表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

2 ヘーベ学園というところ。


「桃野さーん」



やっとの思いで下の広いステージ会場まで着いた。

父に手を振られた。その顔つきは私がいつも一緒にいる父の顔つきではなかった。


父はいつもはああいうスタンスなのか。

本当に理事長って感じで、いや理事長には変わんないんだけどさ、

なんというか本当に赤の他人なんじゃないかな。そう思ってしまう自分がいた。


手を振る父に回りの女子はキャーキャー言う。

父は歳とは対照にすごく若くみえる。私と歩いてたら「お兄さんですか?」とかしょっちゅう言われる。

三十半ばの人がよく二十代半ばがとか言われるほどにな。

若くみえるうえに童顔で顔が整っている。要するにか女子からモテるのだ。


それとは別に彼は理事長として信頼も厚いらしい。

そりゃあそうだ。幼当部からここにいたら学園のトップである理事長はみんなの父も当然。



案内がされるがままに私は端の席で父が理事長としての挨拶やら立ち姿をみていた。



本当に別の世界の住民みたいでわかっていても頭では理解してても心に何かが突っかかってきた。

私はここにいていいのか、私は考えさせられた。





記憶はここまでしかない。



気づいたらすごく綺麗なゴージャスなベットにいた。


病室なのか保健室なのか庶民をやっていた私からすると判別がつかなかった。



「おー、目覚めたかー」


「…コーヒー臭い」


「初対面の先生に対しての最初の一言はそれかよ」


「あ、先生だったんですネ」


「急に語尾カタコトになってるぞ」


「……」


「俺は養護教諭の竹生田。相談なら俺にしとけよー。生徒の心の管理をするのも俺の役目だ」



頭をわしゃわしゃっとされた。

初対面の人にわしゃわしゃする人ってどう?それも勘違いしやすい女子高校生に。私は例外だけど。



「………こんなの先生に相談したって仕方がないんで」


「…こんなかわいげのない生徒は初めてだ」


「他の女子はみんな俺に話すってか。女子みんなが先生の虜になってペラペラ喋るとか思ってるんだ」


「そのゴキブリを見る目やめろ!てか誰がそこまで言ったよ!!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ