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この迷宮を攻略するには何が必要ですか?  作者: シュトローム
第一章 迷宮攻略・故郷奪還編
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EpiSodE056:ロノウェの行方Part.2

 「着いたね!夏生、どう?なんか気配とかある?」


 姫那と夏生とルーナは中央の巨城シャルストラに着いていた。


 「今のところ何も感じないな。これだけ広いと気配を探るのも一苦労だし、相手が来るとわかっていたら気配も消すだろうから、なかなか見つけるのは骨が折れるかもな」

 「そっかー。誰か一人でも見つけたら私が聞き出すのにな〜」


 最悪見つけるのはロノウェじゃなくてもいい。

 配下の悪魔を見つければ姫那がロノウェの居場所を吐かせる事は容易だった。


 「とりあえずこの必要以上にデカい城を探すしかないな」

 「そうだね!手分けして探そうよ!」

 「三人で手分けするのは危ないだろう」

 「三人じゃないよ!夏生は一人で、私とルーナは一緒に探す!」

 「あ、、そう」


 夏生はてっきり三人全員が別々になって探すのだと思っていたが、姫那は当たり前かのように夏生を一人にして自分とルーナは一緒にというのを提案してきた。

 もちろんそれでいいのだが、むしろそれがベストだと思うのだが、何か少し寂しくなった夏生であった。


 「じゃあ、二手に分かれて探すが、見つけたら必ずブレスレットの外し方を聞くんだ。いくら姫那が外せると言っても莫大な数のブレスレットを外すには手間がかかりすぎる」

 「わかった!」


 そして姫那とルーナ、夏生に分かれて捜索を開始した。

 城は見た目では4階建てくらいの見た目だが、高さは10階建てのビルくらいの高さはあり、部屋数もどれくらいあるのか分からないくらい横にも広く、周りの塔より一際目立っていた。

 そんな大きすぎる城をしらみ潰しで探していくしかない。

 倒すだけなら夏生の斬撃などで建物毎破壊すればいいが、ブレスレットの外し方を聞くまでは殺せなかったので、その捜索方法しかなかったのだ。


 捜索を開始したのは良かったのだが、、


 「ぜんっぜん誰もいない!声も全くしないし、もうこの城には誰もいないんじゃないの?」


 姫那が大きな独り言を叫ぶ。


 「夏にぃの方も誰も見つけてないかな〜。私達が来るの遅かったのかもしれないね、、」


 ルーナももう城にはおらず南の門から逃げたんじゃないかという可能性を疑い始めた。

 そして、少し休憩しようと窓から外の景色を見たその時。


 「ふぅ。。ん?あれってもしかして、、」


 ルーナが窓から何かを見つけた。


 「ねぇ、お姉ちゃん!あのここから遠ざかっていってるのって悪魔達じゃない?」

 「え?どれどれ〜?」

 「わ!そんなに乗り出したら危ないよ!」


 姫那が窓を開けて身を乗り出し、その姿を確認しようとしていた。


 「あれ、絶対そうだよ!しかも夏生とエリーの予想通り、南の門の方に向かってる!」

 「ほんとだ!夏にぃに伝えに行こうよ!」

 「うん!そうだね!」


 偶然の賜物だが、ルーナのお手柄で城から逃げ出した悪魔らしき集団を見つけた。

 そしてその事を夏生に伝えるべく、最初に夏生と分かれた場所に戻り、夏生が向かった方にルーナが姫那を抱えて飛んで移動した。


 「夏にぃ何処にいるんだろ、、」

 「折角悪魔を見つけたのに、これだけ広い場所から人一人を探すのなんてすごい時間かかっちゃうよ、、」


 二人は城が大きすぎる故に、夏生一人を探すのはなかなか難しいと思っていた。


 「あれ?お姉ちゃん、あれってもしかして、、」


 ルーナがまた何かを見つける。


 「あれは〜、夏生だね〜」


 姫那も何か変な反応をした。


 「お前ら何でこっちに来てるんだ?もしかして、悪魔を見つけたのか?」

 「見つけたのは見つけたんだけどさ、夏生それ何やってるの、、?」

 「あ?悪魔を探してるんだよ。何わかりきった事聞いてんだよ」

 「いや、流石にそんなとこにはいないと思うんだけどな〜」


 夏生が探していた場所はベッドの下やタンスの中だった。


 「かくれんぼじゃないんだからさ〜!そんなとこにいるわけないじゃんか!夏にぃバカなの?」

 「バ、お前らちょっと言い過ぎなんじゃないか。俺は隠し扉とかそういうのがないか探してたんだよ!」


 夏生が姫那とルーナから目を逸らして、いかにも嘘をついていそうな言い方だ。


 「ほんとかな〜?」

 「本当だよ!てか、こんな事やってる場合じゃねぇだろ!悪魔は何処いたんだよ!」


 夏生が無理矢理話を戻した。

 姫那とルーナはクスクスと笑っていた。


 「お前らなぁ、、」

 「わかった、わかったよ!ごめんごめん!なんか夏生にも可愛いところあるなって思ってイジりたくなっちゃったの!」


 あまり見せない夏生の意外な姿に姫那とルーナはツッコまずにはいられなかった。


 「悪魔達はもうこの城にはいなくて、夏生が言ってた通り南の門の方に向かってた!でもまだ見えるところにいたから、まだ門には着いてないと思う!」

 「そうか。じゃあ急いで追いかけよう。ロノウェしか知らない道とかがあって、その道を使っている可能性とかもある。そうされたら厄介だからな」

 「「うん!」」


 そして三人は城を飛び出し、姫那とルーナが悪魔を見たところに向かう。


 「悪魔がいたのはどの辺りだ?」

 「さっき見たのはその角を左に曲がったところ!」

 「了解!多分もういないだろうけど、何か手掛かりがあるかもしれないし、一応行ってみるか」


 左に曲がると、やはり誰もいなかった。


 「まぁ流石に同じところにずっと滞在はしないよな。そういえばその悪魔は何人いたんだ?」

 「私が見えたのは三人かな?」

 「私もだよ!」

 「三人か。だったら他の悪魔は何処に行ったんだ?まさかあのデカさの城に三人しかいないなんて事もないだろう、、」


 実際に城から逃げたのは五人だった。

 そしてあの中央の巨城に元々いたのは三十人程だった。

 残りの二十五人は何処にいったのだろうか。


 「他の悪魔は始末したか」

 「始末って、、どういう事?」

 「わかるだろ。同士討ちだよ。人数を減らすためのな」

 「それって、逃げやすくする為って事?」

 「あぁ。人数がいればいるほど逃走には向かない。だから同士討ちをさせて、最低限の精鋭だけを連れて城から逃げたんだろう。これはあくまでも予想だがな」

 「もしそうならロノウェって悪魔最悪なやつだね」


 悪魔は上下関係はあるが、同族を殺したりはしないと思っていた。

 もしそうであったのならロノウェという悪魔は姫那にとって一番嫌いで許せない部類の悪魔になる。

 同族にすら優しくなれない悪魔にかける情はない。それが姫那と夏生が珍しく共通して思う事だった。


 「どちらにしても向かう先は南の門だから、とりあえずそっちの方に向かおうか。エリーと葵もその前にいるだろうし」


 先程から後一歩のところで逃げられてしまっているが、姫那達は確実にロノウェを追い詰めていた。

 だが、この街の悪魔のボスをそんなに簡単に捕まえる事ができるのだろうか。

予想以上に4階層が長引いてますが、そろそろクライマックスに入ってきます!

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