Dr.コレクティアンの野望
あらすじ
旅をしていたリンスたちは
変な輩に襲われていた・・・
「いえぇっへっへっへ~!!!」
高慢ちきな笑い声があたりに響く。
「魔女っ娘リンス14才! 貴様の声でおいらの声コレクションが完成するのだ! 覚悟せい!」
この妙な輩はコレクティアン博士。
少し前に失踪したとニュースでやっていた人物である。
さて、そんな人物が我らが主人公リンスに何の用であろう?
リンス本人としても全く面識がなく、有無を言わせず口に釣り針をかけられては、困惑するしかない。
「んー!んー!んー!」
リンスが言葉にならない悲鳴を上げていると、ポンッと口の感覚が消えた。
リンスはバランスを崩し倒れこむも、その身の異常にすぐ気づいた。
口がない。
SF映画と呼ぶべきか、デフォルメ絵と呼ぶべきか・・・
リンスは声を出すことができなくなった。
突然のことだが事態を理解したリンスは、絶望よりも怒りがわいてきた。
腕を振り回して何かを伝えようとする。
手話を覚えていないリンスは、とにかく無茶苦茶なジェスチャーで怒りを伝えていた。
「・・・あぁ。 誰だお前は!」
気づいたワン公が翻訳してくれた。 流石、頼れるパートナーである。
「いぃっひっひ! 特別に教えてやろう! おいらはDr.コレクティアン!」
「五つの! 博士号を持つ!! 天才だぁ!!!」
・・・決め台詞らしい。
感情を逆なでする自己紹介にリンスの怒りが有頂天になったが、そんなことはお構いなしにまくしたて続ける。
「おいらの野望は"良い声"を集めること! おメガネに適ったことを誇りに思うが良いわぁ!」
・・・何様のつもりだと思ったが、こいつは「コレクティアン様」とでも言うだろうと考え、リンスはやり場のない感情を抱えていた。
「そして! 貴様の声で我が野望は達成されたのだ!!」
「もう貴様に用はない! バイビーッ!!!」
そういうとコレクティアン博士は、巨大な頭蓋骨の形をした飛行ポットに乗り込み、空の彼方へと去ってしまった。
リンスとしてはたまったものじゃない。
すぐさまホウキにまたがり、飛行ポットを追いかけた。
冷たい風がほほを伝う。
猛スピードで飛行ポットに追いついたリンスは、目の部分に魔法弾を撃ち込んだ。
「ぐわっ! 何をする貴様! メインカメラは高いんだぞ!」
そんなことはお構いなしに、リンスは魔法弾を撃ち続けた。
「よぉし いいだろう! このスカルタンク3号の恐ろしさを味わせてやるわ!!」
ぽすっ・・・ぽすっ・・・
力の抜ける音が鳴る。
「なんということだ! アイ・レーザーが故障とは!」
リンスはとどめの魔法弾を撃ちこもうとした。
ぱすっ・・・しゅぅ~・・・
なんということだ! 魔力が尽きてしまった!
リンスは「ええぃままよ!」と言わんばかりに、飛行ポットに蹴りを入れる。
両者はバランスを崩し、ふらふらと墜落してしまった。
「リンスーーー!!」
ワン公が墜落現場に駆け寄ってくる。
スカルタンク3号は無残にも「骨折」しており、中からズルズルとコレクティアン博士が這い出して来る。
と、その背中に茶色い靴底が振り下ろされた。
コレクティアン博士が空を見ると、そこには無言の圧力を与えてくる魔法使いがいた。
リンスはコレクティアン博士を縛り上げ、彼の持ち物をあさり、見つけた「クチ」を顔につけた。
「無事だったかリンス! 声は取り戻せたのか?」
「ええ、何とかね。 さあ、かわいいリンスちゃんの復活よ!」
「・・・ お前の声って、そんなにダンディだったっけ・・・」
つづく