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この迷宮を攻略するには何が必要ですか?  作者: シュトローム
第一章 迷宮攻略・故郷奪還編
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EpiSodE030:水面上と水面下

 完全に行き詰まっていた。

 島の下に海底都市があると仮定して、悪魔がそこにいる。ここまではいいとして、肝心のその海底都市に行く方法がまだ見つかってないのだ。

 とりあえず、エルサリオンが見えた建物のような場所がある海岸の方に来ていた。


 「なーんにも見えないよー!」


 建物があったと聞き、姫那が海を覗くが何も見えない。


 「近くでは逆に見えないんだろうな。この島からも少し離れたところに建物が見えたみたいだからな」

 「ここから500mくらいは先だったと思う」

 「そこから入れたら一番いいんだけど、500mも泳げないよ〜!」


 500mを泳ぐ事はルーナじゃなくてもなかなか難しいものがある。

 必然的に他の方法で海底都市に行くしかないのだ。

 そしてその時、全員が目を疑う光景が飛び込んできた。


 「皆さん、あれはなんでしょうか?」


 葵が海の方を指差してみんなに問いかける。


 「ちょっと待て、あれは流石にあり得ないだろ。エリー、あんな光景この世界で見た事あるか?」

 「いや、見た事も聞いた事もない。あれは俺からしても信じ難い光景だ」

 「すごーい!なんであんな事できるの!?」


 夏生、エルサリオン、姫那が声を出して驚いていて、ルーナは見間違いじゃないかと目をこすって何度も確認する。

 間違いじゃない。全員がそう確信するまでに時間はかからなかった。


 「ねぇ、あれって人だよね?」

 「やっぱりそうだよな。俺の頭がおかしくなったわけじゃないよな」


 姫那と夏生はお互いに確かめる。

 そこで全員が見た光景とは、人が海の上に立っていたのだ。そしてこちらを見て、手を振っていた。


 「あれって私達に向けて手を振ってるよね?」

 「そうですね!他に人もいないし僕たちだと思います!」


 そうやって話していると海に立っていた人はいなくなった。

 海の中に行ったというよりはその場から消えたような感じがしたのだ。


 「いなくなった、、」

 「とりあえず、あっちの方に行ってみよう。何かわかるかもしれない」


 そして人が立っていた直線上の海岸まで来て、色々発見があった。

 まずは、海の水面より少し下に石の道のようなものがあって、それは海の上に立っていた人の方に伸びていた。

 それに続くように海岸から森へ足跡がついていた。


 「そういう事だったんですね!さっきの人は海の上に立っていたのではなくて水面の少し下の石の上に立っていたんですね!」

 「この状況から見るに、さっきのって海から森に何か取りに来てまた海へ戻っていったんだよな」

 「って事はやっぱり海の住人がいるって事だよね!」

 「その可能性がほぼ確実になったな。そしてさっきの海に立ってた人物が悪魔の可能性が高いな」

 「なんで悪魔の可能性が高いの?人間じゃなかったの?」


 エルサリオンの推測に対して、ルーナが不思議そうに問いかける。


 「あの看板には【生物なき島になったこの陸上には何もない。攻略の鍵は奥深く、最深部にあり。そこにある悪しき魂を浄化すべし。】とかかれてあったって言っただろ?まずはここに生物はいないというのでさっきの人物は海から来たって事になる。そして俺達に対して手を振っていた時に少し見下したような余裕感が表情に出ていた。あれが人間なら悪魔の住む海底都市にいるのにあの表情は不自然すぎる。もっと助けを求めたり、こっちに来たりするはずだろう?」

 「確かに私がその立場ならそこから逃げ出すか、助けを求める!」

 「エリーさんすごいですね!これを見ただけでそんなに推測できるなんて!僕も考えてみましたがそこまでは思い至らなかったです!すごいです、尊敬します!」

 「お、おう。ありがとう」


 羨望の眼差しでエルサリオンの事を見つめる葵に逆に圧倒されるエルサリオン。


 「エリーの推測が正しかったとして、あの海に立っていた人物は消えたように見えたんだが、その辺りはどう思う?」

 「俺にも消えたように見えたが、それは今はまだわからない」

 「じゃあさっきの人が立ってた辺りくらいまで見に行ってみようよ!それで何かわかるかもしれないし!」


 姫那の提案でみんなで石の道を歩いて行ってみる事にした。


 「結構遠いね!どれくらいのところにいたっけ?」

 「あと100mくらい先だったと思うからもうすぐ着くぞ」


 ここまで400mほどは歩いてきた。普通だとほとんど疲れとかも溜まらないのだが、今は水の抵抗もあるため、足が重くなっているのだ。


 「私も疲れてきた、、」


 ルーナも疲れてきたみたいだ。


 「ルーナは飛んだらいいんじゃないか?何も歩く事ないじゃないか」

 「あ、、あぁぁああ!!」


 ルーナが叫ぶ。自分でも自分のギフトの事を完全に忘れていたのであろう。夏生に言われて初めて気付いたような顔をしている。


 「夏にぃなんでもっと早く言ってくれなかったの!」

 「いや、なんか一緒に歩きたいのかなーって思ってたんだけど、違うかったんだな」

 「違うよー!もう!夏にぃのバカ!」


 夏生に八つ当たりしながら空を飛んだ。


 「なんで俺がバカって言われるんだよ」

 「お姉ちゃんも一緒に飛ぼー!」

 「いいのー?私もだいぶ足にきてるから、そろそろエリーか夏生におんぶしてもらおうと思ってたんだよ〜」


(こいつは何を言っているんだ)


 夏生とエルサリオンは言葉にせず、同じ事を思ったのであった。

 そして、姫那はルーナと一緒に空に飛び立った。


 「あいつらほんとに行動も言葉も自由奔放だな」

 「まぁそれがあいつらの面白いところではあるがな」


 そして海に立っていた人が消えた辺りまで来た。


 「この辺だったよな。消えたの」

 「あの消え方が不自然でしたよね!なんかフッと消えた感じで!」


 それを上から見ていたルーナと姫那が何かを見つけたみたいだ。


 「ねーみんなー!そこの石に何か書かれてるよー!」

 「ん?なんだ?どこに書かれてるんだ?」

 「そこだよ!もう少し前!」


 そして夏生が前に歩いて確認をしにいくとそれは起こった。


 「もう少し前ってどこに、、」


 フッ


 「え?」

 「夏生?おい夏生!何処に行った?」


 何を書いてあるか確認しようとした瞬間、夏生が消えたのだ。そう、あの人物が消えた時のように。


 「いきなり何処行っちゃった!エリー!夏生が消えちゃったよ!どうしよ!?」

 「姫那、ちょっと一回落ち着こう。夏生がいた場所に何か書いてあるんだな」

 「う、うん」


 エルサリオンは翼を出して空から石に書かれてる事を確認する事にした。


 「これは、、」

 「エリー、何が書いてあるかわかるの?」

 「転移陣だ。夏生は何処かに転移されたんだ」


 エルサリオンが見つけたのは転移陣だった。

 夏生は何処に転移したのだろうか。

転移されたその行き先とは?

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