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この迷宮を攻略するには何が必要ですか?  作者: シュトローム
第一章 迷宮攻略・故郷奪還編
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EpiSodE028:看板に書かれた謎

 看板を見つけた夏生達は何が書かれているかわからないので、エルサリオンがいる姫那達のチームと合流する必要があった。


 「俺達がこの文字を読めたらな〜」

 「そうだね〜!何書いてあるか全くもってわからないもんね!」

 「ちょっとまた今度エリーに教わろうかな。またこういった事になった時に効率も悪いし」

 「夏にぃは頭もいいし、すぐに覚えれるんじゃない?」

 「ルーナは覚えないのか?」

 「私、こっちに来る前から勉強が大嫌いなの!だから覚えないよー!」

 「お前、それは覚えないじゃなくて、覚えたくても覚えれないんだろ」

 「そんな事ないよ!私だってやればできるんだから!」

 「じゃあどっちが早く覚えれるか勝負するか?」

 「いいよ!絶対私が勝つもん!」


 簡単に夏生に乗せられるルーナであった。


 「もうだいぶ歩いてきたけど、こっちにはないのかな〜!エリーどう?」

 「上から見ても全然それらしい物はないな。こっちはハズレだったのかもな」


 エルサリオンもルーナ同様に空から探していた。

 そして、看板は夏生達の方にあったので姫那達は結局見つからずじまいで目的地の反対側の海岸に着いた。


 「なかったねー、、絶対見つけれると思ったのに!」

 「だから何処からその自信は湧いてくるんだよ」

 「夏生さん達はまだ着いてないみたいですね!いっぱい歩きましたし、少し休憩してもいいですか?」

 「夏生達が来るまでなら大丈夫だぞ」

 「じゃあさ!海入ろうよ葵ちゃん!」

 「海ですか?それ休憩になってなくないですか!?」

 「海の中で休憩しよー!」

 「絶対休憩できないじゃないですかー!」


 どこまでも元気な姫那に対して、歩き疲れている葵の声は嫌がっていたが、顔は楽しそうであった。


 「ほら!エリーもおいでよー!すっごく気持ちいいよ!」

 「俺はいいよ。お前らで遊んでこいよ」

 「何言ってるんですか!エリーさんも行きますよ!」

 「おい、ちょっと。俺はいいって」


 こうして結局エルサリオンも海に連れて行かれ、全員びしょ濡れになったのだった。

 そして30分ほど遅れて夏生達が合流する。


 「お前達なんでそんなに濡れてるんだ?」


 姫那と葵がびしょ濡れになってるのを見て夏生が不思議そうにしている。


 「海で遊んでたらこんなんになっちゃった!」

 「遊んでたって、お前ここが何処かわかってんのか。まさかエリーも遊んでたんじゃないだろうな」

 「遅かったな」


 後ろからエルサリオンの声がして振り返るとエルサリオンもびしょ濡れだった。


 「お前なー」

 「俺も無理矢理引き込まれたんだ。仕方ないだろ」

 「何言ってんのエリー!すっごく楽しんでたじゃんかー!」

 「姫那、少し黙ろうか」


 エルサリオンが姫那に仲間を見るような目ではない視線を送っている。


 「えー!みんなずるーい!お姉ちゃん達と私も遊びたかったー!」

 「ルーナごめんねー!また遊ぼうよ!」


 ルーナは姫那にくっついている。


 「ところで俺達の方は何も見当たらなかったが、そっちの方は何かあったか?」

 「看板があったよ。それで少し遅くなったんだ」


 夏生が少し嫌味のように言う。

 だが、エルサリオンはそんな事お構いなしに話を進める。


 「本当か!じゃあすぐ行こう!」

 「なんかお前も姫那に似てきたよな」

 「どこがだよ。それよりも早くそこに案内してくれ。俺が文字を読むから」


 エルサリオンがここまで先を急ぐのは理由があった。

 それはここは4階層で次が5階層だからだ。5階層は当初からエルサリオンが目標としていた故郷アルフヘイムがある階層だ。

 次がその階層となると気持ちが急いてしまうのも無理はない。


 「わかったわかった。案内するから着いてこい」

 「ルーナが見つけたんだよお姉ちゃん!」

 「そうなのー?ルーナすごいじゃん!夏生より早く見つけれるなんて!」

 「でしょー!すごいでしょー!」


 ルーナは姫那に自慢げに話している。


 「お前ルーナに負けたんだ」

 「うるせぇ。別に勝つとか負けるとかねぇだろ。一緒に探してたんだから」


 夏生はルーナ達の会話を聞こえてないふりをしていたが、エルサリオンがそれを見抜いていた。

 それを面白がってちょっと馬鹿にしてみたのだった。


 「看板まではどれくらいかかるの?」

 「大体1時間くらいかな」

 「結構遠いんだ!今日もよく歩く日だな〜!」

 「距離的にはそこまで遠くないんだが、森の中に入るから少し時間がかかるんだ」


 夏生達が見つけた看板は歩いていた海岸沿いではなく、少し森に入った辺りにある。

 ただ歩くだけなら30分くらいだが、森の中で道もないようなところを進む為、時間がかかってしまうのだ。


 「ねーねー!これって森の中を歩くんじゃなくて上を通ったらいいんじゃないの?」

 「上を通る?」

 「エリーとルーナに飛んでもらって運んでもらったらいいんじゃないの?」


 姫那の言葉に全員がハッとなった。


 「ほんとだ!それならすぐに着くね!」

 「なんでそれが思いつかなかったんだ。アホか俺は」


 ここで姫那の提案通り空から向かう事にした。

 ルーナが姫那を、エルサリオンが葵と夏生を抱えて飛ぶと、15分程で看板まで辿り着けた。


 「ルーナ、飛空の滞空時間も長くなったんじゃない?今まで私を抱えて15分も飛べなかったのに!」

 「そうだよね!私のギフトも少しは成長してるって事だよね!」


 姫那の成長も著しいがルーナもすごい勢いで成長している。

 その理由は、よく自分のギフトを使用してるからだ。

 ギフトは使用回数や使用時間が多くて長いほど成長速度も早くなるのだ。


 「それで、エリー。看板にはなんで書いてあるんだ?」


【生物なき島になったこの陸上には何もない。攻略の鍵は奥深く、最深部にあり。そこにある悪しき魂を浄化すべし。】


 「看板にはこう書かれている」

 「やっぱりここには何もいないんだね!最深部ってどこの事なんだろうね!」

 「最深部、、最深ってのは一番深いところだろ。悪しき魂は、悪魔だな。この島に悪魔がいるのか?」

 「でも夏にぃ!最初に生物なき島になったって書いてあるよね?」

 「そうなんだよな。生物なき島になったってのが引っかかるな」

 「この島以外の別の場所に悪魔がいる可能性が高そうですよね」

 「そうだな。この書き方だとたぶん葵の言う通り、この島以外の何処かってのが正解だろう。となるとその場所を特定しないといけないな。どこだと思うエリー?」

 「この最深部というのが何処なのかが問題だな。この島ではない最深部があるんだろが、深い場所、、下か?」

 「下ってどういう事?」

 「わからない。でも深くって事は下、この島の下とかかな」

 「お姉ちゃん!一回上から見てみようよ!」

 「そうだね!上から見たら何かわかるかも!」


 そしてルーナは上空2000mまで飛んだ。


 「すごい!ルーナこんなに高く飛べるようになったんだ!ちょっと高過ぎて怖いけど!」

 「私もここまで高く飛んだの初めてだからちょっと怖い!」

 「あはは!でも楽しいね!」

 「うん!それに下を見てお姉ちゃん!」

 「なんか島の周りに黒い影?みたいなのがあるけどなんなんだろう、、」


 姫那とルーナが見た黒い影。それは一体なんなのか。

 そして、最深部とはどこの事なのか。

次回から更に新展開に入っていきます!

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