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第24話 魔王降臨

「ねえねえ。あの階段を上ってみましょ。強そうな気配は上のほうからするから。きっと魔王は上よ~~」


「強そうって言っても、この城の中では、って意味だけどな」


「魔王だって本気を出せば、もうちょっと強そうな気配になるわよ~~」


「じゃあ油断しないで行くか」


「あ、見てください。階段を上った先に、大きな扉があります。きっと……あの先に魔王がいるんですよ!」


「いかにもって感じね。私が開けるわ~~」


「待ってください。もっと慎重に――」


〝開けちゃったw〟

〝この二人に慎重さを期待しても駄目だよ〟

〝広い部屋だな。玉座の間って感じ〟

〝誰もいないぞ〟

〝待て。床に黒い魔法陣が広がったぞ〟

〝影が出てきた!〟


「我は魔王……まだ力を完全に取り戻していないとはいえ、よくぞ我の結界を破壊してここまで辿り着いた。しかし、愚かよ。貴様らはここで死――」


〝拓斗さんとシルヴァナさんが光の槍で先制攻撃だ!〟

〝ちゃんと最後まで言わせてあげようよw〟


「ぐわああああああああああああああああああっ! な、なんだこの力は……いや、待て、お前はエルフ!? すでに死に絶えたはずだぞ!」


「そんなこと言われても私は生きてるし、白神山地に沢山いるわよ~~」


「シラカミサンチ……?」


〝この世界のエルフは全滅してるのか〟

〝ファンタジー世界にいないのに青森県にエルフいるのは草〟

〝これで異世界より青森県のほうが異世界なのがハッキリしたね〟


「くく……ではシラカミサンチとやらがどこにあるのか、ゆっくりと聞き出してやろう。我の真の姿を見るがいい!」


〝影が実体化していく!〟

〝デカいな。五メートル近くはあるか?〟

〝身長だけじゃなくて幅もある。マッチョ!〟

〝肌が紫だ! 紫色のマッチョだ!〟

〝黒い角と翼があるな。魔王っぽい〟

〝お、輪郭がハッキリして細部も見えるようになったな。六つに割れた腹筋!〟

〝待て、腹筋とかどうでもいいぞ。それより下!〟

〝全裸だ! 全裸魔王だ!〟

〝チンコ!〟

〝紫のチンコ!〟

〝チンコ! チンコ! チンコ!〟

〝図体の割に小さいな〟


「わああああ! なんですかあれ! 象さんの鼻みたいなのが! 紫の象さんがあっ!」


〝アミーリアたんがパニックってるw〟

〝初めて見たのか〟

〝拓斗さん早くモザイクを!〟

〝垢バンされるぞ!〟


「あ、そうか、こんなの配信してたらヤバイ! くそ、生配信でモザイクかける方法が分からん……光魔法で直接モザイクをつけてやる!」


〝現実を改変するのか〟

〝閃いた! そのモザイク魔法があれば全裸で外出しても捕まらない!〟

〝全身モザイクの奴が歩いてるだけで職質待ったなし〟

〝そもそもなんの目的でそんなことするんだ〟

〝全裸で外に出ちゃってるドキドキ感を味わうために決まってるだろ。そんなことも分からないのか〟

〝分かるか!〟


「くく、無駄だ。なんの魔法を使ったのか知らぬが、我はあらゆる弱体化魔法に耐性を持っている」


「モザイクがかからない……!」


〝ピンチだ!〟

〝拓斗さんの魔法が効かないなんて〟

〝そんなにチンコ見せたいのか!〟

〝このチンコ魔王!〟

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[一言] チッ…魔王は♂だったか…。
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