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<R15>15歳未満の方は移動してください。

悪役令嬢の執事に転生したので更生させます。

作者: ユキア

俺は、今まで何故忘れていたのだろうか?ここが、乙女ゲームの世界だと言う事を!!


俺は転生したらしい。前世、妹から半ば無理やり誘われた乙女ゲームをクリアした翌日、不慮の事故にあい、命を落とした。そして、今、ふと思い出したのである。


「ルイ、喉が乾きましたわ。まだなの?ルイ、聞いているの?」


「え、あ、はい。お嬢様。」


「ちょっと、それ、溢れてるわよ!?」


「あ、あーあ。すみません!すぐに入れ直します!」


「全く!しっかりしなさい!」


この麗しい叱責をしているのが僕の主にしてこの乙女ゲームの悪役令嬢、ローズ・ロッド(15歳)。


美しい蒼の瞳と銀髪の持ち主。見た目は誰もが羨む美少女。だが、そんな彼女の性格は最悪だった。


「お嬢様、お茶が入りました。」


「お茶1つまともに入れられない低能になったものね!ふんっ!」


か、可愛げねぇーーーっ!?


こんなにかわいい見た目なのに中身は最悪だった。


おっと、待てよ。今乙女ゲームのどの段階だ?


えーと、確か、王子に主人公が求婚されて、主人公をローズがいじめて、婚約破棄されて、で、……で?


あ、明日だ!あ、あ、明日、断罪される!?


今までの嫌がらせを訴えられてこの生意気お嬢様は断罪され、最悪処刑される!!


「お、お嬢様。」


「何?」


「あ、明日は、学園を、おや、お休みしませんか?」


「は?どうしてですの?使用人の分際で私に指図するなんてどう言うつもり?!」


「す、すみません。」


くっそーーっ!このままじゃお嬢様は断罪される!そして俺も巻き添えになるんだーー!?どうすればっ!


翌日、お嬢様は魔法学園へと行ってしまった。そこでお嬢様を待っていたのは断・罪・イ・ベ・ン・ト☆


「ローズ・ロッド!君を死刑とする!」


「そ、そんなっ?!どうしてです?!クラウス様!」


「今までアリスがどれだけ嫌がらせを受けてきたか!これがその証拠だ!!」


魔法水晶にアリスへの数々の嫌がらせが写しだされた。


「そ、そんな、何かの間違い、作り物よ!」


「では、証言者に証言を頼もう!前へ出てくれ。」


王子クラウスがそう言うとローズの取り巻きだった3人が前へでる。


「私、ロッド様にアリスさんへの嫌がらせを手伝えと言われましたわ。お花摘みに行ったアリスさんに水をかけました。」


「私も、ロッド様に命じられて、アリスさんの教科書を隠しましたわ。」


「私もです。アリスさんの机を隠しましたわ。」


「これだけの証人がいても君はっ!」


「嘘よ!嘘!そんなの嘘よ!クラウス様!その女を信じないでください!私は、何もっ……」


ローズは婚約破棄され、断罪されているのに、この期に及んでもクラウスを思っていた。


悪事を暴かれ、味方を失い、孤立無援になったお嬢様は哀れだった。執事として、何かできないのか!?何か!!


そう思った瞬間だった。眼の前が急に光ったと思うと………。


「ルイ、ルイ!」


「え?」


「ルイ大丈夫?」


「お嬢様が縮んだ?!」


「失礼ね!縮んでなんていませんわっ!」


「ここは……」


ルイは自分の手のひらを見る。小さい!?


「ルイ、貴方、慣れない靴の私を庇って転んだのよ!大丈夫?」


「あ、はい。お嬢様、今何年ですか?」


「今は■▽〇☆年ですわ。」


「え、えええええええええ?!」


戻ってる?!戻ってる!?戻ってるぅ?!?!


「うるさいわね。」


「す、すみません。」


ここは10年前の世界、だと!?なら、しなくちゃいけない事は1つだ!


「お嬢様!」


ルイはローズの両肩を掴む。


「は、はい?」


「今日から更生しましょう!!」


「こう、せい?」


こうしてローズ更生プロジェクトが始まった。

まず、優しい性格になるように生き物の世話をさせてみた。


「お嬢様!猫など飼われてはいかがでしょうか?」


「猫なんていらないわ。」


「うっ……。」


「そうね、”馬”ならよくってよ?」


「”馬”?」


「さ、”馬”になりなさい!ルイ!」


「へ?お、俺?!」


「当たり前でしょ?」


その後の記憶は思い出したくないひひーん。


次に、お嬢様が将来困らないようにダンス、魔法、剣術、乗馬と、色々な事をしてもらった。中でも乗馬が上手くなった。


これなら王子も1目おくのでは?と、思ったのだが、王子は相変わらずお見合いを断る為だけにローズを使う。薄情な王子なんて諦めてしまえばいいのに、恋する乙女は盲目だった。


こうして、10年がたった。


「ルイ!早く学園へいきましょ!」


「はい。お嬢様!」


優しい性格になったかは分からないが、いざと言う時に備える事はだいたいできたはずだ。これでっ!


始業の鐘が鳴り響き、花が咲き誇る中2人は学園へと向かう。そして、無情にも運命はほぼ変わらなかったが、死刑は免れ、国外追放となった。


「ルイ、貴方となら、国外追放も、悪くないと、思っているわ。」


「お嬢様、お力になれずにすみません。」


「ルイと言う友達がいるのだもの!何も怖くはないわ!」


そう言ってローズはルイの手をとって新天地へ向かうのだった。


読了ありがとうございます。


少しでも面白いと思っていただけたら『ブックマーク』と、評価の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いします。

評価によって続編も考えております。是非よろしくお願いします!

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