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魔女っ娘珍道中  作者: NT
ワールド1
2/20

食後の旅立ち

前回のあらすじ


主人公の名前は「リンス」です。


あらすじ終わり

ジュージュージュー


アツアツの目玉焼きをパンにのせ、それにかぶりつきながらリンスはテレビを付けた。


「元・名探偵ダイキチ また、女怪盗に負ける! 屈辱の全裸ー」ピッ

「応用魔法学の権威であるコレクティアン博士が失踪し、早1週間がー」ピッ

「続いては、増毛魔法薬と偽り脱毛剤を販売した反魔法団体がー」プツン


うむ。いつも通り、これといって面白くない。

私が小さい頃は、もうちょっと面白かったと思うのだが、テレビ局の対象者から外れたのかしら。


リンスは、普段なら美味しいと感じるはずのパンを味気なく食べ、さっさと身支度済ませることにした。



着替え鏡の前に立ち、リンスは筆を取った。

この鏡は面白いもので、鏡の中の自分に合わせて服の絵を描くと、実際に描いた服を着ることができるというものだ。

しかし、リンスに絵心はなかった。

細かい、かわいらしい服など描けるはずもなく、今日もブワーっと単色のダボっとしたワンピースのような服を描き上げた。


歯を磨きながらリンスは、これからどうしようかと思いを巡らせていた。



リンスには友達が少ない。

いないわけではないが、近くにいるのは動物ばかりで同種族は少ない。

動物たちは基本的に「魔法使い」というものを嫌っている傾向にあるため、「友達」ができないのだ。

なので、何か悩み事があると、まず相談相手として挙がるのは頭の中の人である。



「何とかなるさ」

これはリンスが大切にしている信念である。

子供の頃に好きだった歌や映画なんかでよく言われていたこの言葉を、いまだに正義と信じて生きている。


もちろん頭の中の人-理想的な私-はこの言葉を投げかけてくるため、結果的に「何とかなるさ」と言い聞かすことになったのであった。



そうして気が楽になったリンスは歯磨き粉を吐き捨て、どうせなら、かつて偉人が世界を変えるために海まで歩いたことを真似し、何かしら影響力を持っている「何か」を目指して旅でもしようかと考えた。


何か・・・王サマとか?


・・・行き先は決まった!


善は急げだ!

そう考えると、リンスはいかにもな魔女らしい帽子とホウキを手に取り(リンスにとってのヒーローである子供向け番組に出ていた魔女の格好をしたお姉さんの真似)、玄関の扉を開けた!


さあ、私の冒険はここからだ!

リンスは偉大なる一歩を踏み出した。

つづく

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