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2 ヘーベ学園というところ。


大変ってなにが…?!

佐賀野さんのその意味深そうな言葉が何なのか気になった。



「俺と優ちゃんもAクラスなんだけどほら、最初はみんな慣れるまで時間がちょーっとかかるしみんなシャイだからさ~」



Aクラスってそんなシャイな人が多いクラスなのか。

いままでいじめられてたし別に酷ではない。…そう、環境が変わるだけ。




体育館がやっと着いた。って、え?

私は思わず凝視した。



いや、え?だってここ体育館…?

私が戸惑うのも無理がないと思う。


いや、ここは野球観戦するところかて。って心の中で何回もつっこんだ。

円型の建物。この大きさといい広さ。体育館ってより規模が違うコンサートホール。

何するのここで…。



「ここは始業式と終業式、演奏会とかで使われている体育館だよ~」


「やっぱりここの生徒の感覚ではここが体育館なんだね…」


「いや普段は第三、第四体育館だ。ここは当部の生徒と先生がいっせいに集まるときだけだ」



ああなるほど。納得がいく。

え、体育館って何個もあるものなの?!



「体育館って何個あるの?」


「六つあるって聞くが俺らも第四までしかいったことない」


「第五と第六は大学部の人たちが使うみたい。俺らはまだ先だね」



確かにここの生徒の総体人数はものすごく多い。

先生の数だって当部全体を数えたら軽く七十人は超える。



「俺たちはあっちだけど」


「あ、私はステージの方だから」


「そっか。じゃあまたクラスでね」



家族以外の人とまともな会話をしたのはいつぶりだろうか。


独りに慣れてしまっていた。

これくらいのこと自分の罪に比べたら当たり前たで軽いとも思っていた。



忘れていたのだった。

母が大切にしてほしい感情を。



「うん!二人ともありがとう、二人と話せて楽しかった!!」



少し二人はびっくりしたように見えたけどすぐまんべんな笑みで「おう」と言った。






「どうだった?転入生」


「…遙真…。いい子だったよ。ね、優ちゃん」


「…ああ。俺はお前のこういう形で人を使うところが嫌いだ」


「やだなぁ、瑠衣も佐賀野も。俺は生徒会の仕事が被ってて行けないから二人にどんな子だったか教えてって言っただけなのに」


「その言い方が胡散臭い」


「ええー、そんなこと言わないでよ~」





私は何も知らなかった。



クラスでいう影響力を与えた人物、クラスの中心人物。そんな存在がいたこと。



そしてその子がとある事件のせいで眠っていること。




このことを知るのもまだちょっと先の話。



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