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この迷宮を攻略するには何が必要ですか?  作者: シュトローム
第一章 迷宮攻略・故郷奪還編
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EpiSodE001:なんで私がこんな目に

 「ぎぃぃいいやぁぁああ」


 私は逃げ回っていた。

 何から逃げ回っていたかって?

 それはこの世に生を授かって18年間で見た事もないモンスター?的な奴に襲われていたからだ。

 では、何故私がモンスターに襲われる羽目になったのかというところから説明しよう。


 私の名前は西條姫那(さいじょうひな)

 見た目は、黒髪のぱっちりでもない二重に鼻筋が通ってなくもない鼻が特徴の、、まぁ所謂どこにでもいるごく普通の高校3年生。

 因みに最近はジョニーズの推しメンが黒髪ロングが好きってテレビで言ってたから髪を伸ばし中。

 ジョニーズってみんなイケメンで面白いよね!

 そんなジョニーズ大好きっ子な私が最も愛するグループのコンサートを観に行ってる時にそれは起こった。

(人生で17回目のジョニーズのコンサートか〜、楽しみだな〜)


 「ん?あれ?ここはどこ?コンサート会場じゃない?」


(確か朝6時から並ぶ予定だったから電車で会場に向かってて、朝4時起きだったから電車の中で眠くなって寝落ちして目的地の終点まで来たから駅員さんに起こされて電車を降りて、、)


 「って、ほんとにここどこ?全然コンサート会場じゃないじゃん!!」


 私は大声量で叫んだ。

 何故なら朝6時から最前列で並んで最高の場所でコンサートを堪能しようと心に決めていたからだ。

 すると、その声に何かが反応した。


 「ヴォォォォォオオオ」


 その雄叫びに振り返ると木製バット?と言っても野球とかのそれとは違う、先の方が極端に太くなってる木製バットを持ったバケモノがこっちに向かって走ってくるのだ。


 「ぎぃぃいいやぁぁああ」


 そして姫那は追いかけてくるバケモノからこの状況の意味もわからず逃げ回っている。


(そもそもなんであんな生物が存在してるの?

 現実世界に存在してはいけない見た目の生物なんですけど!)


 心の中で嘆いた。


 一心不乱に逃げているといつの間にか雄叫びも聞こえなくなって振り返ってみると、姫那を見失ったのか、何故か全く違う方向に消えていった。

 とりあえずは助かったみたいだ。


 一息ついて冷静に辺りを見回してみると、洞窟?みたいなところにいた。


 「んー、なんかゲームとか漫画とかで見たことあるような風景だけど、、もしかして私異世界転生した!?」


 いきなりの事すぎて全然理解が追いついてないけど、さっきの生き物といいこの洞窟みたいなとこといい、姫那がいた世界には存在しないものだった。


 それから少し歩いてどんな場所なのか確認しようとしたが、さっきのバケモノの事もあり、あまり不用意に動けずにいた。

 でも異世界に転生出来たことは正直嬉しい。

 何故なら元々そういうのに憧れがあったからだ。


 ただ、今は間が悪い。


 だってほんとだったら今頃はジョニーズのコンサート真っ只中!

 私の人生の全てを賭けた日だったのに!


 この複雑な心境の中、必死に現状把握をしようとしていた。


 「そういえば、さっきはなんであのバケモノ急に私が見えなくなったんだろう?」


 そう、ずっと追いかけられてたのに姫那にいきなり興味がなくなったように来た道を戻っていったのだ。


 そんな事を考えてると思いもよらぬ事が起きた。


 「こんな所で何してんの?」

 「ぎゃあ!?」


 まさか誰かに喋りかけられるとは思ってなかったのと、考え事をしていたのも相まって生涯出した事もないような声が出てしまった。


 「ぎゃあってなんだよ」


 ちょっと小馬鹿にした感じで笑われた。


 「だっていきなり喋りかけられたから、、っていうか人だ!!」


 180cmくらいはあって筋肉質で短髪オールバックな爽やかイケメンが目の前にいた。

 異世界転生して初めての人に会って、そして何よりイケメンだったので嬉しくて変な反応をしてしまった。


 「いやまぁ人だけど、もしかして人に会ったの初めて?」

 「はい!そっちは?」

 「俺も初めてだよ」

 「初めてなのにそんなに驚かないんですね」

 「まぁこっちに来た時点で、俺だけじゃないんだろうなとは思ってたからね」


(いきなり全く知らない場所に来たのにすごく冷静な人だ。私とは大違い)


 しかも、日本刀?みたいな物を腰に差している。

 少し怖くなってきた。


 「そ、その刀は何ですか?」


 私は恐る恐る問いかけてみる。


 「あー、これ?これはこっちに飛ばされて来た時から腰にあったんだ。なんかよくわからんモンスターが出てくるからこの刀でぶった斬ってたらあんたに出くわしたって事」


 「あ、そうなんですね」


(どれだけ適応能力高いんだこの人)


 「そういえば、あなた名前はなんて言うんですか?」


 びっくりしすぎて名前を聞くのも忘れていた。


 「あー、そうだった」


 この人も忘れてたみたいだ。


 「俺は石田夏生(いしだなつき)。高2で、1時間前くらいに転生されてきた。そっちは?」


 まさかの歳下でだった。

 すごい落ち着いてるから絶対歳上だと思ってた。


 「わ、私は西條 姫那。高3。

 同じく1時間前くらいにこっちに来てさっきバケモノに追い回されてたんだけど、いきなりどっかいっちゃって今に至るって感じ」


 歳下とわかったからすぐ敬語をやめる。


 「あ、歳上だったんだ。俺てっきり歳下だと思ってたわ」


 そうでしょうね!

 歳下を扱う感じがすごい出てましたもんね!


 「歳上よ、歳上!ちゃんと敬語使いなさいよね!」


 これ見よがしに言う。


 「いいじゃん別に。今のところ2人しかいないんだし」


 歳下のくせに少し生意気とは思ったものの、一理あるとも思ってしまった。


 「ま、まぁそうだね。そうしよっか」


 結局そう返事してしまう。


 「とりあえず、姫那の能力は何?」


 いきなりよくわからない事を聞かれる。

 そして、もう名前で呼び捨てにされている。


 「へ?能力って何?」

 「え?自分の能力わからないの?」


 この人は何のことを言っているんだろう。

 能力?そんなものあるわけがない。


 「ちょっと言ってる意味がわからないんだけど」

 「いや、こっちに転生された時に何か能力が与えられただろ?」

 「全く身に覚えがないんだけど。石田くんは何かあるの?」

「夏生でいいよ。俺は見ての通り、剣士。何体かモンスターも倒してわかったけど、剣士っぽい事はある程度できる」


 何それ!

 しかも、剣士っぽい事はある程度できるって、そのなんかチート級の能力何!


 「すごい能力だね」


 自分の不憫さに悲しくなって、笑いながら言った。


 「でも、じゃあ私にも何か能力が与えられてるのかな!」

 「さぁ、どうなんだろうな。与えられてたとしても自分で気付かないと使えないよな」


 ごもっともな意見だった。


(まさかとは思うが無能力って事はないよね?うん、流石にね?)


 焦りの表情を浮かべながら自分に言い聞かす姫那であった。

これからどんどん世界が広がっていきます。

乞うご期待!

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