EpiSodE101:大量虐殺
エルサリオンとエルノールが外に出ると、そこはもう惨劇だった。
悪魔がアルフヘイム中に蔓延り、民家には炎が上がっていた。
「なんだこれは、、悪夢か?」
「兄上!そんな事を言ってる場合ではありません!みんなを助けに行かないと!」
呆然と立ち尽くすエルサリオンにエルノールが行動を起こすよう叫ぶ。
「、、すまない。お前の言う通りだ」
「僕は左側に行くので、兄上は右側をお願いします!」
「お前、、1人で大丈夫なのか?」
「大丈夫です!この為に強くなったのですから!」
「、、わかった。武運を祈る」
「兄上も!」
そう言って、エルサリオンとエルノールは別々の方向に助けに向かった。
その頃アルフヘイムでは5万の悪魔の軍勢による無差別な大量虐殺が行われていた。
それはもう地獄のような光景だった。
「お、お助け下さい、、」
「お前を助けて俺達にどんなメリットがあるんだ?教えてくれて」
「な、なんでもします!だからお助け下さい!」
「なんでもするとは具体的になんだ?」
「そ、それは、、」
エルフは言葉に詰まった。
何が出来るかと聞かれるとわからなかったからだ。
「おい、そんな事聞く必要ないだろ。何が出来たところで全員殺すのだから」
「いいじゃないか。殺す前に少しくらい楽しんでも」
悪魔はエルフがなんて答えようとも弄んでから殺そうとしていたのだ。
「まぁいいが程々にしておけよ。ザレオス様を待たせるような事はするな」
「それくらいわかっている。もう十分楽しんだ」
そう言うと悪魔はエルフの心臓に拳を当てた。
「お助けを、、!」
ズボッ
悪魔の拳はエルフの心臓を貫いた。
「ガハッ」
「もうお前はいらない。飽きた」
各地で悪魔がエルフを拷問し、それが飽きたらすぐに殺すという非人道的な事が起きていた。
「な、何故こんな事をするのですか?」
1人のエルフが悪魔に問いかける。
「何故?お前おかしな事を言うな。蟻を踏み潰す時に理由がいるか?」
「な、何を言っているのですか?」
「お前らエルフは蟻以下だって言ってるんだよ」
悪魔からすればエルフに限らず他の種族は蟻以下の存在だった。
悪魔至上主義。これは悪魔の中ではどうあっても覆らない思想であった。
それに加えて強欲の悪魔マモンの軍団は残虐な事を好む悪魔ばかりが集まった軍団だった。
そんな悪魔が5万もいるアルフヘイムはエルフの悲鳴が飛び交っていた。
そして悪魔は心臓を拳で貫くという、みんな同じ殺し方で惨殺していた。
「そんな理不尽な事があっていい訳が、、」
「いいんだよ。俺達悪魔からしたらお前らはゴミのような存在なのだから」
悪魔はそう言って拳で心臓を貫こうとしたその瞬間、エルフが悪魔の目の前から消えた。
「ん?なんだ?何処に行った?」
「お前らここで何をやっているんだ?」
背後からの声に悪魔が振り返ると、そこにはエルフを抱えたエルサリオンが立っていた。
「エ、エルサリオン様!」
「怪我はないか?」
「はい!エルサリオン様のおかげです!」
「なんだお前は?いきなり割り込んできて俺のおもちゃを奪うなよ」
「おもちゃ、、だと?」
「あぁそうだ。お前達エルフは俺達悪魔のおもちゃでしかない。そしてもうそいつはおもちゃの役目も終えた。だから処分するところなんだ。邪魔をするな」
その悪魔の言葉に冷静さを保っていたエルサリオンは怒りが爆発した。
「お前は救いようのないクソ野郎だな」
「エルフのくせに偉そうなやつだな。で、お前は誰なんだ?今の動きはその辺の雑魚エルフとは違うようだが」
「お前に答える必要などない。今から死ぬんだからな」
そしてエルサリオンは抱えていたエルフを下ろし、高速で動き出した。
(早い!やはりこいつはその辺のエルフとは全く違う!これはマモン様が言っていたエルフの中でも要注意人物のハイエルフか!)
「お前達は俺を、このアルフヘイムを怒らせた。その報いを受けてもらう」
「お前らみたいな下等種族の分際で何が報いだ!お前らのような奴は黙って俺達に支配されていればいいんだよ!」
「お前はどこまでも考え方が醜い奴だな。支配する事しか考えてないのかよ」
「アルフヘイムを奪い取る。これが今マモン様のここでの意向だ」
マモンはアルフヘイムの全てを奪い尽くすつもりであった。
それは街もそうだし、命も例外ではなかった。
「マモン、、それがお前達悪魔のトップか?」
「あぁ、そうだ。お前らはもう終わりだ!マモン様に全て奪われて、、」
悪魔が言葉を言い終わる前にエルサリオンはその悪魔の首を両断した。
「お前のような下っ端に何を言っても無駄という事だな。じゃあもうお前には用はない」
首を切断した後に悪魔に言い放つ。
これだけ見ても、エルサリオンがどれだけ憤怒しているのかがわかった。
「エルサリオン様!ありがとうございます!本当にありがとうございます!」
エルサリオンに助けられたエルフが頭を地面に叩きつける勢いでお礼をする。
「そんな事するな。俺は悪魔じゃない。何処まで行ってもお前達の味方のエルフだ」
その言葉にエルフは涙を流す。
「ありがとう、、ございます、、」
「あぁ。今俺が来た方向の悪魔は一通り排除した。そっちに側に行って他のエルフと合流しててくれ」
アルフヘイムは島の集合体で出来た列島だ。
エルサリオンはこの場所に来るまでに2つの島で悪魔を倒していて、今助けたエルフにもそちらに向かうよう指示した。
「わかりました!本当にありがとうございます!」
「、、あぁ。急ぐんだぞ」
そう言ってエルサリオンはまた違う島に飛び立つ。
そしてエルサリオンの情報はもうマモンの耳にも届いており、、
「そうか。そんな活きがいい奴がいるのか。楽しそうだな、、よし、俺が行こう」
「マ、マモン様自ら出られるのですか?」
「あぁ」
「では、隊の編成を行います故、少々お待ち下さい」
「いらん」
「え?」
「いらんと言った。俺1人で十分だ」
「いや、でもあのエルフは結構やります!マモン様でも1人で行かれるのは、、」
ブシュッ
そこにいた誰も何が起こったのかわからなかった。
唯一人、それをした悪魔を除いて。
「な、何が起こった?なんで目線がこんなに低いんだ?」
「ひぃ!」
周りの悪魔がそれを見て怯えていた。
そして悪魔はやっと気付く。自分の首が飛ばされた事に。
「お前、誰に向かって口を聞いているんだ?俺は七大悪魔の強欲のマモンだぞ。口を慎め。と言ってももう喋れないとは思うが」
首を飛ばされた悪魔はもう息絶えていた。
「おい、そいつを始末しとけ。俺はあのエルフのところに行く」
「は、はい!いってらっしゃいませ」
マモンは誰も目で追えないスピードで去っていった。
エルサリオンにものすごい勢いで迫り来る七大悪魔。
2人がぶつかるまで後5分。
ついに姿を現したマモン。
その強さは未知数。




