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この迷宮を攻略するには何が必要ですか?  作者: シュトローム
第一章 迷宮攻略・故郷奪還編
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EpiSodE031:海底都市までの道のり

 夏生は転移陣により何処かに転移された。


 「なんだ?いきなり知らない場所になった、、ここは何処だ?」


 夏生が転移された場所は同じような転移陣が書かれた一本道の通路だった。


 「この4階層にこんな場所があったのか。もしかして、ここが海底都市なのか?いや、海底都市で間違いないな。みんなは、、まぁ上にいるなら何も問題ないか」


 夏生は即座にこの場所について分析した。そしてその分析は的中していた。

 ここは海底都市であった。


 「とりあえずここを進むしか道はないか」


 その頃姫那達はというと、、


 「転移された?じゃあ私達も早く行かないと!夏生が危ないかも!」

 「姫那、お前が言いたい事はわかってるが少し落ち着いて考えよう。夏生は強い。もし危ないところに行ったとしてもそう簡単にやられる奴じゃない。だから俺達も一度状況の整理をしよう」


 エルサリオンはこういう時いつも冷静沈着でみんなのまとめ役を担っている。

 こういう存在が仲間に一人いると仲間全体の頭脳となり、危機的状況の時や今回のような何が起こったのかわからない状況の時は一番頼りになる存在だ。


 「そう、だね。わかった!エリーはこの状況、どう思うの?」

 「あぁそうだな。まず結論から言うと、俺達も夏生を追う事は絶対だ。夏生は強がずっと一人というのはいくら夏生でも危険だし、3階層の時のグレモリーのような相性が悪い悪魔に出くわす可能性もゼロではないからな」

 「悪魔に会うかもしれないの?」


 エルサリオンの見解にルーナが質問する。


 「いい質問だ。そこでこの転移陣だが、これは海底都市に繋がっていると俺は推測する」

 「僕もそう思います!この島を一周して見た感じですと、この転移陣以外に海底都市に行く方法があるとは思えません!」

 「じゃあ夏生は今海底都市にいるって事?」

 「そういう事になるな。さっきも言ったように俺達も夏生を追う。だから必然的に海底都市に行く事になる。そしてそこには悪魔がいる事はほぼ確実だ。だからみんな気を引き締めて行こう」

 「わかった!エリーありがとう!じゃあみんなで一緒に転移陣に入ろう!」


 エルサリオンが一通り今回の内容をまとめたところで全員が一緒に転移陣に入った。


 「ここが、海底都市」


 姫那達が転移されたのは夏生が転移された場所と一緒の場所だ。


 「夏生は、、ここにはいないね!もう先の方に行っちゃったのかな?」

 「たぶんそうだろうな。あいつの事だからここが海底都市という事はわかっているだろうから慎重にはなってると思うが、好奇心旺盛なところもあるからな」

 「とりあえず僕達も進みましょうか!道も一つしかないみたいですし!」

 「そうだな」


 夏生の捜索をしつつ、海底都市の攻略についても何か糸口を見つける事ができればと考えていた。


 「この道ずっと真っ直ぐの道だな。しかも何も出てこないし。悪魔の一匹や二匹出てこないと、ここが海底都市だと疑いたくなるな」


 その頃、夏生はその道をずっと真っ直ぐ進んでいた。

 そこから更に5分ほど進んだところでやっと別れ道が出てきた。


 「典型的な別れ道だな。どっちにするか、、右だな。なんとなく」


 なんの理由もなく右に進む事にした。


 「たぶんみんなもそろそろ来てるだろうから何か目印でも書いておくか」


 そう言うと、ナイフで壁に目印を残した。


【こっち→】


 「こんな感じでいいか」


 夏生が右を選んだ理由はなんとなく。なんとなく右から悪魔の気配があったからなのだ。

 一人の時でも4階層の攻略の手掛かりをいち早く見つける為に危険を顧みずその道を選んだのだ。

 それには理由がある。エルサリオンの看板を見つけた時の反応だ。次の5階層がエルサリオンの故郷。看板を見つけた時、今までの階層の時とは全く違う反応だった。

 エルサリオンがあんなに感情を露わにするのは珍しい。1秒でも早く5階層に行って故郷を解放したいのだろう。

 あの反応を見た時から最短でこの4階層を攻略しようと決めていた。

 だから悪魔の気配がする方を本能的に選んだのだった。


 「やっと来たか」


 夏生の目の前に悪魔であろう人物が現れた。

 悪魔は見た目が人間と遜色が無い為、魔物と違ってすぐに判断ができないのだ。

 だから相手から悪魔と名乗り出ない限り、鎌を掛けて判断するしかない。


 「お前は、、人間か?」

 「あぁそうだよ。お前達が大好きな異世界人だ」

 「そうか。異世界人か。お前の肉、美味そうだな」


 この発言で悪魔である事がわかった。

 その瞬間、夏生が悪魔に斬りかかった。


 「ぐわっ!なんだいきなり!」


 悪魔の左腕を一刀両断した。


 「この海底都市の事を教えろ。なるべくわかりやすく簡潔にな」

 「なんで異世界人のお前にそんな事教えないといけないんだ」

 「お前何か勘違いしてないか?これはお願いとかじゃなくて命令だ。早く答えないと次は右足を消すぞ」

 「わかった!わかったよ!なんなんだよ、こんな凶暴な異世界人もいるのかよ」


 今の言葉に少し引っかかったが、とりあえず今はこの海底都市の情報が必要だったので気にしない事にした。

 だが、この判断が後に大きな問題に直面する事になるのだった。


 「ここはお前が言う通り【海底都市・クルアラント】だ。この通路はその都市の中心部に繋がる通路になっている」

 「その都市には悪魔が住んでいるのか?」

 「、、、あぁそうだよ。俺達悪魔が住んでるんだよ。もういいだろ?ちゃんと話したんだし解放してくれ!」

 「誰が話したら解放するなんて言ったよ。お前はここで死ぬんだよ」

 「な、お前卑怯だぞ!」

 「何が卑怯だよ。まずそんな約束なんてしてないし、してたとしてもお前どの道悪魔だしな。まぁ早めに話した分、苦痛を味わわずに死ねるんだからよかったじゃねぇか」


 そう言うと、逃げようとする悪魔の体を真っ二つに斬ったのだった。


 「やはり海底都市は悪魔が住む都市なのか。3階層の時と場所と環境は違うがシナリオは似てるな。まぁいい、この先がそのクルアラントって海底都市ならそこまで突き進むだけだ」


 死の間際で命乞いをしている奴が嘘を言う確率は相当低い。それは悪魔であっても例外ではないだろう。

 それが思考能力がある生物というもの。


 「はぁ、こんな時に姫那がいたらすぐになんでも聞き出せるんだろうな」


 そんな事を考えながらただひたすら歩いていた。

 そして一足先に夏生が海底都市・クルアラントに着いたのだった。

ついに夏生は海底都市に到着。

その頃姫那達は?

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