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この迷宮を攻略するには何が必要ですか?  作者: シュトローム
第一章 迷宮攻略・故郷奪還編
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EpiSodE027:それぞれの会話

 4階層攻略する為の条件の手掛かりを見つける為に姫那達は二手に分かれて手掛かりである看板を探す事にした。

 姫那チームは姫那とエルサリオンと葵。

 夏生チームは夏生とルーナ。


『姫那チーム』


 「やっぱり新しいところを冒険するのは楽しいな〜!ね!葵ちゃん!」

 「はい!この世界に来てこんなに自由に冒険をできるなんて夢みたいです!」

 「そうなの?3階層の時は違ったの?」

 「はい、地球から3階層に転移されてすぐ悪魔の街に着いたので、冒険という冒険は全然してないです!だから今この瞬間が楽しくて仕方ないです!」

 「そっかー!3階層に転移された人っていっぱいいたの?」

 「んー、あまりわからないですけど、僕がいたグループは四人でみんな前の世界からあの砂漠に転移されたみたいでした。姫那さん達は何処に転移されたんですか?」

 「私と夏生は1階層の洞窟みたいなところからだったんだよー!3階層に来るまでも結構大変だった!ルーナは3階層で出会ったよ!」

 「そうだったんですか!人によって場所が違うんですねー!」

 「ちなみにエリーとは2階層であって最初は殺されそうになったんだよ!」


 姫那がニヤニヤしながらエルサリオンを見て葵に言う。


 「え?殺そうとしたってどういう事ですか?エリーさんってそんな怖い人なんですか?」


 葵がエリーに恐怖の眼差しを向ける。


 「あの時は俺にも色々あったからだろ!今はもうそんな事1ミリも思わないよ」

 「ごめんごめん!葵ちゃん、エリーはいい人だよ!強いし、みんなを守ってくれるし!」

 「人じゃなくてエルフだけどな」

 「そうですよね!びっくりした〜!」


 姫那達は姫那を中心にすごく盛り上がっていて、看板を探しているのかも怪しいくらいに冒険を楽しんでいた。


 一方夏生とルーナの方は。


『夏生チーム』


 「・・・・・」

 「・・・・・」


 会話を回す姫那がいないと会話が全く生まれない。

 終始無言の状況が続いていた。


 「ねぇ夏にぃ!なんか面白い話してよ!」

 「なんだよ急に。そんないきなり面白い話なんて出てくるかよ」

 「だってずっと無言じゃつまらないじゃん〜!」

 「ちゃんと看板探すんだよ!見落としたらいけないだろ」

 「わかってるよ〜!でも楽しく探したいじゃん!まだまだ時間かかるんだしー!」

 「お前も姫那と一緒で能天気だな。姫那の能天気病が移ったんじゃないか?」

 「そんな病気あるの?」

 「ねぇよ。お前は姫那の妹だろ?だからお姉ちゃんの変なところが伝染したんじゃないかって話だよ」

 「変なところって何よー!でもお姉ちゃんに似てきてるってゆうのはなんか嬉しい!」


 ルーナは姫那が大好きだ。どんな事であれ、姫那に似てきたと言われたらすごく嬉しいのだ。


 「別に褒めてはないんだけどな」


 夏生の声はもはや届いておらず、嬉しくて飛空で空を飛び回っている。


 「お姉ちゃんに似てきたー!やったー!」

 「この調子で本当に看板とか見つかるのかよ」


 夏生はそれを見て言葉は呆れていたが、顔は少し笑っていて、こんな感じも悪くわないなと思っていたのだった。

 なんだかんだで仲の良い夏生とルーナであった。


 この海の孤島は綺麗な円形のような形をしていて直線距離で直径10kmある。という事は島の周りを歩くとなると半分で約15km程歩く事になる。

 普通に歩くと、大体3時間〜3時間半程歩く事になる。

 姫那達の方は姫那が勝手に盛り上げるから大丈夫だろうが、夏生達はどこまでもつかわからない。


 「でねでね〜、その時夏生とエリーが私が死んでると思って慌てて起こされたんだよ〜!実際みんな危なかったんだけどね!」

 「そうなんですか!皆さん本当に強くて面白いですねー!」

 「姫那はずっと喋ってるな」

 「だって今までの事話してると楽しくなって止まらなくなるんだもん!」

 「僕も姫那さんの話聞いてるのすごく楽しいです

!何より皆さんの事が知れて嬉しいです!」


 葵は転移されてきた時期こそほとんど一緒だが、転移場所が3階層だから砂漠とあの街の事しか知らない。みんなの出会いや2階層の時の話などはすごく新鮮で、それは転移される前の日本にいる時に海外旅行の話を聞くような感覚で聞いていた。


 「ちゃんとお前らも周りに注意払っておけよ。俺らで見つけれたら一番早いからな」

 「私が見つけるから任せてよ!」


 またいつものように姫那はなんの根拠もない自信を持っていた。

 だが、何故かその自信にみんなは少し期待してしまうのだ。

 それが姫那のギフトとは関係のない特殊な能力である。


 「今二手に分けて海岸沿いを歩いているが、海岸沿いにない可能性も十分にある。この無人島でなんの手掛かりもないまま攻略をしなければならない。そうなってくると、今までで一番難しい階層攻略になるぞ」

 「確かにそうだよね〜。まぁでもなんとかなるでしょ!」

 「僕も皆さんならなんとかなると思います!」


 まだ出会ってそれほど経ってないが、それでも姫那達の事は何よりも信頼できる程の強さがある。

 そしてそれは全員が全員に感じていた事でもあった。


 「おーい、いつまで空飛んでんだ。姫那に似てるって言われたからって喜びすぎだろ」

 「違うよ!いや、違わないけど、、今は空から探してるの!そんな単細胞みたいな言い方やめてよ!」

 「あ、そうだったのか。何か見えるかー?」

 「んー、今のところ木しか見えない!ほんとに看板なんてあるのー?」

 「それは絶対どこかにあるはずだ。じゃないと攻略法すらわからないからな。もう半分くらいは来た。後半分でなんとか見つけたいな」

 「そっかー!じゃあもう少し上から見てみようかな!」

 「おう、よろしく頼む」

 「うん!なんか木でできた板が地面に刺さってるような物はあるんだけどな〜」

 「ちょっと待てーぃ!それだ!それが4階層攻略に必要な条件が書いてる看板だ!」

 「え?そうなの?それなら結構前から見えてたけど、、」

 「なんで言わなかったんだよ!お前も3階層でその看板見ただろ?」

 「私見てないよー!3階層の時はどうせ見ても読めないから看板なんて全く見てなかったよー!」


 どんな看板か知らないなんて思わないし、それは夏生も全く予想してなかった事だった。


 「どんな看板か知らないのにどうやって見つけるつもりだったんだよ!」

 「飛んでたらなんとなくわかるかなーって思って!」

 「お前のその適当さ、本当に姫那に似てきたな!」

 「ありがとー!」

 「今回は悪い意味でだよ!」


 そんな話をしてる間に看板がある場所に着いた。


 「ここの半径2mくらいは木は全くなくて、上からみたらすぐにわかるな。逆に歩いて見つけようとすると完全に森の中だし、なかなか見つからなかっただろうな」

 「じゃあ、私のお手柄だ!」


 それに対して夏生は癪だったので何も言わなかった。


 「やっぱり何書いてるか全然わからないな。とりあえず落ち合う場所まで行くか」

 「そうだね!早くお姉ちゃんにも会いたいし!」


 看板は夏生達が見つけた。

 後は姫那達と合流してエルサリオンが文字を読むのだが、そこには一体どんな条件が書かれているのだろうか。

これからまた新たな展開に突入していきます!

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