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6.青春フィィィィィィィバァァァァァァァ!!!!!!

衝撃の真実が暴露された、その日の放課後。

楓良と雄介は、駅までの道を二人きりで歩いていた。


無言で自分より少し背の高い雄介の横を歩く楓良は、チラ、と気づかれないように雄介に視線を向ける。


(なんだかんだでOKしちゃったけど…これって、はたから見れば、)

「なんか、デートみたいだなー」


自分が心の中で考えていたことを雄介に突然言われ、楓良はおもわずビクッ、と体を震わせた。

雄介は特に深く考えていないのだろう。ケラケラと笑って相変わらず楽しそうに歩いている。が、実を言うと少しだけ、雄介に異性としての魅力を感じている楓良はたちまち顔を真っ赤にする。

それを見て雄介は不思議そうに首をかしげた。


「どした? 暑いのか? まだ春だけど…あー、でも今日は結構あったかいよなー」

(こ、この先輩は~…!!)


穴があったら刺殺して埋めてやりたい。楓良は思った。

口に出すのも恥ずかしいので、とりあえず恨みのこもった目で雄介を見る。しかし雄介はすでに前を向いていて、楓良の視線には気付かない。

心の中で舌打ちをして、楓良も前を向いた。


「それで、どこに買いに行くんですか?」

「いや、それを聞きたいから楓良を呼んだんだけど。どっかにいい文房具屋さんない?」


いい文房具屋さんと言われても。楓良は困った。

そして、教室にいた時から思っていたことを口に出す。


「…先輩。勉強道具を変えたからって、頭が良くなるとは思いません」

「う…。わ、わかってるけどよ。いいじゃん別に。ここまで来ると、悪あがきしたくなるもんなのー」


そんなことを言っているうちに、駅に着いた。電車を待っている間に二人で話し合い、結局いま一番人気の文房具屋に行くことにした。


『一番線に、急行電車が通過します――』


アナウンスが鳴って、電車がこっちへ向かってくるのが見えた。

それを何となしに眺めながら、雄介はなんとなしに呟いた。


「まあ、実を言うと勉強道具なんて、ただの口実だったんだけどな。お前と文房具屋に行くための」

「…え?」

「だって、俺――」


雄介が何かしゃべる。しかし、その声は電車が通過する音でかき消された。


「――だからさ。」

「え、え、先輩。今なんて言ったんですか?」

「は? 聞こえてなかったのかよー」

「電車が通り過ぎたんで…すみません」

「しかたねーなー。もう一回言うぞ。…だって、俺――」


こんどこそ、はっきり聞こえた雄介の言葉に、…楓良は顔を真っ赤にした。








「最近の流行とか全然わかんなくてさ。楓良って結構そういうの詳しいから、知っておきたかったんだよ。」







――怒りで真っ赤になった顔を見られないようにするため、楓良は雄介の顎にアッパーを喰らわせたのだった。



久しぶりすぎる更新。すみません…。


青春フィーバー中の楓良と、死ぬほど鈍感且つ最低な雄介。書いててすごく楽しかったです!!

補足すると、楓良は雄介のことを異性として意識はしていますが、はっきりとした恋愛感情は抱いていません。「これは恋心なの? いやいやいや…」っていう感じ。純粋過ぎて考え方が中二(笑)

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