EpiSodE010:第3階層へ
目が覚めると強い光が目に差し込んできた。
気付いたら寝てしまってた三人。
ザガンを倒した事で周りの魔物はいなくなっていた。
戦いの疲れは一日寝ただけでは全然取れないが、今こうして疲れて寝て起きて実感する。
あの悪魔に勝利したのだと。
「ねぇ、二人とも起きて」
一番最初に目が覚めたのは姫那だ。
二人に声をかけるが全く起きる気配がない。
あれだけの戦いをしたのだから起きれないのは仕方ないかと思い、一人で目の前の頂上に向かう。
そしてそれは頂上にあった。
【ここから先は3階層】
そう書かれた看板と転移陣。
ついに3階層への道が繋がったのだ。
姫那はここまでの事を思い出して少し涙が溢れた。これから何階層まであるかもわからない、まだ3階層かもしれない、でも今この時だけは喜んでおこう。
姫那は声にならないほどの嬉しさがこみ上げてきて、両手の拳を天に突き出し渾身のガッツポーズをした。
「何してんだ?」
そうこうしてる内に夏生が起きてきた。
姫那は恥ずかしくなり顔を赤らめてすぐ腕を下げた。
そして誤魔化すように言葉を続けた。
「見て!転移陣だよ!」
「あぁ。日数で考えると一週間も経ってないのにここまで長かったな」
ここに辿り着くまでの内容が濃過ぎてとてもこんな短期間の間に起こった事だとは思えなかった。
「2階層でこれだからな。これから先もっと強い悪魔とか出てくるだろうし先が思いやられるな」
「確かにそうだけど、そんな事ずっと考えてても疲れるだけだし楽しんでいこうよ!人生楽しまないと損だよ!」
姫那はいつも通り能天気だった。
「バーカ。能天気な事ばかり言って、急に死んでもしらねぇぞ」
夏生は姫那にデコピンをした。
「痛っ!またデコピンしたー!」
「姫那がバカだからだよ」
「バカじゃないし!お返し!」
姫那もデコピンしようとしたが軽く避けられる。姫那では夏生の動きには全く追いつかない。
「ちょっと逃げないでよ!夏生だけずるい!」
「姫那も避ければいいだろ、全然ずるくねぇよ。当ててみろって」
「騒がしいな」
最後にエルサリオンが起きてきた。
「あ、ごめん!起こしちゃって!夏生のせいだ」
「なんで俺のせいなんだよ」
三人が起きたところでそろそろこれからの事について話し合っていく。
「とりあえず、3階層に行くでしょ?」
「うん、まずは行かない事には何も進まないからな。エルサリオン、3階層の事は何か知らないのか?」
「ほとんど知らないな。一つわかるのはここよりも手強い魔物が多いって事だ」
「元々どの階層に居たの?」
「エルフの故郷、アルフヘイムは5階層だ」
このダンジョンは上に行くごとに強くなる。という事は5階層に故郷があるエルフがどれだけ強い種族なのかが窺える。
それを降伏させる悪魔、マモンとはどれほどの相手なのか今は想像もつかない。
実はエルサリオンもその時の事を覚えていないらしい。
上の階層から下の階層に行く時は必ずその間の階層を通る筈なのだがその間の記憶がないと言うのだ。
何故覚えていないのかもわからないみたいで、マモンに何かされたのは間違いない。
「という訳で、上には行ってみないと何があるかもわからないんだ」
「エルサリオンってさ、長くない?」
姫那が何の前触れもなく唐突に言う。
「え?何?」
いきなり過ぎて二人とも呆気に取られている。
「だーかーら!エルサリオンって名前長くない?って言ってるの!なんか呼びにくいじゃん!」
「じゃあ、呼び方変えるか」
「なんだよいきなり。呼び方なんてそのままでいいじゃないか」
「よくないよ!だってこれから何回も呼ぶんだから!私が決めるね!」
「もうなんでもいいよ」
姫那の圧力に負けてエルサリオンはもうどうでもよくなったみたいだ。
「そうだなー、、エルサリオンだから、、エリーにしよ!」
「エリー?なんか女みたいじゃね?」
「女みたいだな」
「いいじゃん!可愛いじゃん!」
「なんで可愛さ求めてんだよ」
結局最後まで姫那は自分の意見を曲げず、エルサリオンの呼び名はエリーになったのであった。
「じゃあいこ!夏生、エリー!」
「行こうか」
「なんかその呼び方じゃ締まらないがな」
3階層には何が待っているのか。この2階層にいる悪魔ですら三人で戦ってやっと倒せるレベルの相手だった。
今のままの三人では3階層にいるであろう悪魔には全く通用しない事は目に見えている。
まだこれから強くならないといけない。
そう決意を新たにして転移陣に向かう三人であった。
そして、三人が転移陣に入ると光の粒になって3階層へ転送されたのだった。
3階層には何が待ち受けているのか。




