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7.続★青春フィーバー!! 前編

それは別名、『春の嵐』と呼ばれる。

迫りくる恐怖を、人々は避けることができない。せめてもの対策は立てるが、直前に始めたところでそれはすでに無意味。あっという間にやってきて、あっという間に去ってゆく。甚大なる被害と未来への絶望、空虚を残して。

回避不能の絶対的恐怖。その正式名称は――



「そんなわけで、来週の木曜日は春休み明けの宿題考査。テストです。宿題として配った問題はもちろん、二年生の範囲が全般的に出ますので、しっかり復讐するように。では、HRを終わります」

「忘れてたぁァァァァーーーー!!!!!」



雄介は叫んだ。

クラスメイトからの視線が突き刺さる。アホを見るような視線だ。事実、アホを見ている。



「この前、勉強するために文房具買いにいったじゃないですか…」

「だから、あれは楓良と文房具店行くためのただの口実だったんだって!!」

『え…? 口実?』

『じゃあもしかして、本当は…』

「せ、先輩! 誤解を生むような言い方しないでください! 皆、違うからね!! 皆が思っているようなことじゃないから!!!」



現実はなんとムゴイことか。



「やべぇな…くそ、今から勉強したら何とか…」

「一日5時間勉強してそれでも留年し続けている人が何を言ってるんですか」

「う…」

「…。…幽霧くん、もしよければ私が個人指導してあげましょうか?」

「えっ」

『なにぃぃぃ!?』



雄介が驚き、クラスメイト達がさらに驚いた。



『俺らの優香ちゃんが、あんなバカと二人きり!?』

『そんな! なんで…! あんなバカなのに!!!』

『先生! そんなバカは教えても意味ないので、ぜひとも俺に個人指導を…!』

「バカバカ言いすぎだろバカヤローども」



あるものは怒り狂い、あるものは嘆き、あるものは絶望する。当たり前だ。クラスのアイドルがクラスの(別の意味での)アイドルに、自ら個人指導をいい進めたのだから。



「別に、深い意味はありません。ただこれ以上あなたにバカになられて、また留年になったら、うちの旦那様がかわいそうだからです」

「ああ、そうなのか。あいつのためっていうのがちょっと嫌だけど、それだったら…」

「ちょ、ちょっと待ってください!」



お願いします、という雄介の言葉を遮ったのは、優香loveな男子たちではなく、楓良だった。



「…? 楓良、どうした」

「!! あ、い、いえ…えっと…その…」

「…杉山さん?」

「あの…、…ベ、勉強だったら…わ、たし、が…」



徐々に語尾が小さくなっていく楓良に、雄介が首をかしげる。

しかし優香は何かを察したらしく、小さく微笑んで、言った。



「…ああ、そうだ。そういえばこれから一週間は、私、早めに家に帰らなくちゃいけないんでした」

「え、じゃあ先生の家で…」

「たぶん旦那様も家にいます」

「ごめんなさいボク自分で勉強することにします」



雄介は即座に言った。迷う時間など一瞬もなかった。あの大魔王がいる家で勉強? 冗談じゃない。



「でもまた留年されては困りますから…、…そうですね、杉山さん。あなたが教えてあげてください」

「えっ」

「楓良?」

「常に学年首位で話もわかりやすいあなたなら、きっと私の代わりを務めてくれるでしょう。お願いします」

「え、えっと…」



困惑する楓良。雄介は楓良の方を向き直る。



「楓良、頼めるか?」



チラ、と優香を見ると、ニヤニヤと意味ありげに楓良を見ている。



「…わ、わかりました」



いつもは全く気にしていなかった、『春の嵐』も、今年はだいぶ荒れそうだ。…楓良はふぅ、とため息をついた。

や ば い。楽しすぎる。

もともと恋愛要素はあまり入れるつもりなかったんですが、だめだ、楽しい。恋愛小説って見るのはだめだけど書くのは大好きです。

でもはたして需要あるのか…? このギャグ小説に恋愛要素って。


そして次回、新キャラ登場!…の予定。

いつ更新するかもわかりませんが。ほんと、亀でスミマセン…

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