EpiSodE046:4つの塔
毒の悪魔の猛毒に侵された葵を救うべく、解毒を施したが、葵は助かるのか、、
「葵ちゃん!」
姫那が声をかけるが応答がない。
「葵ちゃん!起きて!」
「ゴホッゴホゴホッ」
葵が目を覚ました。
「起きた!大丈夫?葵ちゃん!」
「姫那、、さん。僕は生きてるんでしょうか?もしかしてこれはもう死後の世界とかじゃ、、」
「葵ちゃんは生きてるよ!もう!そんな冗談みたいな事言わないでよ!」
「はは、生きててよかった。皆さんありがとうございます」
まだ意識が戻ったばかりで朦朧としているが、毒の危機からは逃れられた。
「なんなんだお前は!お前の命令を聞くなんてありえないのに、何で俺はお前に従ったんだ!」
毒の悪魔が何故自分が解毒をしたのかわからず、混乱していた。
「私のギフトが洗脳だからだよ!」
「洗脳?聞いていた話と違うぞ!お前の能力はサイコキネシスじゃなかったのか?」
「え?何それ?そんなギフト聞いた事もないけど」
どうやら悪魔に広まっている姫那の能力はサイコキネシスという事になっているらしい。
悪魔側からすれば脅威ではあるが、対処できないほどでもなかった。
歓楽街の時は全員が油断していたからと結論づけた。
だが、姫那のギフトはサイコキネシスではなく、洗脳だ。
例え油断していなかったとしても姫那のギフトの前では何もできなかっただろう。
それ程姫那の洗脳は強力なのだ。
「お前ら悪魔の敗因は俺達を甘く見た事。そして何より姫那のギフトを間違って理解した事だ」
「敗因?僕たちはまだ負けてなんてないじゃないか!僕が死んだとしても他の悪魔、僕以外にも強い悪魔がいる。その悪魔が君達を抹殺する!」
「お前らは一番高位の悪魔が負ければどうせ全員逃げ出すだろ」
「一番上が負ければ逃げる?そんな事思ってるのか君たち人間は。そんなに僕たちが一丸になってると思うのか?」
「、、、そうかよ。それは楽しみだな。とりあえずお前はここで終わりだ」
毒の悪魔は夏生によって討伐された。
「これでわかったな。悪魔は逃げてるんじゃなく狩場に俺達を誘ったんだ」
「じゃあここって一番危ない場所じゃないの?」
「そういう事になるな」
今姫那達がいる場所は広場のど真ん中で、悪魔からすればかっこうの的であった。
「何呑気なこと言ってるの?危ない場所なら早く逃げようよ!」
ルーナは焦っていた。
「とりあえず東の塔にいこう。そこならまだ安全なはずだ。葵は俺が抱えていく」
夏生以外は何故東の塔なら安全か、エルサリオンの言葉に少し疑問を覚えたが、エルサリオンが言うなら安全なのだろうとみんな迷わず東の塔に向かう。
「それで、なんでこの東の塔が安全なの?」
「さっきの毒の悪魔がこの塔のトップだった。そして外を見てみろ」
エルサリオンの予想はこうだ。
この広場には4本の塔がある。
まずは今エルサリオン達がいる東の塔。そして他に西と南と北にある。仮に西の塔、南の塔、北の塔とする。
各塔には毒の悪魔のように大将がいて、そしてそいつらを倒さなければならないというのがエルサリオンの予想だった。
「でも悪魔は一番高位の悪魔が負けたらみんなどっか行っちゃうんじゃないの?」
「俺もそう思っていたんだが、さっきの悪魔が夏生に最後に言った言葉が本当だとすると、、」
「そうだな。この4階層の悪魔は一人の悪魔の元に集まってるってわけじゃないみたいなんだ。いくつか派閥があるって感じだな、たぶん」
夏生とエルサリオンが言ってる事が正しいのであれば、それは相当やっかいな状況だ。
今までならトップ一人を倒すだけでよかったが、ここはまとまりがない分多くを倒さないといけないのだ。
「そうなの?だから全員倒さないといけないって事?」
「いや、全員ってわけじゃなく、派閥ごとのトップを倒せばいいと俺は踏んでいる」
派閥で分かれているといえど、派閥でトップがいるのであればその悪魔を倒せばその下についている悪魔は逃げ出すんじゃないかとエルサリオンは考えていた。
結局のところ悪魔の組織はトップ以外は横並びでトップが敗れれば統率は取れないのだろうと。
「という事で、俺たちは今から他の3つの塔を制圧する方向でいく。そこで相談なんだが、リスクは大きいが成功すれば一番手っ取り早い方法か、リスクを抑えて確実性を重視する方法かどっちの方がいい?」
エルサリオンの提案の内容を夏生はすぐ理解したが、他はどういう事かわからなかった。
「俺は前者の方がいいな。後者でもリスクがないわけじゃない。だったらリスクがあってでも悪魔側が何が起きてるかわからないくらい早く片付けた方がいいと思う」
「リスクがあるとかないとかどういう事?もう少しわかりやすく話してよ!」
姫那が痺れを切らしてもっと詳しく説明するよう要求した。
「わかった。まずリスクが大きいというのは三手に分かれて各々で全部の塔を制圧すると言う方法で、リスクが少ないというのは全員で同じ塔に向かって一つずつ制圧するか。この二択だ」
「そんなの全員で行った方がリスクが低いからそっちの方がいいんじゃないの?」
姫那の言っている事は尤もなのだが、一つすごく懸念される点があった。
それを夏生が説明する。
「全員で行くとそれだけ悪魔に時間を与えてしまうからな。そうなるとこっちの情報が悪魔から漏れたりや対策を練られる可能性もゼロではないからだ。そう考えると時間を与えるよりかは早々に決着をつけた方が得策だと俺は思った。それを踏まえてみんなどう思う?」
夏生の言っている事は全て理にかなっていて、そうするべきなのだ。普通ならば、、
「でもそうなると葵ちゃんが、、ここに残していくの?」
「そんな事しない。俺が担いで行く。だからそこの心配は大丈夫だ」
「僕も、、戦います」
そんな会話を聞いていた葵が自分も戦うと言い出した。
「何言ってるの?そんな状態じゃ戦えないよ!今は安静にしてなきゃ!」
「大丈夫です、、戦えます!皆さんに迷惑かけたくないんです!だから戦わせて下さい!お願いします!」
葵は自分の状態の悪化よりも今この瞬間にみんなの足手纏いになる方が嫌だったのだ。
「わかった。じゃあ俺と一緒のところに来て、もし本当に無理なら俺が葵を担ぐ。それでいいな?」
「わかりました!ありがとうございます!」
「夏生は一人で大丈夫だな?」
「当たり前だ。任せとけ」
「あと一つは姫那とルーナで頼んだぞ」
「わかった!こっちも任せて!」
あと3つの塔を手分けして攻める事に決め、いよいよ制圧に向けて動き出す。
3つの塔は落とせるのか?
そして葵の状態は大丈夫なのか。




