ゴーレム回収しておくから、あなたたちはゆっくり帰ってきなさい。晩御飯には間に合うようにね～～」
〝一人で行っちゃった〟
〝なら二人っきりでドキドキ魔王城探検だな〟
〝押し倒せ！〟
「そんなことするわけないだろ。けど魔王城探検ってのはいいアイデアだな。アミーリアさん、ちょっとウロついてみようよ。……アミーリアさん？」
「ど、どうしましょうタクトさん！ さっきはシルヴァナさんが魔法陣を修正してくれたから成功したんです……私一人で青森県へのポータルを開けるでしょうか……!?」
「げ！ ばあちゃんを追いかけよう！」
「はい！」
〝思わぬピンチ〟
〝シルヴァナさん、その辺にいるかな？〟
〝ゴーレムのとこにいた！〟
〝駄目だ。丁度ゴーレムと一緒に消えちゃった〟
「くっ、遅かったか。仕方ない。アミーリアさん、頑張って。上手くいかなかったとしても、ばあちゃんが心配して迎えに来てくれるから、気軽に」
「分かりました……まあ手本を見てるので、成功するとは思いますけどね。えい！ あれ？ えいっ！ ……あれれ？」
「無理っぽい？」
「いえいえ！ そう焦ってはいけません。私にもプライドがあります。成功させて見せます。えい、えいっ！」
〝意地を張ってるアミーリアたん可愛い！〟
〝お、魔法陣が光を放ち始めたぞ〟
〝上手くいきそうか？〟
〝転送！〟
〝景色が変わった〟
〝青森県かな？〟
〝でも拓斗さんの家じゃなくね？〟
〝畑に囲まれた道路だから田舎なのは間違いない〟
